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2007年8月30日 (木)

「子どもの才能は国語で伸びる」 工藤順一著

もしかしたら1年ぐらい未読で置いてあったのかもしれません。(最近、3ヶ月ぐらいかな?と思うと半年とか、感覚がおかしくなっているので・・・)

「子どもの才能は国語で伸びる―五感を使って読書と作文  工藤順一著 エクスナレッジ

評価 ★★★★

気になるタイトルだったので購入したものの、うちの教室は算数がメインということもあり、ついつい後回し後回しになっていました。
やっと読んでみたのですが、「国語」という言葉から受けるイメージと、著者の工藤先生がおっしゃっていることは若干ズレがあるのかもしれないなと、個人的にはそんな印象を持ちました。

著者の工藤先生は、東京で「国語専科教室」を主宰されるかたわら、非常勤講師として芝浦工大で空間論を教えておられると著者紹介に書かれています。
国語の先生なのかと思えば、工大で空間論。なんとも奥の深い方だなぁと思いながら読み始めました。

先生の教室では1000冊ほどの本を用意し、それをもとに小中学生を中心に読み聞かせや作文指導などをなさっているようです。

本書の構成は「はじめに」で先生ご自身が紹介しておられますが、以下のようになっています。(以下引用)

 第1章は、教室に良質の絵本を大量に持ち込んで読み聞かせし、『コボちゃん』というマンガを使って作文練習をする試みを紹介しています。主に低学年対称の実践です。
 第2章は、中学年以降が対象で、一冊の本を完全に要約しながら精読する方法を紹介しています。解答は幾通りにも導かれるでしょう。
 第3章は、大人のマンガを分析して記述させるやり方を紹介しています。
 第4章は、教室を出て科学館での実体験をもとに作文を書くことを紹介しています。

また、それに続いてこう書いておられます。

 いまの国語教育をたとえていうなら、五感を駆使したマルチメディアの時代に、まるで雑音だらけの聞き取りにくいラジオ放送で、しかもわざわざ難しくて分かりにくい言葉遣いで単調に講義しているような感じとでもいえましょうか。子どもたちにはその時代のもっとも豊かなものが与えられるべきなのに――。
 一体、国語の教科書の文章はどのような方がどのような価値基準で採択しているのでしょうか。現実にはもっと面白い本や文章がたくさんあります。また、学校だけで通用して、社会に出てから何も役立たない建前的な作文を書かせるのはもういい加減にやめて欲しいです。子どもたちは、もうそれが建前でしかないこと、「王様は裸だ」ということをしっかりと知っています。
 だからといって今の子どもたちは反抗などしません。ただ、しらけきっていくだけなのです。 日本の子どもたちは、もう「王様は裸だよ」とすらいわなくなってしまいました。そして、学校とそれ以外の現実で言葉を使い分けることを学びます。何ということでしょうか。使い分けられない子が不登校になっていくのでしょう
。(後略)

1章には子どもたちにお勧めの絵本などが解説を交えて色々紹介されており、私も何冊か買ってみようかと思っています。
2章以降の作文指導などの実践は、確かにこれをしっかりやっていけば、子どもたちは賢くなるだろうと思えるものです。
特に、「コボちゃん作文」などはご家庭でも実践できそうなものです。

ただ、1冊の本を精読して・・・という実践になってくると、指導者側の力量がかなり問われるようにも感じますので、この先生の教室だからできるとか、一部の指導力のある先生ならできるとか、そういう面も少なからずあるのだろうなという印象を受けました。

余談ですが、5章で紹介されている科学館は静岡にあるそうなのですが、思わず行ってみたくなりました。

工藤先生がタイトルに子どもの才能は「国語」で伸びると書いておられますが、先生が言っておられる「国語」と私たちが一般的にイメージする「国語」とにはズレがあるように感じました。

私たちは日本人なので、普通はものを考えるときにも日本語で考えますし、誰かに何かを伝えたいときにも日本語を使います。
考えること、言いたいことを論理立ててまとめること、それをうまく表現すること、それらを「国語」というのであれば、間違いなく能力は「国語」で伸びるといえるだろうと思いますし、この本で先生が書かれていることには大いに共感、納得できました。

言っていることの根っこの部分は多分私が尊敬する先生方と同じなのではないかなという印象を受けます。

いい本だと思いますが、一般的に学校や塾などで学んでいる「国語」の授業のようなものを想像して、その「国語」で才能が伸びるのだと受け止めてこの本を読まれると、ちょっとギャップがあるかもしれません。
ただ、賢い子どもに育ってほしいと願う方が読まれるには十分価値のある本だと思います。

ご興味のある方は読んでみてください。

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