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2007年4月 9日 (月)

「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」 相良敦子著

随分以前、モンテッソーリ教育に関する新書を1冊読み、なんだかとても共感できることが多かったのですが、毎日継続して関わるのであれば絶対これって素敵だよなぁと思いつつも、自分の仕事としては活かせる部分が限られているようにも思え、この本もネット書店で何度かタイトルは見ていたのですが、出版されたのが1985年とかなり古く、さすがに中身もわからないのに買うのは躊躇われるなぁと、そのままになっていました。

それが偶然、つい先日、教室に来てくださっているお母さんが、よかったら読んでみてくださいと持ってきてくださったのです。
ありがたく、早速読ませて頂きました。

「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」 相良敦子著
 講談社

評価 ★★★★★

実は、相良先生の著書は既に2冊購入して、未読の本の中にもあることを発見したのはこの本をお借りする直前。
今読んでいる本を読み終わったら、そのうちの1冊を読もうと思っていたところにこれをお借りできました。順番的にもきっと、こちらを先に読むほうがいいのだろうという気もして、本当にありがたかったと思っています。

今回の評価は(いつも結構そうですが)、私がこの本を好きかどうか、この先生に共感できるかどうかでつけさせて頂きました。
やっぱりいいですねぇ、モンテッソーリ。もっとちゃんと色々読んでみたいと思っています。
特に小さいお子さんをお持ちの方は、是非一度読んでみて頂きたいと思います。

以前から、私はあまり就学前の幼児さんのレッスンには積極的ではないということをもうひとつのブログで告白していますが、というのも、週1回1時間ほどのレッスンだけでは「やらないよりマシ」という程度でしかないのではと思っているからということもあります。

小学生になると、算数の学習という色が少し濃くなることもあり、週1回のレッスンでも十分成果が上がっているように思うのですが、就学前の幼児さんにとっては、毎日の日常そのものが全て「学びの場」なのではないかと思っており、プリントでものの大小判断をしたり、決められたテーマの塗り絵や切り絵をしたり、教具を上手に扱えるように練習したりということより、時間の制限なく、それぞれの子どもが心ゆくまで塗りたいものを塗りたいように塗り、作りたいものを時間を切られることなく納得行くまで作り、ということの方が遥かに素晴らしい「幼児教育」なのではないかと思っているのです。

その思いは、この本を読んで一層強まりました。
20年以上も前に書かれた本ですが、今読んでも全く時代を感じさせるどころか、かえって今だからこそ真剣に受け止めなければならないのでは?と思うことが多いように感じます。

かなり細かい字で200ページちょっとあるため、読むのが遅い私は特にここ2週間ほどはバタバタしていたこともあり、なかなか読み進められませんでしたが、時間をかけてゆっくりと堪能して頂きたい内容のように感じます。

また、書かれている内容はピグマリオンの学習法にもかなり通じる部分が多く、伊藤先生はきっとモンテッソーリも学ばれたんだろうなと思っています。(直接お尋ねしたことはありませんが。)

20年余り前に書かれた本の「はじめに」を少し引用しますが、ちょっとドキッとしませんか?

 

このごろの子どもの手が不器用になったことを調査した先生が、日本教育学会で発表されたときに聞いたことです。ある幼稚園児が自分で顔が洗えない。両手で水をすくうことも、顔まで水をもっていくこともできないという不器用さ。驚いた先生が、「おうちで、どうやって顔を洗ってるの?」とたずねますと、こう答えたそうです。「あのね、ママがね、タオルをぬらしてね、電子レンジに入れてね、チーンと鳴ったらね、タオルが温かくなってね、それでママがふいてくれるの」
 文明器具が家庭生活の中に浸透し、それに比例して、子どもの手、腕、指先がいかに不器用になったかを調査したその発表は、当時大きな反響を呼びました。(中略)

 「子どもの知能は手を使わなくてもある水準に達します。しかし、手を使う活動によって子どもの知能はさらに高められ、その性格は強められます。逆に、子どもが手を使えるものを見いだせず、手を使って周囲にかかわる機会をもたない場合、また、手を使いながら深く集中する体験をしたことのない子どもは、幼稚な段階にとどまり、人格は極めて低いものとなります。
 そんな子どもは、素直になれなかったり、積極性を欠いたり、無精で陰気な性格になってしまうのです。ところが、自分の手で作業できた子どもは、明瞭な性格とたくましい発達を示します」(中略)

 子どもが大人に求めている援助は、電子レンジでタオルを温めて、自分の代わりに顔をふいてくれることではありません。むしろ、自分で顔が洗えるように、洗面台に届くような足台、自分の手につかめる大きさの石けん、自分で手を伸ばしてとったりかけたりできるタオルかけ、自分の手にちょうどよい大きさのタオルなどがあるように、大人が手伝ってくれたらどんなにうれしいでしょう。そして、顔を洗うにはどうすればよいかを、自分がよくわかるように、ゆっくり、ていねいにして見せてくれて、今度自分がやってみるとき、少々失敗しても必ず上手になろうとがんばっているのだから、待って見ていてくれたら、子どもはどんなに安心して喜ぶことでしょう。

長い引用になりました。
しかし、本当ならもっともっと沢山ご紹介したいところだらけです。

これまで読んできた沢山の育児書や幼児教育に関する書籍より、まずこれをしっかり読み込めばよいのでは?と思えるような1冊です。
もしも自分に子どもがいたら、是非これを実践し、小学校入学頃からはピグマリオンやどんぐりなどもできたらどんなに素敵だろうなぁと、現実味のないことを思っています。

お借りしたものなので、ざっとひと通り読んだだけですが、どうにか時間を見つけて、たまっている未読の本と折り合いをつけながら、モンテッソーリ教育についてもっと知りたいなと思います。

小さいお子さんがおられる方、小さいお子さんに関わるお仕事の方にはかなりオススメの1冊です。

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コメント

りっかさま、こんばんは。
早速にコメントありがとうございます。
すごくタイムリーだったんです。ちょうど読み終わるなぁって
ときで、日月とレッスンが入らなかったのでちょっと時間を
取って更新することができました。

既にリストにあげた相良先生の次の本を読み始めてい
ます。
ちょっと本格的に知りたいという気持ちが更に大きくなり
つつあります。

ありがとうございました♪

投稿: TOH | 2007年4月10日 (火) 21時05分

さっそく感想を伺うことができて嬉しく思っています。
お忙しい中、ありがとうございました。
やはり、先生もモンテッソーリに共感することがたくさんお有りなのですね。
よかった~。
何となくそんな気がしていたので、
実際に成長していくお子さんを目にしている先生が、これは!とお思いになったことが嬉しいです。
モンテッソーリは狭い意味での教育ではなく、
人間が自立するための自然の欲求を満たすものなのですよね。
娘はモンテッソーリの幼稚園ではないのが残念なのですが、
家庭で出来ることから始めたいです。
ピグマリオンの伊藤先生の本も読んでみたいと思います。

投稿: りっか | 2007年4月10日 (火) 15時03分

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