« 「おかあさんのモンテッソーリ」 野村緑著 | トップページ | 覚書(未読リスト) »

2008年1月21日 (月)

「あおぞらの星」 水谷修著

水谷先生は以前の著書に「これが最後」と書いておられたので、最近はチェックしていなかったのですが、その後も出版されていることを発見。
久しぶりに1冊注文してみました。

「あおぞらの星 夜回り先生と考える 水谷修著 日本評論社

評価 ★★★☆

私は水谷先生を素晴らしい方だと思いますし、書かれている内容ももちろん愛に溢れているのですが、これまで水谷先生の本を何かしら読まれている方には、既に読んだことがあるなぁという内容になっているかと思うため、星は少なめ。

この本は、2006年春から1年あまり、50回にわたって「沖縄タイムス」という沖縄の新聞に連載された子どもたちに向けたメッセージ記事に加筆修正、更に内容を新たに付け加えてまとめられたものだそうです。
ですので、それぞれの項は4ページ。子どもが1回に読みやすい程度の長さということでしょうか。

実際、子どもに向けて書かれた内容であるため、呼びかけが全て「子どもたち」となっており、大人が読むのならこれまでに出ている他の本の方がより心に訴えるものがあるかなという印象です。

また、50回にわたる連載で、先生が子どもたちにどうしても伝えたかったことが、「死んではいけない」「いじめは絶対にいけない」ということだったということや、新聞の週1回の連載(いつも初めてその記事を読む人もいるということになるでしょうから)ということなどの理由でしょうか、とても似通った内容が繰り返し出てくるということも否めません。

そして、1つ1つの記事が新聞の字数を意識して書かれているせいもあるのか、これまで読んだ本ほど強く訴えてくるものが感じられませんでした。(4ページで1テーマですから、やむを得ないのでしょうけれど…)
もちろん、他の本同様に子どもたちへの愛情はしっかり伝わってはきますが、これを手に取った子どもたちにどの程度の訴えかけができるのかなと、少しそんな気持ちになりました。(内容が悪いとかいうことではなく、とにかく字数制限で短い中で何かを伝えようとすると、どうしても伝えきれないところが出てくるように感じるということです。)

水谷先生のもとにはメールアドレスを公開されてから3年で30万件もの相談メールがあったそうです。1年に10万件。単純平均でも1日300件近くものメールを受け、それに対応され、更に8年で2000回以上の講演。土日には「夜回り」を。
ご病気を抱えてのその活動は、本当に子どもたちへの愛情なしには絶対不可能なことだろうと思います。

ただ、水谷先生がそういう活動をそんなにもお続けにならねばならないのは、間違いなく私たち大人の作った社会に問題があるということでもあるのでしょう。
子どもたちはとても敏感で繊細ですから、確かな愛情をしっかり受けて育てば、きっと先生のもとに「死にたい」「つらい」と子どもたちからのメールがそんなにもたくさん届くことはないように思うのです。

先生は本の中で子どもたちにこう呼びかけています。

(前略)子どもたち、君たちにとってどんな子が「いい子」ですか。どんな「いい子」になりたいですか。たぶん、すべての子どもたちは、親に好かれ愛され、先生に褒められ、友だちがいっぱいいる子が「いい子」だと、考えていると思います。(中略)

 水谷は、こう考えています。
 すべての子どもは「いい子」だと。生きていてくれるだけで「いい子」なんだと。そしてもし、笑顔をいっぱい浮かべてくれて、目を輝かせて明日を考えてくれたら、それこそが「最高のいい子」なんだと。(中略)

 君たちはみんな「いい子」です。私たち大人の宝物、夢なのです。
 ただ、生きていてくれればいい。もし、笑顔でいてくれればなおいい。それだけでいいんです。
 さあ、肩の力を抜いて、自分の思う道を明日に向かって生きよう。

|

« 「おかあさんのモンテッソーリ」 野村緑著 | トップページ | 覚書(未読リスト) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/96750/17607154

この記事へのトラックバック一覧です: 「あおぞらの星」 水谷修著:

« 「おかあさんのモンテッソーリ」 野村緑著 | トップページ | 覚書(未読リスト) »