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2007年4月 2日 (月)

「数学に感動する頭をつくる」 栗田哲也著

タイトルが気になって、ネット書店で注文したものの、しばらく読まずに置いてありました。
同じ栗田先生の子ども向けの本を見て(それはまだ読みかけですので、後日ご紹介させて頂く予定ですが)、これはちょっと面白いのではと思っているところに、このブログを見てくださった方が「この本もいいですよ」と勧めてくださいました。

少し前に読み終わったのですが、紹介文を書く時間がなかなか取れず、ご紹介が遅くなりました。
2004年に出版されたものですので、既にご存知の方も多いかもしれませんね。

「数学に感動する頭をつくる」 

栗田哲也著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

評価 ★★★★

著者である栗田先生は、国際数学オリンピックに出場するような子どもを指導しておられる方だそうで、この本の出版時の著者紹介には「駿台英才セミナー」で講師を務めておられると書かれています。

読みかけている、子ども向けの本を見ながら、これは大いに参考になるなぁと、特にうちのスーパーちゃんたちにこれから役に立つのでは?と思ったこともあり、その先生が書かれた本であれば、是非読んでみようと早速読み進めてみました。

因みに、出版されたのが3年ほど前ですので、既に素晴らしい紹介が色々書かれているようで、特にこちらをご覧頂きましたら、もう私がご紹介するまでもないのでは・・・という感じではあります。

表紙を開くとこう書かれています。

数学の教科書や参考書というものは
お経のようなものだ。せっかく尊いことが書いてあるのに、
それを理解し感動する能力の開発自体は、
個々人の手に任されてしまっているのだ。
したがって世間では発想力や推理能力を
鍛えるための本が流行る。
しかし、パズルではなく、数学に上達したいのならば、
それらとは別種の能力を開発することを勧める。
その力を私は「数感」と呼ぶ。

まえがきに書かれていることもとても印象深いので、全てご紹介したいぐらいですが、抜粋しながらご紹介しますと・・・。

 数学の力があれば、一次試験だって二次試験だって同じようにできるやつは成績がよく、できないやつは成績が悪いだろうと思っている。彼らはおそらく数学力なんていう夢のような能力があるものと勘違いしているのである。
 こうした誤解は巷の学力低下論争にも影を落としている。分数のできない大学生というのがひところ流行ったが、これは計算力、作業する力の低下を意味している。発想力や推理能力については、試験していないのだからわからない。(中略)
 テストの成績が下がったとすれば、それは数学力の低下というよりもむしろ日本人の勤勉さがこのごろちょっとなくなってきたためとでも解釈しておいたほうがまだ妥当な解釈だ。
 だが、なぜ、こんな初歩的な誤解がおこるのだろうか。
 それは、身につけるべき知識や技術としての教科書というものと、それを身につけるために必要な数学的能力とを長いこと一緒くたにして扱ってきたからである。
 教科書をよく読んでみてほしい。
 どこにも「どんなふうにして算数や数学の能力を身につけるか」は書かれていない。ただ、そこには定理や公式の説明と、簡単なドリルの繰り返しがあるだけなのである。
 これはいわば、ゲームの規則と簡単な戦法の紹介がしてあるだけのサッカーの本を読んで、サッカー選手になれといっているようなものだ。(中略)
 数学においても熱中型の人間は能力開発までする。これに対して予習復習ドリル型の人間は、能力自体はいつまでも進歩せず、ただノルマを果たしているだけだ。だから、数学が多少複雑なものになってくる時期になると両者の差ははっきりと出てしまう。
(後略)

そして、本書の最後にはこのようなまとめも書かれています。

 私は自分が教えてきた経験から、できる生徒は数学的能力の中でも特に二つの能力、つまり

 頭の中に数や図形や状態を思い浮かべそれらを頭の中で操ることができる「イメージ能力

 「構造化された記憶」を自分の世界として持ち、その世界の中で絶えず自問自答し、問題を拡張する工夫を凝らし、未知のものをあれこれと言い換えては自分の世界に取り込もうとする「位置づけ能力」

が発達していることに気がついた。

先にリンクをはらせて頂いたまなめさんは理系バリバリの方のようで、この本の著者ももちろん理系バリバリ。

ただ、私は理系崩れの文系で、この本の中で栗田先生がおっしゃることは理解できるような、共感できるような・・・と微妙に中途半端で、正にそこが「理系のスペシャリストになれるかどうか」の境目なのかもしれないなぁと思ったりしました。

そんな私でも十分楽しめましたので、理系文系を問わず、数学ができるようになりたいとか、お子さんの算数の力を伸ばしたいとかお考えの方は一度読んでみられてはいかがでしょう。

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