« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »

2006年10月30日 (月)

「男の子の脳、女の子の脳」 レナード・サックス著

うわぁ~~っ!!ショック過ぎます・・・。久しぶりにやってしまいました。
かなり長文でのご紹介を書き終え、登録をしたつもりが・・・全て消えていました。。。
ちょっと立ち直りがたい。。。ちょっとコンパクトにご紹介。(泣)

「男の子の脳、女の子の脳 こんなにちがう 見え方、聞こえ方、学び方」

レナード・サックス著 谷川漣訳 草思社

評価 ★★★★☆

以前、松永先生の「男の子を伸ばす母親はここが違う!」を読んで、男の子ってのはこういうもんなのかぁと感じましたが、あの本は男の子にだけ着目して書かれていたので、この本も読んでみました。

こちらは男女それぞれの脳の仕組みなどに着目して書かれており、より多くのことを学ぶことができそうです。
ただ、以前にも書いておりますが、私は普段外国の方が書かれた本は滅多に読みません。例などが書かれていても、共感しづらい面があるからということが大きいと思いますが、今回もやはりみんな名前はカタカナですし、実際の学校での話なども日本とは異なるところも少なくはないため、すっと入ってくるという感じではありませんでしたが、それを補って余りあるほど、読んでみてよかったなという気がしています。

著者は内科医(開業医)で心理学者でもおられるそうですが、長年のご経験や沢山の研究報告・論文などを調べ、この本をまとめられたようです。

消えてしまった紹介ではそれぞれの章の内容をかいつまんでご紹介していたのですが、章は6章からなっており、以下のようになっています。

1章「女の子のほうが聞く力にすぐれている」
2章「女性の脳、男性の脳」
3章「男の子はリスクを取りたがる」
4章「男の子のけんかと女の子の争い」
5章「男の子と女の子の学び方」
6章「男の子と女の子は同じ学校でいいのか」

正直言って、どの章も興味深かったです。
社会では長年広く、男女差は環境によるところが大きいと考えられてきたようですが、生物学的に見て、人間に限らず動物でもメスとオスとには生まれながらの遺伝的な違いが色々とあるようです。

1章では聞こえ方に関しての例が挙げられており、女の子に比べて聞く力が弱い男の子は、子どもの頃に女性の指導者に指導を受ける場合、その違いを理解していない指導者から、「注意欠陥障害」の疑いを指摘され、専門医に行くことを勧められることも少なくないというようなことが書かれています。

2章はタイトル通り、より様々な例について、男女の脳の働きの違いを紹介しています。

3章は私にはちょっと新鮮で面白かったです。男性が人前だと一層リスクの高い選択をしがちであるというのには驚きました。本当にそういうものなんでしょうか?
女性の場合恐らく、人前だと失敗したら恥ずかしいとかいう感情の方が勝つと思うのですが、男性の場合は「意気地なしだと思われたくない」というような心理が勝つようです。
男性の方、そうですか?

4章もなかなか興味深かったです。確かに女性同士の争いは子ども同士であっても、「友情の終わり」になる場合も少なくないのに対し、男性同士はけんかすることで友情が深まることがあるのだとか。
女性の方は共感するのですが、男性に関しては、これを読んで、過去に聞いた話などに納得がいったという面があります。けんかすることで一層仲がよくなるだなんて、私にはイマイチぴんとこないのですが。(そもそも争いは極力避けたい方ですし。)

5章も面白かったです。優秀な女子生徒と物理の男性教師とのやりとりの例が紹介されていたのですが、ここで紹介されている男性と女性の違いについては、なんだかとても納得しました。
女子生徒は教師と親しくなろうとするが、男子生徒には滅多にそういう子はいない。
また、女子生徒は気軽に質問をするが、男子生徒が質問をするときはとことん考え尽くして、もう打つ手がないというぐらいになって始めてするのだと。
その他にもここで書かれていたことは、多くの指導者(大人)が知っておくべきなのではないかと思いました。

6章は、ずっと共学校育ちで、女子校なんて選択肢は頭に全くなかった私には驚きでしたが、ちょっと考えさせられる内容です。異なる脳を持つ男女がそれぞれにわかりやすい指導というのはひとつの教室で同時にというのは難しいのだというようなことも書かれているのですが、これを読めばなんだか納得です。
学校自体が分かれなくても、共学校で男女別クラスなどでもよいようですが、女子だけでの授業の経験がほぼ皆無の私には今ひとつ実感としてはわからないというのが正直なところです。ですが、言われていることはその通りであるような気もします。

お子さんを持つ親御さん、教育関係者の方は是非一度読んでみられてはいかがでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月26日 (木)

「『論理エンジン』が学力を劇的に伸ばす」 出口汪著

受験の現国ではかなり有名な出口先生の「論理エンジン」に関する著書が出版されたので読んでみました。

「『論理エンジン』が学力を劇的に伸ばす」 

出口汪著 PHP研究所

評価 ★★★★ (論理エンジンをご存知ない方にはオススメ)

私自身は、子どもの頃から「国語は勉強しなくてもある程度できるから好き」という教科で、特別よくできたわけではないものの、国語の苦労した記憶がありません。

しかし、家庭教師のバイトや塾勤務などを通して色々な子ども達を見るようになると、できる子はできるけど、できない子はできないということがよくわかり、また、できない子に繰り返し読解問題をやらせたところで、大した成果が見られないことが多いということも経験として知りました。

そんな中、何かもっと効果的な教材はないのかとあれこれ探し続けていたのですが、教室を始める頃、たまたま書店の店頭で「論理エンジン」について書かれた本を目にし、その後教材を取り寄せ、少なくともこれまで見てきた国語教材の中では、一番いいのでは?と思いました。

というわけで、私は3年半ほど前からこの教材のことを知っていましたが、このたび、なかなかすごいタイトルで改めて著書が出されたようだったので、どんな内容なのか読んでみました。

プロローグとして「論理がわかれば人生も変わる」と題し、著者ご自身が、もともとは小説家志望だったのに、たまたまアルバイトでした予備校の講師の仕事で現代文の読解に目覚め、今の出口先生が生まれたということが書かれています。

第1章では「頭がよくなる!論理的思考力が身につく法」と題し、論理的思考の重要性を説きつつ、論理エンジンの仕組みなどについて詳しく説明をしておられます。

続いて第2章では「学力とは国語力だ!」と題し、国語力の重要性を唱えると共に、学年別に、この時期にはどんなことができるようになっておくべきかなどを述べておられます。

そして、第3章では「今日からできる『論理エンジン』10のポイント」と題し、実際の論理エンジンの教材から問題をいくつか例に挙げ、その「論理的に読む」ということについて、具体的な方法を説明しておられます。

最後の第4章では「いまこそ子どもたちの頭脳にOSを構築しよう」と題し、著者が考える国語教育、論理的思考の重要性を述べておられます。

ただ、論理エンジンの教材とは直接関係ないのですが、著書の中で著者が書いておられたことでちょっと印象に残ったことがあります。

著者は「感情語」と分類していましたが、生まれながらにして持っている感情(悲しいとか楽しいとか苦しいとか・・・)を表現する言葉(泣いたり叫んだりなど、実際に「言葉」ではないものも指すようです)から先の段階に進まないと、どんなことでも「ムカツク」とかで片付けてしまうのだというようなことが書かれており、また、人間は言葉でものを考えるのだから、細かな感情を表現する言葉を知らなければ、不快なことは全て「ムカツク」になってしまうのだと言われれば、納得です。

糸山先生が書いておられたように思うのですが、「りんご」といわれれば、私達はあの赤くて丸い果物を思い浮かべることができますが、「りんこ」といわれても何もイメージできない。それは「りんこ」というものを知らないからだと。

例えば、子どもがキレるとき、自分の感情をうまく表現できず、それが反動となって出る場合もあるのではないかと考えると、沢山の言葉を知っていて、自分の感情や考えをきちんと表現できるというのは、すごく大切なことなのではないかと、改めて感じました。

この著書で著者が最も言いたいところはそういうところではないとは思うのですが、私にはそのことが一番印象に残りました。

著書自体は、言ってみれば「論理エンジン」の宣伝本というような印象を受けますが、「論理エンジン」についてご存知ない方は一度読んでみられてはと思います。
ですが、既に論理エンジンをご存知の方や、何年か前に小学館から出ている「出口汪の日本語トレーニング」(トレーニングプリントではないもの)という本を読んだことがおありの方は改めて読まれなくてもいいかなという感じです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月23日 (月)

「親子で遊びながら作文力がつく本」 松永暢史著

先日読んだ「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」が面白かったので、著者の別の著書を注文してみました。

「親子で遊びながら作文力がつく本」 

松永暢史著 主婦の友社

評価 ★★★★

先日の本がとても面白かったので、同じ方の本であれば面白いのではと注文してみました。こちらの本はタイトル通り、作文指導の本なのですが、全部で130ページほどの本で、行間も広く、更に子どもの書いた作文の引用なども結構あるため、恐らく集中すれば1時間足らずで読み終わってしまうのではないかと思います。

私は塾講師時代から、国語が苦手な子、文章(作文)が書けない子にどんな指導をしたらいいのかと、子どもの文章指導の本は何冊か読みましたが、その中では確かにこの通りにやれば、ある程度のものは書けるかなぁと思える本でした。

そもそも私は、小学生の頃から作文や日記、感想文を苦にしたことがなかったため、苦手な子の気持ちが今ひとつわからないのですが(なぜ書けないかが実感としてわからない)、書けないお子さんでもこの本で紹介されている手順でやっていけば、「手も足も出ない」とか「作文アレルギー」とか、そういう状態からは抜け出せる気がします。

それも、確かに親子でも実践できそうな感じで書かれていますし、子どもにとって最も苦痛な(私のように、そうじゃない子もいると思いますが)「読書感想文」への対応が紹介されていて、これなら親がアドバイスしてあげれば、どうにか子どもも書き上げられるかなと思いました。

本当に初級レベルから、その文章を更に磨くというレベルまで、それぞれの章に分けて書かれているので、まず今のお子さんの状態に合うところから実践されてもいいかと思います。

まあ、大人が読むので、紹介されている子どもの作文なども、表現の拙いところなどはあるのですが、小学生でこれだけ書ければそれで充分かなとも思いますし、とにかく、書くのが苦手な子、書けない子がこんな風に書けるようになるのであれば、それは本当にすごいことかもしれません。

実践するのにそう難しいことは書かれていませんので、もしお子さんが作文が苦手で困っているというような方がおられましたら、一度読んでみられてはと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月19日 (木)

「ディズニーランドが大切にする『コンセプト教育』の魔法」 生井俊著

何で見たのか忘れたのですが、何となくタイトルが気になって、読んでみました。

「ディズニーランドが大切にする『コンセプト教育』の魔法ゲストにもキャストにも笑顔があふれる瞬間 

生井俊著 こう書房

評価 ★★★☆

著者の生井氏は高校時代にディズニーランドでアルバイトを経験され、その後のお仕事でもそのときの経験を活かしておられるようです。
早稲田大をご卒業後、リコーに入社、その後、現在のお仕事は「ライターとして人材育成とITをテーマに、執筆・講演活動を行っている」と紹介されています。

構成は3章からなっており、第1章は「常に笑顔で意識の高いキャストが育つ理由」、第2章は「ディズニー流『ゲストの愛し方』はコミュニケーションが決め手」、第3章は「『夢と魔法の王国』はマニュアルではつくれない」と題されています。

ただ、章立てしてあるものの、それぞれの章で明確に内容が分けられているという印象は受けませんでした。
また、これを読みながら、ディズニーランドのキャスト(一般の言い方ではスタッフとか従業員でしょうか)のお仕事ぶりと、以前ご紹介した「リッツ・カールトン」の社員の方達のお仕事ぶりとが重なるような気がしました。

リッツ・カールトンでも、それぞれのスタッフがお客様にとって何が一番望ましいかを意識し、また、その状況に応じて別の部門の仕事の手伝いをしたりという横のつながりがしっかりあり、また毎日のミーティングなどでもよかった点はみんなで褒め称え合うなどの例がいくつも紹介されていたのですが、ディズニーランドでも同様のことがなされているように感じました。

また、驚いたのがアルバイトの時給は(今は違うのかもしれませんが)900円とかいう額だそうで、その額でも片道2時間とかかけてディズニーランドにアルバイトに来る人たちがいるということ。
それはもう、ディズニーが好きだからという理由以外に考えられません。
ということは、ディズニーランドが大好きな人たちが大好きなディズニーランドで仕事をするという時点で、かなりモチベーションも高いでしょうし、その上でしっかりとした現場教育がなされ、問題が発生したらその日その日のミーティングでしっかり解決をしてというような方法で常に状況を改善していき続けているそうですから、「夢と魔法の王国」がずっと維持され続けているのも頷けます。

ただ、個人的にはディズニーランドが好きなわけでもないので、思い入れもなく、一度しか行ったこともないため、ふ~ん、そうなのかという感じで読みました。もし、何度もディズニーランドに行っておられる方が読まれるともっと感動されるかもしれないなと思います。

著書の中で紹介されていたお話で、へえ~~っと思ったのですが、ディズニーランドでは何よりもまず優先されるのは「安全」だそうで、そのお話に関してこんなエピソードが紹介されていました。

あるよく仕事のできるキャスト(スタッフ)の方が、お客様がこぼしたジュースを足で拭いて片付けていたのを、アルバイトだった著者が見て、足で拭くなんて見た印象が悪い・・・と感じていたところ、別のキャストが側に来て、その仕事ぶりを「さすが」と言ったそうです。

納得の行かない著者は理由を尋ねると、ディズニーランドではお客様の多くが遠くのアトラクションなどを目指して歩いているため、足元をよく見ておられないことが多いのだと。そんな中で、仮にこぼれたジュースをしゃがみこんで拭いていたら、お客様がそれに気づかず、躓いて怪我をしてしまうかもしれないと教えられたそうで、とても驚いたと書いておられました。

私も「へぇ~~っ」と思いました。もし私がその場にいても、行儀悪いなぁと感じていたと思いますから。

今回、この本を読んで、ディズニーランドのアトラクションとかはどうでもいいのですが(といったらファンの方に叱られそうですが)、キャストの仕事ぶりを見に、ディズニーランドまで行ってみたいような気になりました。

非常に読みやすいのですが、さて、ではどんな方にこの本がオススメなのかと考えると、正直なところちょっとわかりません。
社員教育などに関っておられる方などには参考になるのかなぁと思ったりもしますが。。。

| | コメント (3) | トラックバック (2)

2006年10月16日 (月)

「お母さんが教える子供の算数」 浜野克彦著

先日書店で目に留まり、タイトルが気になったのと、文庫で価格も手頃だったので購入してみたのですが・・・。

「お母さんが教える子供の算数 この1冊で嫌いが好きに!」 

浜野克彦著 祥伝社黄金文庫

評価 ★★★

文庫本としては2004年初版となっているものの(というか、そもそも新しい本が並んでいるところに並んでいたので、新刊なのかと思って購入したのですが・・・)1999年にはまの出版から出されたものの文庫化だったようで、私としては期待外れな感じがしてしまいました。

著者である浜野氏は著者紹介によると、日本IBMの社員でありながら、休日に自宅で知人の子供に算数や数学を教えているとなっていて、本で書かれている内容も完全に「中学受験」をするお子さんにお母さんがどうやって指導をすればよいかというような内容になっています。

本の帯には

「最高の先生は母親です
 学校に任せていられない
 “算数好き”になるコツ、
 10点アップの方法、教えます」

と書かれており、また、副題に「この1冊で嫌いが好きに!」とも書いてあるので、私はてっきりもっと一般的な算数の家庭学習のコツのようなものが書かれていると思っていたのです。

しかし、1999年頃だったらこれが学校の授業でなされていたのか?と一瞬考えましたが、そんなことは多分ないはずですし、そういう意味では中学受験を考えておられない方には殆ど読む必要のない本だと思います。
ちょっと、タイトルや帯の言葉が内容と合っていない気がしています。

8章から構成されており、6章までは中学入試で出てきそうな問題の関して、主に計算のテクニック、考え方のコツなどが紹介され、7章ではようやく「算数嫌いにさせない育て方」と題して1年生から4年生の間に家庭で心がけるべきことを紹介してあり、最後の8章では中学入試問題を1から6章に対応させて取り上げ、どのテクニックで解くかなどの解説も付けられています。

7章は20ページ足らずなのですが、この章に書かれていることは比較的共感できること、私も普段思っていることなどが書かれていました。
ただ、そこだけを読むためにこの本を買う必要はないかなという感じです。

逆に、お子さんが中学入試の受験を予定されていて、家庭でどんな風に指導したらいいかしらと思っておられる親御さんであれば、参考になることもあるのだと思います。

ただ、個人的には「テクニックを教え込む」のではなく、子どもに気づかせる、発見させるということを重視してレッスンをしている私には、どうしても違和感の残る内容ではありました。
あ、中学入試をしないのであれば、逆に中学生で数学がもっと得意になりたい子などが読んでもいいかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月12日 (木)

「『すぐやる人』になれる本」 吉田たかよし著

先日、新たに出たコミック「ドラゴン桜(15)」を見ていたら、以前にもご紹介した吉田たかよし氏の著書が2冊紹介されており、どちらも気になるタイトルだったので購入してみました。まずは読み終わったこちらからご紹介。

「『すぐやる人』になれる本」 吉田たかよし著 成美堂出版

評価 ★★★☆

いつもやろうやろうと思いながらもなかなか思った通りに物事に取り掛かれず、しばしば反省と後悔をしてはすぐに忘れる、「学習」しない私としてはタイトルに惹かれたわけですが、読みやすい割にはなぜか自分にはイマイチ響いてきませんでした。

以前別の著書をご紹介したときにも書きましたが、著者の吉田氏は現在の仕事はお医者様でありながら、ラジオのパーソナリティーを務め、これまでの肩書きはといえば、NHKアナウンサー、議員の公設第一秘書と・・・まあ、普通では考えられないような経歴の持ち主であられます。

医学的に見ても効果があるということも盛り沢山に紹介されており、どうやってやる気を持続させるか、効果的な休養はなど、わかりやすく具体的に書いておられます。

好きなこと、楽しいと思えることから始めるだとか、目標を3段階に設定し、小目標については1時間ごとに○△×などで評価をするように習慣付けるだとか、気持ちを切り替えたり、前向きな気持ちをキープするにはどんなことを心がけたらいいだとか、そういうことが読みやすくまとめられているのですが、なぜ自分に響いてこなかったのかがよくわかりません。

会社員など、締め切りがあったり、同僚がいたりという環境でお仕事をされている方などが読まれると参考になることも多いのかな?という気もします。女性より男性向けなのかもしれません。(文章自体、男性を想定して書いておられる印象を受けましたし。)

ただ、最後の第6章は私でも使えるかも・・・と思うことがいくつかありました。この章のタイトルは「この生活習慣が『成功習慣』!」となっているのですが、目覚めから就寝まで、簡単にできる、こういうことをするといいよということが紹介されています。

目が覚めたら、起き上がるまでに手足を20回ほどグーパーしてから目覚めると、すっきり起きられて脳の働きもよくなるであるとか、朝食にパンを食べるなら、ジャムよりバター(脂肪分)の方が脳によいとか、一番意外だったのが、「疲れた脳にはひとかけのチョコレート」ということとか。

以前読んだほかの本で、糖分は急激に血糖値を上げ、その後急激に下がるので、お腹が空いたり頭がぼ~っとしてきたときなどに糖分をと思って甘いものを取るのはあまりよくないということを読んだので意外だったのですが、糖分でも脂肪分と一緒に摂ることで体への吸収が緩やかになるのだそうです。

最近ではチョコはダイエットにもいいとか、リラックス効果があるとか、色々言われていますが、ダイエット用の苦いチョコではあまり役にたたなそうなものの、昼食と夕食の間に仕事の能率が下がってきたなと感じたらひとかけのチョコレートというのは、どこででも手軽に実践できそうですよね。

あと、緊張をほぐしたいときには深呼吸をするとかえって緊張が高まるというのにもびっくり。まずはゆっくり息を吐ききって、普通に息を吸うということを繰り返す方が緊張はほぐれるのだそうです。私の場合、仕事でプレゼンをするとかそういうことはまずありませんから、人前で緊張!という機会はほぼありませんが、ご参考までに。

文庫ですので、価格も手頃ですし、そういう意味ではこれだけ参考になることがあれば充分なのかな?とも思います。
お仕事の能率などをあげたい方は読んでみられてもいいのでは。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年10月 9日 (月)

「美しい国へ」 安倍晋三著

初の戦後生まれの総裁、安倍晋三氏の著書を読んでみました。

「美しい国へ」 安倍晋三著 文春新書

評価 ★★★☆

この度、総理大臣になられましたが、私はもともと随分以前から安倍氏のことが好きでした。
まあ、直接存じ上げているわけではありませんから、あくまでもマスコミで報道される情報でのごく一部の面しか見ていないわけなのですが、それでも、拉致被害者の方々に対する安倍氏の姿勢にはしみじみ感動しましたし、単純な私はそれだけで「好きな政治家」というには十分でした。(おまけになんだか可愛らしい方だし。)

で、まだ総理になられる前、まあ、間違いなくなられるんだろうという頃に書店でこの本を目にし、もともと難しい本は苦手だし、政治についても勉強したことがない人間ながら、好きな方のお考え、今後総理になられるであろう方のお考えを読んでみるべきでは思い、手にとってみました。

しかし、文春、岩波などの見るからに「おりこうそうな新書」はホントに過去数えるぐらいしか読んだことがないので、一瞬そのまま棚に返しかけたのですが、最後のふたつの章の「少子国家の未来」「教育の再生」というタイトルが目に留まり、これはやはり読んでおくべきかと。(総理になられたら、どんな風に変えていくおつもりなのかわかるかもと。)

そうは思ったものの、5章まではもともと政治に暗い上、出てきている言葉も結構私には難しい言葉だったり、また、それではいけないのでしょうけれど、興味のない内容だったりもして、ただ目で文字を追っているという感じになってしまいました。

もちろん、知らなかったことで、ああ、そうなのかと思うことはありましたし、新総理のお考えが多少わかったということはあります。
ですが、それにしてはページ数も限られているためか、表面的なことしか書かれていないので、充分にわかるというものでもありません。

ただ、第六章の「少子国家の未来」では年金制度について、これまできちんと知ろうとしなかったことが説明されていたりして、どういう風に年金制度ができたか、どんな仕組みになっているかなど、勉強のなったところがありました。
マスコミの影響で、よく知りもしないのに「将来年金は受け取れないのでは・・・」と思ってしまっているところがあるように思うのですが、もし本当にその可能性があるとしても、まず調べられる範囲で正しい情報を調べて、その上で判断しなければならないのではないだろうかと、ちょっとそんなことを感じました。

何より、そもそも年金というのが「自分がいずれもらうために今積み立てている」のではなく、自分が今納めている年金は今の高齢者を助けるために払っているのだと言われると、うまくはいえないものの、きちんと払わなくてはと思う人ももう少し増えるのではと感じました。

というのも、もし仮に年金がもらえなかったとしたら(同じようなことが著書にも書かれていましたが)、自分の両親などが収入がなくなった段階で、もし生活していけるだけの蓄えがなければ、子ども達が直接援助をしなくてはならないということになり、仮に私のように「自分の子ども」がいない場合は、誰も面倒を見てくれないということになるのだ。そう言われればそうだなと。

で、仮に、そういう人は生活保護を受ければいいじゃないかみたいな意見があったとして、生活保護も結局は国民の税金でまかなわれているのだろうから、受給者が増えるということになれば、それだけ税負担が増えるだろうし、税負担を増やさないというのであれば、受給資格が厳しくなったり、受給額が減ったりということになるだろうし。

そういうことをあれこれ考えていると、もっときちんと年金の仕組みについて国は国民に説明するべきだと思うし、納得してみんなが納められるような仕組みにしてもらいたいと、改めて思いました。

そして、ラストの第七章「教育の再生」については、個人的にここだけで1冊の本にしてもらいたいと思いました。興味のあること、気になることが多いのですが、やはり色々な内容に触れているため、ひとつひとつの内容が薄く、新総理がどういうことをしようと考えておられるかの輪郭はわかるものの、実際具体的にどうなっていくのかなどが曖昧で・・・。
ただ、気になることが色々書かれているため、これまでは殆ど関心がなかったのですが、もう少し政治のこと(といっても教育制度などに関わる部分に関してですが)にも意識を向けなくてはと思いました。

今後の安倍総理のご活躍に期待したいものですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 5日 (木)

「続・いい言葉は、いい人生をつくる」 斎藤茂太著

以前ご紹介した「いい言葉は、いい人生をつくる」の続編です。
随分前に購入したのですが、特に急いで読まなくてはということもなかったため、どんどん後回しになって、購入からかなりの月日が経ってしまいました。(苦笑)

「続・いい言葉は、いい人生をつくる」 

斎藤茂太著 成美堂出版

評価 ★★★★

前編に続き、こちらもとても読みやすく、読めばハッとしたり、ホッとしたりする言葉が沢山詰まっています。

茂太先生が書かれた文章の間あいだに国内外のことわざや著名人の短い言葉も紹介されており、そちらも思わず納得してしまったり、なんだか和んだりします。

殆どの項目が4ページ前後で短くまとめられており、読んでいて沢山「いいな」「素敵だな」と思った言葉があるのですが、いくつかを紹介すると・・・。

なにかを光らせるには
光るまで磨くだけでいい  
(項目のタイトル)

この項目に書かれており、知らなかったのでへぇ~っと思ったことがこちら。

 サントリーがはじめてウイスキーをつくったとき、最初は「失敗作」だった。売れ行きも悪く、誰もが貯蔵中の酒を廃棄するほかないと考えた。だが、創業者の鳥井信治郎さんは、「捨てるのはいつでもできる」と結論を急がなかった。こうして原酒を一二年、辛抱強く寝かせておいた結果、国産ウイスキー初の大ヒットとなった「角瓶」が誕生したのである。

こちらは子どもに関わる大人、とりわけ親には読んでもらいたいと思った項目から。(項目のタイトルは「現状を変えるのは愛情だ」)

茂太先生は精神科のお医者様だが、こんなことを書かれている。

 精神科の待合室には、さまざまな心の悩みをかかえた患者さんがやって来る。
 最近目立つのは「ちゃんと育っていない人」だ。正確にいうと、ちゃんと育っていない親に育てられた結果、ちゃんと育つことができない若い患者さんである。
 高学歴の親が増えたというのに、なんとも不思議な現象だ。ひょっとしたら、高度な知識を身につけることと、ちゃんとした親になることとは、反比例するのだろうか。これはあながち冗談ではなく、ありえることなのだ。親になることは、頭の問題ではなく、心の問題だからである。
 親が子にまず伝えるべきことは、知識よりも、世界中で誰よりもわが子を愛していることだと思う。(後略)

このあとには、人によっては耳の痛いことが書かれているかもしれないが、是非読んでみて頂きたいと思う。また、同じくここで紹介されている、タイガー・ウッズと父親との話がまた素晴らしい。

そして、別の項目ではこんなことも書かれていて、ほぉ~っと思った。ミサワホーム創業者の三澤千代治さんの本に載っていたと紹介されているのだが、

  ミサワホームでは、採用のとき、わざと会社のカラーには合わない型破りな人間を数名採用することにしている。それは、三澤さんがある漁師から聞いた、こんな話がヒントになっている。
 沖でカツオやブリなど何種類かの魚をとると、漁師たちは生け簀に、それぞれの魚が大の苦手とする魚を数匹、投げ込むのだという。
「そんなことをしたら、せっかく漁獲した魚が食い荒らされてしまうではないか」と、普通は考える。
 ところが違うのだ。
 同じ種類の魚ばかりだと、魚は緊張感を失ってしまい、港に着くまでの間に、生け簀のなかでぐんにゃりとなってしまうのだそうである。ところが、敵意を感じる魚がまじっていると、いつ自分が食われてしまうかと緊張感をもつためか、港まで、海のなかにいるような元気を保つのだという。

他にも

お金を出しすぎると
知恵が出にくくなる

とか、

人がつまずく場所には好機がある
道を見失ったとき希望が始まる

とか、

不便が
不幸だとは限らない

など、素敵な言葉が沢山ちりばめられています。
文庫本ですので価格も手頃ですし、何かにお疲れの方、何か悩んでおられる方に(もちろんそうでない方にもですけど)オススメです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 2日 (月)

「お父さんだからできる わが子を東大合格に導く12の力」 星野哲著

「恐育論」というメルマガを発行しておられる星野氏が本を出版されることを知ったのもメルマガ。
ただ、「お父さん」だとか「東大合格に導く」だとかいうタイトルだったので、ネットで注文するのは躊躇っていました。しかし、書店で手に取ってみたところ、ちょっと興味を惹かれたので読んでみることにしました。

「お父さんだからできる わが子を東大合格に導く12の力」 

星野哲著  ディスカヴァー・トゥエンティワン

評価 ★★★★☆

200ページほどの新書で行間や余白も多いため、多分早い方なら1時間ほどで(速読とかできる方ならもっと早く(笑))読み終わるのではないかと思います。

文章も非常に読みやすいですし、身近な、イメージしやすいエピソードを紹介してくれているので、読んでいても実感が湧きます。
タイトルでは、近年の流行もあるのか「東大」とつけてありますし、まあ、それは著者である星野氏が実際に東大に合格されるに到ったご経験を書いておられるという理由もあると思うのですが、内容は「東大合格」を目指さないご家庭でも大いに参考になるもので、果たしてこのタイトルはよかったのかどうかと思ったりします。

個人的にはとても好きな本です。
というか、星野氏のお父さんのファンになりそうです。(笑)

著書の内容は著者のお父さんが、著者が子どもの頃に「東大合格に必要な能力」をつけるためにどういう経験をさせてくれたかということを12項目に分けて、まとめたものです。

ただ、先にも述べました通り、書かれていることは「東大合格」を目指さなくても大いに参考にして頂けることが満載ですので、お子さんがおられる方、これから親になるご予定の方などは、まず書店でパラパラとご覧になってみてはいかがかなと思います。

「はじめに」に書かれている12の力をご紹介しますと・・・。

学ぶことを心から楽しむ、
つまり、
わが子を自然に東大に導く12の力

1 コミット死守力
2 成功体験自信力
3 陰の努力気づき力
4 歯を喰いしばって忍耐力
5 ベーシック日常生活力
6 スーパー朝型人間力
7 主体的リサーチ力
8 トライアル&エラー力
9 勉強自立力
10夢設定力
11そもそもなんで?力
12利他的モチベーション力

このそれぞれの力について、どんなお父さんがどんな経験をさせてくれたか、そのお蔭でどんな効果があったかなどを各項目で述べておられます。

このお父さんがすごく素敵で、怒ると死ぬほど怖いそうなのですが、その怒るポイントというのがなんとも素晴らしい。
また、その怖さがあるので、褒められ、認められるとその喜びは倍増するらしく、著者の文章のうまさも手伝って、本当に楽しく読めました。

このお父さんには感動しっぱなしだったのですが、特になんとも素敵だったのは(いや、やっぱり全部のエピソードが素敵なんですけど)、著者と一緒にミニ四駆のレースに出ると言い出して、お店に行ってミニ四駆の様々なパーツを買ってき、更には練習用の巨大なコースまで作ってしまって、何度も何度も改良を重ね、最終的にはそのミニ四駆がレースで優勝したのだそうです。そのお父さんの姿を見ながら、著者も、「よし僕も!」と何度も改良を繰り返したということが書かれているのですが、試行錯誤し、何度も失敗を重ねながら成功へと近づいていくという力は、社会に出てからも大変重要なものですし、それを子どもに自然と身を持って教えられたお父さんは素晴らしいなと思いました。

また、おかしかったのが、著者が小学2年生のとき、お父さんに「お父さん、僕に漢字、教えてよ」と頼んだときのこと。お父さんの答えは

父「俺は、な~んも、わからん」
僕「だって、お父さん、学校行ってたんじゃないの?」
父「全部、忘れた」
僕「全部忘れたって、そんな・・・・・・」
父「いいか、この際、ハッキリ言っておく。お父さんに勉強のことを聞いてもムダだぞ。全部、忘れちゃったんだから」
僕「・・・・・・・・・」
父「今後一切、勉強に関しては、質問禁止だ。聞かれても、な~んもわからん」
父「もし勉強がわからないんなら、自分で調べるしかないな」
そう言って父は、おいしそうにビールを飲み始めた。

当然、そんなはずはありませんよね。少なくとも小学2年生に漢字を教えられない大人はそうそういるはずもありません。おまけにこのお父さんはある時期司法書士試験を目指しておられたそうですし、この本を読んでいても「テストの点」的な頭のよさかどうかはわかりませんが、とにかくものすごく賢い方だと思いますので、教えられないとか、教えるのが面倒とか、そういう理由で言ったことではないに違いありません。(著者もそうではなかったと感じておられますし。)

これもすごいと思ったのは、小4で友達につられて始めた「進研ゼミ」の話。始める前にお父さんと「絶対ためるな」という約束のもと、やり始めたそうなのですが、通信教材の宿命・・・、そのうちどんどんたまり始め、2ヵ月分ほどたまってしまったある日、お父さんが進み具合を尋ねたそうです。その結果、たまっていることがバレて・・・。

お父さんの取った行動がすごい!完全に予想外です。

何も言わずに部屋を出て行ったあと、手に茶色い封筒を持って戻ってきてひとこと。

父「出てけ」
 父は、茶色い封筒を僕に投げつけた。僕は封筒の中を見た。それは一万円札の束だった。ざっと数えて、三十万。事態が呑み込めなかった。
父「俺の給料やる。何してる。早く出てけ」
(へ?)
父「自分のした約束を守れない奴は、この家にはいらん。出てけ」
 そう言うと、父は、僕を無理やり引きずって家から追い出し、現金三十万と進研ゼミ、それと鉛筆を投げつけて、家のドアをバタンと閉めた。

このあとがまた素晴らしいのです。是非読んでみて頂きたい。

他のエピソードもとにかく素晴らしい。何でも手取り足取りではなく、まず子ども自身に考えさせる、決めさせる、決めたことは守らせる。そういう姿勢を貫いておられます。こんな風に育てることができたら、東大に合格するかどうかは別にして、絶対に「いい子」「素晴らしい人」に育つに違いないと思います。

最近読む本読む本私にとっては「当たり!」って感じですが、この本も好きな1冊になりそうです。
これを読みながら、ふと、横浜の中田市長のお父さんのことが頭をよぎりました。子どもの自主性を重んじる。子ども自身に考えさせる。テストの点なんかでごちゃごちゃ言わないけれど、もっと大事なポイントはしっかりおさえている。
そんなお父さんの元で育つと、本当の意味で「賢い子」が育つのは間違いないだろうなと改めて思いました。

著者ご自身が書いておられますが、この本は具体的な勉強法などは一切書いておられません。
それよりもっと大きな、けれどももっと大切なことが書かれた素敵な本です。さらっと読めますし、心温まるエピソード、思わず笑ってしまうエピソードなども多いので、一度読んでみられてはいかがでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »