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2007年6月21日 (木)

「ひとりで、できた!」 池田政純・池田則子著

またまた「モンテッソーリ」関連書籍を読んでみました。
読めば読むほど、もっと知りたくなってきますね。

「ひとりで、できた! 子どもは手を使いながら一人立ちする

相良敦子監修 池田政純・池田則子著 サンマーク出版

評価 ★★★★☆

相良先生の本は既に何冊か読みましたが、今回は相良先生が監修され、京都で「くすのき保育園」をしておられる、池田政純先生、池田則子先生が書かれた1冊です。

帯に少し小さな字でこう書かれています。

保育園の先生たちが考えた、
「モンテッソーリ流」
教具の作り方と活用のヒント。

ここからもわかるように、本書では実際の教具が写真つきで沢山紹介されています。
6章構成になっており、それぞれの章のタイトルは以下のようになっています。

第1章 子どもは幸せになるよう、創られている
第2章 「敏感期」は、自然がくれた成長のためのチャンス
第3章 子どもたちの、心の声 -「くすのき保育園」の日常から-
第4章 遊具作りのポイントと活動をサポートするコツ
第5章 基本の動きを楽しくマスター 家庭で作れるアイディア遊具
第6章 動きながら自分磨き 感性や知性を高める遊具

第1章から第4章までは主に読み物、第5、6章は主に教具(遊具)の作り方とその遊具の効果などが書かれています。

とても大切なこと、素敵なことがたくさん書かれていますが、一部引用してご紹介します。

第1章より

 幼児期は、人間のハードウエアにも相当する感覚器官や運動器官、そして脳を完成しなければならない時期です。だから、この時期の子どもの周囲には、「感覚器官を洗練することのできるもの」「運動器官を洗練したり鍛えたりすることのできるもの」を豊かに準備してやることや、脳をよく使うことのできる経験をたくさんさせてあげることが大切です。
 感覚器官や運動器官がすでにできあがってしまったおとなが、おとなの価値観で「良い」と思ったものは、必ずしも子どもにとって価値があるとは限りません。
 たとえば、この時期の子どもは一生のうちでこの時期一回きりというほどに全力投球で体を動かしたいのです。
 ところが、都市化された現代社会には、子どもが思う存分に体を動かせるスペースがありません。外から家の中に追いこまれた子どもたちを待っているものは、テレビやビデオ、そしてゲームやパソコンです。
 視覚だけしか使わない、しかも平面の電子画面しか見ないという悪条件に加えて、早期教育のビデオの前に座らせれば意義があると思いこんでいるおとなのせいで、子どもたちのメディア漬けは恒常化してきました。
 その結果は、「新しい荒れ」といわれる、子どものさまざまな問題を生み出しています。(後略)

第2章より(「敏感期」に関する内容から一部引用)

 30年近くもの間、現場で0歳児の赤ちゃんから6歳ごろまでの子どもをたくさん見てきていますと、子どもの動きがどう変化し、体や心はどんなふうに発達するのか、知性がどのように芽生えだすのか、そのときどきで子どもは何に興味をもつのか、という一連の流れがくっきり浮かびあがるように見えてきます。

第3章より

 子どもはおとなが考える以上に、本質を見抜いたり、美しいものに対して敏感な感性をもっています。ごてごて飾りつけたものより、シンプルだけど機能美にあふれるものを好むのです。
 教具も、要素が一つだけのわかりやすいものが好きなのはそのせいです。また、清潔ですっきり整理整とんされた室内にいると、気持ちが落ちつくようです。子どもを取り巻く環境が、おとなの勝手な思いこみで"子どもだまし"にならないよう、注意してください。

第4章では、遊具作りのポイントと子どもの活動をサポートするコツがわかりやすくまとめられています。

第5章では、押す・引く・開ける・閉める・貼る・はがす・・・などの基本の動きをマスターするために有効な遊具とその作り方の紹介がされており、見ていても楽しくなります。
ただ、これらを一般のご家庭で全て作るのは、手間的にもスペース的にもちょっとキビシイのでは?と思うところもあります。ご近所のお友だちなどと手分けして、あの子のおうちではこれとこれ、この子のおうちではこれとこれ・・・という風にできるなら、より有効に色々なものを使えるのかもなぁと思ったり。

第6章では、「折る・切る・貼る・縫う」という指先運動に関する教材などが色々紹介されており、こちらは第5章ほど大掛かりではないものも多いです。(第5章より高度な能力になるのかと思います。)

見れば見るほど、いいなぁ、幼児期にこれがやれたらなぁ・・・と思ってしまうのですが、現状、私の教室でこれだけのものを準備するには、まだまだ勉強しなくてはいけないことも、準備しなくてはいけないものも、クリアしなくてはならない問題もあまりにも多すぎて、部分的に参考にしたり、指導の際に心がけたりという風にしかやれそうにありませんが、こういうことをしっかり堪能して育った子どもは、恐らく心の安定した賢い子になるに違いないと感じています。

幼児のおうちの方は一度読んでみられてはと思う1冊です。

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