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2007年11月29日 (木)

「きっと、よくなる!」 本田健著

恐らく2年ほど前に購入し、少し読みかけたところでそのまま放置。この分だともう続きを読むことはないのではと思いながら時間が過ぎていたのですが、最近ちょっと教育書から離れていたもので、ようやく読み終えました。

「きっと、よくなる!」 本田健著 サンマーク出版

評価 ★★★☆

以前は本田健さんの本が好きで結構読んでいましたし、「ユダヤ人大富豪・・・」などはベストセラーにもなり、読んでいても面白かったです。
ただ、おっしゃっていることは納得がいきますし、共感できることも多く、常に基本的に前向きな気持ちになれる内容であるものの、ある意味でどれを読んでも根っこの部分は同じことをおっしゃっているなと感じるところもあり、読みかけで長らく放置してしまいました。

続きを読んだものの、やはり印象としては変わらず、内容はいいことが書かれているけれど、本田さんのほかの本を読んだ人には新鮮味はあまりないのでは?と感じるものでした。

本の副題には「人生はよくなるようにできている」と書かれていますし、表紙をめくると「考え方ひとつで、どんな人の未来も必ずよくなっていくのです。自分のすばらしい未来を信頼してください。」とも書かれています。
要するに、そういうことに関して書かれた1冊です。

章立てはなく、2~4ページ程度に1テーマ、全部で100ほどのテーマについて書かれています。
いくつか見出しをご紹介しますと・・・。

最大のピンチは、最大のチャンス
試練はご褒美をもってやってくる
神様はケチじゃない
いちばん恐れていることをやってみる
まわりからの逆風は、飛び立つための向かい風
好きかどうかで物を選ぶ
あきらめなければ、失敗はない
いらないものを五つ処分しよう
人は、自分に許したものしか受け取れない
喜びの種を淡々と蒔く

書かれている内容は全て気持ちが穏やかになったり、あったかくなったり、前向きになったりという内容ですが、ひとつ、特に印象深かった(子どもネタだからでしょうか・・・)ところを引用させて頂きます。

「豊かな人ほど与え上手」というテーマで書かれているところですが、お嬢さんの幼稚園のお友達のお家が火事で全焼してしまったときのことだそうです。

 秋のある日、幼稚園の親しくしているお友達の家が火事になり、全部焼けてしまったと言うニュースが飛び込んできました。子供服や身の回りの物を集めて、その子にあげようとしていたとき、娘が急に「いいこと思いついた!」と叫びました。
 「ねぇ、パパ、このお家あげようよ!私たちには、おばあちゃんの家があるからさ」というのです。いろいろあげようとは思っていましたが、まさか家をあげるとは思ってもいなかったので、「え!家をあげる?ダメダメそんなの」と強く否定してしまいました。
 すると、それにめげずに今度は、「そうか。じゃ、車をあげようよ。二台あるからね。決めた!」というのです。これには、笑ってしまいました。
 両親ともプレゼントが好きなせいか、娘は、お客さんが来るとシールとか、いろいろな物をあげます。
 あるとき、娘のお気に入りをあげようとしているのを見て、「あれ、それっていちばん好きなやつじゃなかったっけ?」と聞きました。すると娘は、「そうだよ。好きだからあげるの」というのです。
(後略)

なんて素敵なお嬢さんなんでしょう・・・。

人生に落ち込んだり、悩んだりされている方は少し元気になれるのではという1冊です。

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2007年11月26日 (月)

「探偵ガリレオ」 東野圭吾著

私には非常に珍しく、小説のご紹介です。

「探偵ガリレオ」 東野圭吾著 文藝春秋

評価 ★★★★

東野圭吾というお名前はよく耳にしていましたし、話題作を色々書いておられるのもなんとなく知っていましたが、何しろ普段全くというほどフィクションを読まない私は、これまで東野氏の作品をひとつも読んだことがありませんでした。

おまけにテレビもほとんど見ないので、流行だの話題作だのそういうものにも極めて疎いのですが、たまたま今クールのドラマにこの小説が原作となった「探偵ガリレオ」というものがあると聞き、たまたま初回だけ見ました。

連ドラをずっと見るのは今の私にはあり得ないし、でも、なんだかちょっと面白そうな内容でもあったため、小説を読んでみることにしました。
で、滅多に読まないものの、小説を読むとしばしば感じるように、小説家ってすごいなぁ、頭いいなぁ・・・なんでこんなものが書けるんだろう・・・と、今回も思いました。

全く知らなかったのですが、東野氏は大阪府大の電気工学科ご出身でもともとはエンジニアをされていたそうで、作品にも理系の方っぽいなぁと感じるところも色々とありました。
作品としてはもう10年ほど前に雑誌に連載され、その後98年に単行本として出されたそうですので、結構古い作品なのですね。

それがなぜ今ドラマ化なんだろう?と思ったりもしますが、なかなか面白かったです。
ちょっと気になって、氏の別の作品ももう1冊購入しましたが、そちらはまだ全く手付かずです・・・。

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2007年11月22日 (木)

「14歳」 千原ジュニア著

自分でもなぜかわからないのですが、出版されて間もなく購入しました。
しかし、「なんで買ったんだろう?」と思ったまま、長らく放置し続けていました。
・・・もっと早く読めばよかった・・・そう思いました。

「14歳」 千原ジュニア著 講談社

評価 ★★★★★

お笑いの千原兄弟の弟、千原ジュニアが書いた「自伝的小説」とのことですが、どこまでが事実でどこからが脚色なのか、それは少し気になるところです。

ただ、この大筋が自伝なのであれば、それはそれで千原ジュニアという人物は計り知れない偉人なのかもしれないと感じますし、仮に虚構の部分が相当あるのだとしても、それはそれでまた、小説家としての才能を感じます。
つまり、自伝でも小説でも、どちらでもジュニアはすごいというのが私の感想です。

本を読む前から、テレビなどでも話題になっており、ジュニアが引きこもりだった頃の話だということはわかっていました。
「ふ~ん、引きこもりだったんだ・・・」という程度にしか受け止めていませんでしたが、これまで私がぼんやりと抱いていた「引きこもり」とは全く違う姿がそこには描かれています。

そして、これを読んで改めて、学校に行けない子どもの中にはここまでではないにしろ、こんな風に色んなことを考えて、自分の存在意義、学校に行く目的、理由、そんなものと色々考えて、その結果行けなくなっている、外に出られなくなっている、そんな子達も少なからずいるのかもしれないと気づかされました。

小学生の頃から既に自分の存在、自分が進むべき道を考えていたジュニア。その答えが見つからず、もしかしたらそこに行けば・・・と思って入学した中学にもその答えはなく、来る日も来る日も狭い屋根裏部屋で探し続けていた自分の進むべき道・・・。

テレビをほとんど見ない上、バラエティーはいつから見てないだろう?という状態なので、千原兄弟の漫才(?)を見た記憶はほぼないのですが、なんだかすっかりジュニアのファンになってしまいました。
そして、お兄ちゃんの大きな愛情にも感動しました。

ジュニアが好きじゃない方にもオススメです。
ジュニアって誰?って方でももちろんオススメです。

きっと何か感じるものがあるのではないかと思います。
もしまだ読まれたことのない方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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2007年11月19日 (月)

「『経皮毒』がまるごとわかる本」 竹内 久米司・稲津 教久著

先日読んだのに引き続き、もう1冊読んでみました。(ご紹介はかなり遅くなりました…。)
しかし、基本的に無精者なので、実践できるところだけ実践するという感じになるんだろうと思います・・・。

「『経皮毒』がまるごとわかる本」 

竹内 久米司・稲津 教久著 三笠書房

評価 ★★★★

前回読んだものは、「図解」ということで図を多用し、入門書としてはとても分かりやすいものでしたが、もう少し何か読んでみようと思い、文庫で手軽に読めるこちらを読んでみました。

以前ご紹介したものと比べると、文章の量もこちらの方が多く、図は少なめです。また、巻末に「化学物質の分子量が一目でわかるからだに有害な化学物質リスト」というものがあり、30ページ近く色々な物質が紹介されています。(といっても、それを覚えようなんて気は無精者の私にはありませんが・・・。)

章立ては5章から成っており、それぞれ以下のようなタイトルになっています。

第1章 「経皮毒」を知っていますか?
第2章 家の中は危険な「化学物質」でいっぱい
第3章 こんな危ない「日用品」使っていませんか?
第4章 「環境ホルモン」で未来が危ない
第5章 今日からはじめる「経皮毒」から身を守る法!

私は読んでいないのですが、以前「買ってはいけない」という本が流行ったり、比較的最近では「食品の裏側」という本が流行ったりして、知ると怖くて使えない、食べられない・・・などということもあったかと思います。
そういう意味で、この本も真剣に受け止めて実践しようとすると、現代の私たちには相当大変な負担になるのではないかと思います。

ただ、全く知らないでいるのがいいかといえばそうではないとも思いますし、知ることで心がけられることも少しは増えるのではとも思います。

例えば、台所用洗剤が殺虫剤より危険なものであるとか、一般的な化粧品全般に有害物質を多く使っているだとか、そういうことを知ることで、使用量を控えたり、天然のものに変えたり、食事の時には可能であれば口紅を取るなどを心がけたり・・・と、意識できることもあるように思います。

また、第5章では「経皮毒」から身を守る方法が紹介されており、食物繊維をたっぷり取るであるとか、サプリメントで排毒するであるとかの他に、「笑いが免疫力と代謝を活発にする」とか「感謝・感動の気持ちがこころを変える」なども書かれており、印象に残ったところを一部ご紹介します。

 つねに笑いがあり、感謝と感動の気持ちをもつことで、脳が活性化しますので、多少の化学物質が入ってきても、すぐに排泄することができるでしょう。
 一度きりの人生ですから、いいものを食べて笑いと感謝・感動の気持ちをもち、悔いのない人生を歩みたいものです。

読みやすい本ですので、ご興味のある方は一度読んでみられてはいかがでしょうか。

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2007年11月15日 (木)

「鈍感力」 渡辺淳一著

今更ながら…な本のご紹介です。
少し前多分ベストセラーだったのですよね?少し出遅れて購入し途中まで読んだものの、結局長らく放置してしまって、最近ようやく読み終えました。

「鈍感力」 渡辺淳一著 集英社

評価 ★★★☆

個人的に渡辺淳一さんといえば「失楽園」の著者というイメージがあり、なんとなく、「ふ~ん、こういう普通の(?)本も書かれるんだなぁ」と思いながら読み始めました。

書かれている内容自体は基本的にとても納得のいく、共感できるものではあるのですが、どなたかがアマゾンのレビューに以前書いておられたように、タイトルの付け方にかなりポイントがあるような気がします。

「鈍感力」と言われると、もともと私たちにとって「鈍感」というのはマイナスイメージのある言葉であるにも関わらず「力」という言葉がつくことで、何かの能力なの?と思わされるような。
で、さて、それはどんなものなんだろう?と興味を惹かれて読んでみる…という方も多かったのではないでしょうか。

ただ、著者のいう「鈍感力」とは、あるときには「楽天的」であったり、またあるときには「ポジティブ」であったりと、私たちが普段別の形容をしているであろうことに対して使われているような感じで、そういう意味では新たに何かこれまで意識されていなかった特別な能力があるということではないようです。

そのため、読んでいて何か目新しさや新鮮さを感じるということも特になく、おっしゃることはごもっとも、納得できますよ、でもね…というような印象を受けました。

ひと言で言ってしまえば、神経質でデリケートであるより、多少鈍感でおおらかである方が何かにつけ良いことが多いですよというような内容だった気がします。
ただ、それは言われなくてもその通りよね?とも…。

まあ、普段、何かと「鈍感」と言われて気にしている方や(いや、鈍感なら言われても気にしないか?)何かにつけくよくよしてしまって、もっとおおらかになりたいなと思っている方などが読まれると気分転換とか発想が変わるとか、そういうことはあるかもしれませんが、「へぇ~~、そんなこと考えてもみなかった!」というようなことは私にはほぼありませんでした。

健康にいきいきと楽しく毎日を過ごすためには十分参考になる本だとは思いますが、「鈍感力」という何か特別な力について書かれているのかな?と思って読まれると、少し期待外れになるかもしれません。

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2007年11月12日 (月)

セオリーvol.3「サービスの花道」

随分前に購入したのですが、ちょこっと読んでは休憩、ちょこっと読んでは他の本・・・となってしまい、購入からかなり時間が経ってしまいました。

「サービスの花道」 講談社MOOK セオリーvol.3

評価 ★★★☆

A4サイズの大型本で、雑誌に近いのだと思います。
タイトル通り、色々な「サービス」を取り上げており、雑誌形式ですので内容も様々です。

巻頭特集として「私の好きなサービス嫌いなサービス」というタイトルで著名人の色々な意見を紹介してあります。

また、マクドナルドでお客のわがままどこまで対応してくれるかの実験、生命保険のサービスの矛盾、サービス力診断などもあります。

また、中ほどには「大特集」として「客の心をつかむプロたち」というページがあり、ザ・リッツ・カールトン大阪や最近世間をにぎわせた赤福など、10の施設が取り上げられています。

その中で興味深かったのが「亀田メディカルセンター」という病院。この病院は「日本で唯一のリゾート病院」と紹介されていますが、病院なのに全く病院っぽくなく、院内に美容院やレストランなどもあり、また、家族や親しい身内は24時間出入り自由のシステムになっているなどと紹介されており、紹介の最後は以下のようにしめられています。

 国の医療費抑制策から、病院を取り巻く経営環境の厳しさは増し、この世界もまた、サービスの質によって容赦なく淘汰される「大競争時代」を迎えている。
 その渦中にあって亀田メディカルセンターは、これからの病院のあり方に、ひとつの道筋を示している。

確かに、病院がホテルのような場所になるというイメージは私には全くありませんでしたので、感心してしまいました。
当たり前と思っていることの中にもきっと、当たり前ではないことが沢山あるのだろうなと、そんなことを思いました。

教育にはほぼ全く関係ない内容ですが、興味深い記事もいくつかありました。
うちの教室は「経営」ということとも殆ど無縁の状態ですが、経営者の方などには参考になることも色々書かれているのかなと思います。

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2007年11月 8日 (木)

「頭のうちどころが悪かった熊の話」 安東みきえ作

ネット書店でふと目に留まったのですが、童話なのに単行本サイズ、誰を対象にしているのかな?と思いつつ、ちょっと気になったので注文してみました。

「頭のうちどころが悪かった熊の話」 安東みきえ作 理論社

評価 ★★★★

最近ちょっと教育に直接関係しているわけではないけど・・・的な本を読みたい気分になっていて、これまで読まずに積んであった中からそういうものを順に読んでいました。
そのうちの1冊がこちら。

紹介では「現代のイソップ童話」と書かれていたのですが、子どもが読むには文字が小さく、本のサイズ自体も小さい。
かといって、内容は子どもが読んでも何か感じるだろうな、色んなことを考えるかもしれないなと思うようなお話が7話。

絵本ではありませんが、短編童話なので読み聞かせにもいいかもしれません。

大人が読んでも十分楽しめるのではと思います。(私は結構楽しく読みました。)
表紙をめくるとこんなことが書かれています。

どうせまた寝ることになるっていうのに、
なぜ起きなくちゃいけないんだろう?
―――――――――――――――「池の中の王様」より

人生について考える7つの動物寓話

確かに、大人が読むと改めて何か考えさせられるものがあるように感じます。
これを感受性豊かな子どもが読んだらどんな風に感じるんだろうなぁと思います。

さらっと読めますので、ご興味のある方は是非一度読んでみてください。

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2007年11月 5日 (月)

「『天才脳』の育て方」 養老孟司・茂木健一郎著

多分昨年末か今年初めに購入はしたのですが、DVDブックだったため、なかなか開くことなく過ごしておりました・・・。

「『天才脳』の育て方」 養老孟司・茂木健一郎著 アスコム

評価 ★★★★

この本が出版されたのが昨年末。その頃は今より更に「脳トレブーム」のような時期だったのではないかと思います。
そのタイミングに、養老先生と茂木先生の「天才脳」というのはどういうものを指すのだろうと気になり、購入してみました。

ただ、読み物の部分はかなり限られており、DVDがメインなのだと思います。
また、私は殆どテレビを見ないため知らなかったのですが、NHKに「科学大好き土よう塾」という番組があるのですね?
この本はその番組のスペシャルブックと書かれており、実際、DVDにはその番組の放送の2回分なのかな?と思われるものが収められていました。

茂木先生といえば「アハ!体験」でご存知の方もおられると思いますが、DVDにはその「アハ!体験」ができる問題が全部で50題収められています。

先日やってみたのですが、気づけば「こんな簡単なもの!」とか「こんなのわからないわけがない!」とか感じるほどの変化であるのに、気づかないときは全く気づかず、人間の目や脳って面白いもんだなぁと改めて感じました。(詳しく書くと楽しみがなくなると困りますので控えますが、教室には置いておきますので、貸し出し可能です。)

表紙にはお二人が並んだ写真があり、その下に大きくこんな言葉が書かれています。

「"一流校"に入れなければ!」
「"頭のよい子"にしなければ!」

・・・そんなバカな子育てで
本当にいいんですか?

なかなか気になるフレーズですよね。
読み物の部分がかなり限られているものの、個人的に大いに共感し、うんうん、そうよね!と思うところが多かったです。
この先生方の説を支持する大人が増えたら、子どもたちはもっと生き易く、素敵な子になっていくんだろうなぁと思いながら読みました。

最初にお二人の対談記事があるのですが、そこにはいきなり大きくこう書かれています。

「頭がいい子」より「頭が丈夫な子」に育てよう!

そして、養老先生がこうもおっしゃっています。

しかし、多くの人が間違っているのは、頭の良さと体の丈夫なこととを、別モノと考えているところ。本当は脳も体の一部なんです。だから、頭や性格の良い子に育てたかったら、机に向かって勉強させるだけでなく、もっと体を動かすようにしなければいけない。

この対談の内容はとても素敵で全文紹介したいぐらいですが、是非どこかで見つけて読んでみてください。(短いので立ち読みですぐに読めます。)

その後、それぞれの先生が数ページずつ書いておられますが、養老先生は後半でもまた「頭を良くしたかったら自然の中で遊ぶこと」
「子ども同士の遊びが会話の能力を伸ばす」
「体でおぼえないとキレやすい脳になる」

など、気になることを色々と。

ラストの茂木先生の言葉もうなずいてしまいます。

子どもたちには、受験テクニックより「安全基地」が必要です。
(前略)安全基地とは、たとえば「子どもが何をやっても守ってあげるよ」というメッセージを親が発すること。生きることは、先がどうなるかわからない道を歩むことでもあります。その不確実性を不安に思って規則で縛ってほしいと思うのか、不確実性そのものを楽しめるようになるのか。それは安全基地があるかないかにかかっています。(後略)

私にとって、穏やかで平和な気持ちになれる素敵な1冊でした。

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2007年11月 1日 (木)

「世界で一番いのちの短い国」 山本 敏晴著

長らく映画もレンタルビデオ、DVDも見たことのない生活・・・。
お知り合いの塾長さんがある映画を薦めてくださったのですが、それを見るより先にこちらを読んでみました。

「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団 

山本 敏晴著 白水社

評価 ★★★★★ (教育には直接関係ないと思いますが・・・)

帯に書かれている言葉がショッキングです。

5歳になるまでに、子どもの3分の1が
死んでゆく・・・・・・。平均寿命最短の知られ
ざる国で、若き医師が救う彼らの「命」

私自身、シエラレオネという国は全く知りませんでした。国名を聞いたのも今回が初めてだと思います。
著者の山本氏は医師であり、写真家。また、非営利非政府組織「宇宙船地球号」代表を務めておられる方だそうです。

この本の写真も山本氏自らが撮影されたそうですが、子ども達の表情がとても生き生きと写されています。

また、著書の最後に、山本氏の著書は全て、「営利目的ではなく、国際協力の世界を読者に知っていただきたい願いによって刊行されており、印税・原稿料をいっさい受け取っておりません。」と書かれています。

5歳になるまでに3分の1の子どもが死んでいく。世界最短の平均寿命の国・・・。
正直言って全く想像がつかず、どんなつらく壮絶な生活なのだろうと思いながらページを開いたのですが、著者の文章がとても明るく、前向きに楽しく書かれているため、読んでいてもむしろ楽しくどんどん読み進めることができます。

しかし、著者の実際の医療活動、現地での生活を側で見ていたとしたら、あまりの過酷な労働に言葉をなくしてしまうだろうと思うほど、朝から晩まで、ろくに睡眠もとらず、食事も味やバランスなどとは言っておられない環境で半年間、現地の方たちのために働き続けられたことは恐らく間違いなさそうです。

HIVの陽性患者が沢山いる中、危機的な出産で母体の出血が止まらず、大きな病院に着くまでの2時間、止血のために手袋なしでそこに腕をつっこみ続けたというエピソードが初めの方に出てくるのですが、もしもその母親が陽性だったら、著者もHIVに感染する可能性は極めて高かったそうで(幸い事なきを得たそうですが)、本当の意味での「命がけ」の国際協力なのだなと、読み進めるほどにそれを感じます。

山本氏が素晴らしいと思うのは、先進国からの押し付けにならないよう、現地の言葉をできる限り覚え、現地の習慣なども学び、現地の方の立場に立った協力を心がけておられることや、自分たちが去った後に同じレベルの医療サービスが受けられるよう、現地のスタッフを教育し、そのほかにも現地の一般の人たちに広く衛生教育などを広めていく活動をしておられることなど、本当に本当に素晴らしい方だと思いました。

文章もとても読みやすく、面白く、ご自分で写真まで撮ってしまい、本業(?)はお医者様。ものすごい才能の持ち主だなと思いますが、この本には山本氏なりの国際協力のあり方なども書かれており、国際協力に関心がある方には大いに参考になるのではと思います。

私のように、直接国際協力とか考えていない人間でも十分面白く読め、また、色々なことを考えさせられもしました。
そして、日本に生まれた自分たちが、それだけでいかに恵まれているかということも感じました。平和で長寿命の国に生まれた幸せに感謝して、しっかり生きていかねばと思う1冊です。

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