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2006年9月21日 (木)

「頭のよい子が育つ家」 四十万靖・渡邊朗子共著

「家」というものに目を向けた珍しい本だったので、ネット書店で見つけて早速購入してみました。

「頭のよい子が育つ家」 

四十万靖・渡邊朗子共著 日経BP社

評価 ★★★★☆

著者のおひとりの四十万氏は慶応義塾に中学から大学まで通われ、現在エコス・コーポレーションの代表取締役、渡邊氏は慶応義塾大学大学院の助教授とのことで、著書で取り上げられているのは首都圏の難関有名中学ばかりですが、「こんな家だったからこの中学に合格できた」という学校と家が強く結びついているような内容ではないので、お子さんを持つ親御さんにはもっと広い範囲で十分参考になる1冊なのではないかと思います。

本の帯にはこんな文字が大きく書かれています。

「できる子は、子ども部屋では勉強しない。」

この言葉は、著者らが200件以上の家庭を調査した上で導き出したもののようで、著書を読み進めるうち、「ああ、なるほどね」と思えました。

著書の構成は、まず第1章で具体的な11の事例をイラストを交えてわかりやすく紹介し、第2章ではそれらの例をまとめる形で文が書かれています。
そして第3章では「あなたの家をすぐに『頭のよい子が育つ家』に変える10カ条」と題し、引越しや建て替えなどの大掛かりな話ではなく、比較的簡単に実行できることを紹介しています。(ここまではほぼ全て四十万氏が書かれたようです。)
第4章は渡邊氏が「建築学から考えた『頭のよい子が育つ家』の秘密」と題し、最初に挙げられた11の事例を踏まえつつ、専門家の視点で様々な例を挙げながら、なぜその家が「頭のいい子」を育てられるのかなどについて更に詳しく説明をしておられます。

有名中学を受ける子のご家庭というと、勝手にあるイメージを描いてしまいがちですが、この本を読むとそのイメージが覆されます。
もちろん、各校の合格者のうちのひとり(それも数年間のうちの)の家庭の例ですので、例外も沢山あるでしょうし、「うちの子は子ども部屋にこもって必死で勉強して合格したわ」というご家庭も沢山あるだろうと思います。

ですので、私としては、「こうしたから有名中学に合格した」ということの参考にするというより、子育ての参考、頭がいいということに限定せず、子どもが「いい子」に育つ家の参考として読んでみられてはどうかなと思いました。

紹介されている事例全てが親子のコミュニケーションが活発で、家族の仲がいいご家庭であり、著者ご自身も「『頭のいい子』が育つには家族のコミュニケーションが大前提」」と述べておられるのですが、そういうことであれば、何も受験するご家庭に限らず、お子さんがおられるご家庭は全て参考になるのではないかと思うのです。

家族の気配の感じられるところで勉強することで安心したり、かえって集中できたりということもあるようですし、何かわからないことがあってもすぐに聞けるというメリットもあるようです。
挙げられている事例をそのまま実践したら有名中に合格できるわけでは決してありませんが、取り入れられることを取り入れることで、親子のコミュニケーションがよくなり、子どもの心が安定する可能性があるのであれば、できることからやってみられてはどうでしょうか。

とにかく、子どもを子ども部屋に閉じこもらせないということがポイントのようですが、これは翻せば、親と顔を合わせることなく子ども部屋に行けるようなつくりの家は子育てにあまり望ましくないということと同じなのだと言えるのではないでしょうか。

著書では大掛かりなリフォームなどをしなくても、簡単に実行できるような例もいくつも紹介されています。
お子さんをお持ちの方、一度読んでみられてはいかがでしょうか。

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