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2007年8月 2日 (木)

「川田龍平いのちを語る」 川田龍平著

先日の参議院選挙で、久しぶりに川田さんの姿を見ました。
ああ、こんな立派な大人になられたんだなぁと思いながら、選挙結果を見ていましたが、そのあとネット書店でこの本を見つけ、注文してみました。

「川田龍平いのちを語る」 川田龍平著 明石書店

評価 ★★★★☆

この本を注文したのが月曜。届いたのが昨日。ちょうど読んでいた本が1冊終わり、他にも読みかけのものや前から買ってある未読のものもあったのですが、先にこれを読んでみたいと思い、持って帰りました。

そして、昨夜布団に入るときに眠くなるまで読もうと思って読み始めたのですが、読み始めて間なしから涙がボロボロ溢れてきて、途中でやめるにやめられず、もともと行間も広く、写真も多いので読みやすいということもあり、お布団の中で読み切ってしまいました。

ひと言で言えば、こんな政治家が増えれば世の中は変わるだろうと。
川田さんはある意味、本当に「命がけ」で社会を変えようと政治の世界に足を踏み入れられたのだなということがひしひしと伝わってきました。

とてもとても素敵な本で、是非皆さんにも読んでみて頂きたいとは思うのですが、是非購入して読んでくださいというには価格が微妙なところかなと思います。
もし、図書館などで借りることができるなら、是非一人でも多くの方に読んでみて頂きたいなという1冊でした。

ただ、これをもっとも読んで頂きたいのは、国政に携わる方々だ。
ひしひしとそう感じました。

川田さんのことは皆さんご存知だと思いますが、薬害エイズ訴訟で実名を公表され、その後、和解が成立。国を相手取った裁判としては本当にすごいことだったようです。
ついこの前のことのように感じるのに、その裁判は一応和解をしたのが1996年3月。今からもう11年以上前のことなのですね。
時の流れの早さに改めて驚きを感じました。

読み始めて涙が止まらなくなった理由はきっと色々あるのですが、物心ついたときには既にHIVに感染していて、発病すればかなりの確立で死を迎えるという事実を背負って、ずっと生きてこられたということ。

それも、本人に原因があるのではなく、また、正しく使われていた薬のせいでもなく、そこにあったのは製薬会社と政治家の都合。
誰かのお金儲けのために、アメリカでは既に危険視され始めていた時期以降にも日本では大量に輸入された血液製剤が使われ、「血友病患者約5000人のうち約1600人がHIVに感染。すでに599人がエイズを発症し、死亡しています」と著書の中に書かれています。

その時期に血友病患者の方のほぼ3分の1が、誰かのお金儲けの犠牲になり、更にその3分の1以上の方が命を落とされた。
そんなことがあっていいのだろうかと、やり切れない思いでいっぱいになりました。
そして、「日本人は政治に無関心」というのは当たり前のような感覚で過ごしてきましたが、もし私たち一人ひとりがもっと政治に関心を持って、国のやっていることをしっかり見ていれば、もしかしたらこんな悲しい事件は起きなかったのかもしれないと、そんなことも考えました。

著書は以下のような構成になっています。

1 絶望ではなく、希望を
2 いのちを伝える - 子どもたちに語る
3 薬害エイズのたたかいを政治につなぐ - 31歳の決意
4 環境と平和をつなぐ - キーワードは「いのち」
5 地球のいのち - 龍平、アフリカへ行く

1章では、川田さんが国政に出る決意が書かれています。
文の中のこの言葉はとても重いものがありました。

 今、何もしないで、あきらめてしまうのではなく、最後まであきらめないで生きていきたいと思います。
 薬害エイズのときもそうでした。「どうせ、何をしたってムダだ」とあきらめるのではなく、まわりの人たちといっしょになってとりくんできたことが、一人ひとりを動かし、その一人ひとりが行動したことが画期的な裁判の和解へとつながったのです。
 
 あきらめなければ、できることがあります。

 一人ひとりが自分にできることは何かを考え、行動することで社会を変えていくことがでいます。その確信と行動が子どもたちにプレゼントできる「希望」なのです。(中略)

 自分の余生を、全力で「この国」を、「この星」を変えるために力を尽くします。どうか、みなさんいっしょに実現しましょう。

川田さんにとって人生とは、10歳のときに15歳まで生きられないといわれて、また1年、また1年と誕生日を迎えられたことをかみ締めて過ごしてこられた、私の薄っぺらな人生とは重みが全く違う、ずっしりと重い31年なのだと思います。

そして、この先もこの方は、きっと1日1日を本当に大切に、自分にできる精一杯のことをしていかれるんだろうなと、そんなことを感じました。

4章では、先日「豪快な号外」でも紹介されていた、「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人代表の辻信一さんと、「カフェスロー」の立ち上げにも携わられた藤岡亜美さんとの対談がまとめられています。

5章では、アフリカに行き、ワンガリ・マータイさんらに会い、現地で経験された色々なことが紹介されています。

さっと読めますが、心にはがんがん響いてくるものがありました。
皆さんにも読んでみて頂きたい1冊です。

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