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2007年1月 8日 (月)

「あきらめないでお母さん」 浅谷昭子・村岡ちづ子著

大先生オススメということでご紹介頂き、早速読んでみました。

「あきらめないでお母さん 幼児期から高校生までの子育てアドバイス 

浅谷昭子・村岡ちづ子著 ザメディアジョン

評価 ★★★★☆

本の帯に

MHK教育テレビ「ハートをつなごう」で、授業内容がクローズアップされたYESエグゼ教育グループの“本物の成長”がある指導法。

と書かれているのですが例によって殆どテレビを見ない私は、その番組も全く知りませんでした。

大先生がオススメされるというのはどんな内容なのだろうと思って読んでみたのですが、もし私に子どもがいて、こちらの教室に通える範囲に住んでいたら、きっと子どもを体験に連れて行くだろうなと思うような内容でした。

毎度毎度不勉強で恐縮なのですが、YESエグゼ教育グループでは、幼児部門はピグマリオンの提携教室になっているそうで、スタッフをピグマリオンに2年間通わせ、それだけに留まらず、海外などにも飛んで、幼児教育その他について様々なことを学ばれた上で、素晴らしい「幼児教育」を提供しておられるようです。
(もしかしたら、以前大先生の教室でこちらの塾のどなたかとご一緒させて頂いたことがあるのかもしれません・・・。知らないってのは恐ろしいことですね。。。)

非常に読みやすい本で、集中すれば1時間もあれば読めてしまう方もおられるのではと思います。

本書は6章からなっており、第1章は「幼児教育への関心」、第2章は「幼児期のお子さんをもつお母さんへのアドバイス」、第3章は「幼児教育のしくみ」、第4章は「小学生のお母さんへのアドバイス」、第5章は「中学生のお母さんへのアドバイス」、第6章は「教育法について」となっています。

こちらの教室の素晴らしいところは、ピグマリオンの教材をベースに独自の学習法を作り上げられ、幼児だけでなく、中学生、高校生にまで能力トレーニングを組み込んだ指導をされているということです。
是非一度見学させて頂きたい!と思ったのですが、もともとピグマリオン教育に関心をお持ちで、既にお子さんが少し大きくなってしまっているのでちょっと間に合わなかった・・・と思っておられるような方がもしお近くにお住まいなのでしたら、見学に行かれてはいかがでしょう?(私も行きたい。今年のひとつの目標にしよう。。。)

第1章は短いのですが、その中の印象的な部分を引用しますと・・・

「○○用に、これをとにかく暗記しなさい」
「とりあえずはテクニックでしのいで、これから先は高校・大学で勉強しなおしてね」
「本人のやる気さえ引き出せば絶対大丈夫」
・・・・・・こんな言葉を、今まで教師や塾講師たちはどれだけ生徒のみなさんや保護者の方に言ってきたことでしょう。
 そして、それが子どもたちの人生を長いスパンで見たときにどれほどの効果をあげたのでしょうか。

 私たちもそのことをずっと考えてきました。
「付け焼き刃の学習や、世話の焼きすぎは結局生徒をダメにする。暗記や短期学習にのみ効果があるテクニックではなく、その子が自分の力でずっと伸びていけるような、また、美しい精神論や根性論や理想だけでなく、実際に実力がつくような、そんな指導をしたい」
 そう思ってきました。
 そして、いきついたのがピグマリオン教育です。
 ピグマリオン教育には「問い」があります。
「答え」は子どもが、そして大人(保護者、講師)が自分でみつけるのです。安易に手助けしたり、愉快なだけの指導ではなく、また安心させる言葉を軽々しく投げかけるのでもありません。

また、第2章では、以下のことについてそれぞれの項で述べておられます。

1 見落とさないで!こんな動作・行動

①利き手とその逆の手、両手を協力して使えていますか?
②お箸やクレヨン、鉛筆など、道具を使う手指はどんな様子ですか?
③先割れスプーンに慣れてしまっていませんか?
④ご飯のときに、両手がテーブルの上に出ていますか?
⑤ランチプレートで頻繁に食事をとっていると「片手が下がる習慣」がつくことがあることをご存知ですか?
⑥絵本の読み聞かせを定期的に(できれば毎日)行っていますか?
⑦他の人の前でお子さんを批判していませんか?
⑧ものには「一つひとつの名前」と「ひとまとめにした名前」があることを教えてあげていますか?
⑨お子さんにいろいろな経験をさせてあげていますか?

第3章はためになることも書かれていますが、教室の紹介の部分も多いので、通えない方などは指先能力のチェックなどを参考にされ、後半はさらっと読まれるという感じかなと思います。

4章、5章も内容は各ご家庭でも参考になることも色々書かれているのですが、教室でのレッスンについてや、その結果どんな成果が現われたかなどが書かれているところも多く、通える人はいいけど・・・と思わなくもありません。
ただ、ここでも繰り返し書かれていることは「指先能力」の重要性で、小さい頃からしっかりと指先を使えるようにすることがどれだけ賢い子に育つかの重要な鍵のひとつだということが述べられています。

終章の第6章にはこんなことが書かれています。(一部引用)

 いいものだからといって、すぐに広まるわけではなく、世の中にはまだみなさんがご存知ない素晴らしい教育方法、能力を高め、バランスの偏りを改善するような指導方法がたくさんあります。
 幼児であれ、小中学生であれ、いい方法というのは、タイミングを見て、ふさわしい時期に、ふさわしいやり方で行うことが大切です。(中略)
 先に述べたように、性格は習慣が作り、その習慣は能力が作るもの。
 ですから、お子さんのどんな様子も「現在の能力なのだな」と受け入れて、その能力をどうやって伸ばしたらいいかを考えてあげていただきたいと思います。

更に、「おわりに」に書かれているこの文章も、非常に興味深いので、引用します。(大先生もおっしゃっていることですが、とてもわかりやすい言葉で書いてくださっています。)

 では、勉強は何のためにするのでしょう?
 お子様に聞かれたら答えられますか。
 YESエグゼ教育グループはこう答えます。
「勉強はテストの点を取るためのものではありません。
 勉強とは、生きてゆくための『能力』の土台作りです。」と。
 具体的には「観る力・記憶する力・比べる力・判断する力・心に浮かべる力」などです。それらを総合したものが「思考力(考える力)」であるとエグゼは考えます。
 その思考力を高めるには算数・数学の学習がいちばんです。
 よく「国語ができないと算数はわからない」と言います。
 しかし、実際にはむしろ逆なのです。図形や数論理力、知的観察力の基礎がないのに、言葉だけを覚えて使うことができるでしょうか。読み聞かせや読書はもちろん必要です。けれども、単語や文章を暗記しただけで言語を習得できるわけではありません。それだけでは、状況に応じて言葉を組み合わせて使ったり、相手の言いたいことを順序よく理解することはできません。
(後略)

読みやすくて、子ども達への愛情が伝わってくる1冊です。
お子さんがおられる方、子どもの指導に関わっておられる方は一度読んでみられてはいかがでしょうか。

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