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2006年9月11日 (月)

「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」 松永暢史著

「男の子を」と限定されていたので、タイトルを何度か見かけながらも購入を迷っていました。
ですが、ネット書店でも結構何度も目にし、アマゾンのレビューでも興味を引かれたので読んでみることにしました。

「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」 松永暢史著 扶桑社

評価 ★★★★☆ (是非読んでほしい。)

タイトルからして育児本だろうと思いましたし、私の場合男の子限定での知識がほしいわけでもなかったのですが、結果的に読んでみてよかったなぁとしみじみ思っています。

著者の松永氏は著者紹介に「教育環境設定コンサルタント」と書かれているのですが、その仕事の内容について、まえがきにはこう書かれています。

①受験プロ――中高大学のあらゆる入試問題を分析し、その合格実現のための最短距離の学習プログラミングの作成と実行。
②学習メソッド開発――音読法、作文術、サイコロ学習法など、これまで学校や塾で盲点になっている学習メソッドを開発伝授。
③教育カウンセラー――生徒とご家庭に客観的な状況を解説し、最良の教育環境の設定。

著者は主に男の子の指導をしておられるようですが、ご自身の子育ての経験も踏まえつつ書かれたらしきこの本は、男の子を持つお母さんには是非ぜひ読んで頂きたいと思いますし、もちろんお父さんにも役に立つと思います。
そして、私のように「子育て」には縁のない女性でも読む価値ありなのではないかと思います。(読みながら何度もクスクス笑ってしまいました。)

著者は男の子ならではの能力や特性を「オチンチン力」と名づけているようですが、読みながら、昔ベストセラーになった「話を聞かない男、地図が読めない女」の内容が何度も頭に浮かび、ふむふむ納得と思ったり、それは肉体的な性別の「男の子」に限定してしまわない方がいいんじゃないかな?と思ったりしつつ読みました。

いきなりしょっぱなから「本格的な勉強は14歳以降でよい」とのタイトルで1章がスタートするのですが、ここに書かれていることは私としては大いに賛成。一部引用しますと・・・

 私は、子ども、とくに男の子の学習能力を高めるために必要なのは、“小さい頃に充分に遊んだ経験”であると考えます。早くから勉強をスタートすることではありません。この“遊び”とは、ひとりでテレビゲームやパソコンで遊ぶことではない。自然の中で、カラダを使って、友達と群れて遊ぶこと。この経験が、男の子にとっては重要なのです。(中略)
 男の子はこうして、遊びを通して得た経験がカラダの中に積み上げられていく、と考えてください。同世代の女の子がコツコツ勉強している姿を見ると、「うちの子は遊んでばかり」と不安になるかもしれませんが、中学生になっても遊び続けている子はむしろまれです。自分からか、あるいは周囲の状況からか、または受験を考え始めたとき、“勉強しないとヤバイ”という状況に、必ず子どもたちは置かれるようになります。
 そのとき、今度はまともに勉強に取り組んだとしましょう。すると、そこで遊びを通して得た経験が活かされてくるのが男の子です。

この後に具体的に、どんな経験がどういう風に活きてくるかも例を挙げて書いておられますが、うんうん、そうよねという感じです。

かなり興味深い内容、面白い内容が多いのですが、中でもいくつか特に印象に残ったもの、これまでそういう意見に出会ってなかったものを紹介しますと

外出時、常にヘッドホンステレオをつける子は勉強ができない

これはへぇ~っという感じでした。内容を読めば、確かにそうなのかもと思うものでした。

これは「男の子」に特有なのかどうか、私自身どちらかというとこういうタイプだったので(まあ、私はよく当たる占いの先生に「男だ」って言われてますから当然かもしれませんが。。。)、当てはまらない男の子もいれば、これに当てはまる女の子もいると思うのですが、

男の子は『理屈』で納得させよう」という項目。
女の子は直感で「これはやめておいたほうがいいな」などと感じとり、そのように行動できるのだけれど、男の子は理由がわからないと「ダメ」と言っても「なんで?」となってしまい、感情的に怒ったところでまた同じことを繰り返してしまう・・・そういう傾向があるとのこと。
なぜそれをしてはいけないのかをきちんと説明してあげることが大切だと言われたら、ちょっと納得です。

またこの著者も「家事を手伝わせると、学習効率が上がる」と書いておられます。この理由も読めば確かにそうかもと思います。

更に、「『ゲーム』をさせよう」という項目では、私の思っているのと全く同じく、テレビゲームなどではなく、トランプやボードゲーム、レゴなどの昔ながらのゲームをさせようと書いておられます。

この後も、大いに共感できることが続くのですが、「詰め込み学習は健全な好奇心を奪い去る」という項目では詰め込み学習によって好奇心が潰されてしまうということに触れ、こんな風に書かれています。

 小さな頃から黙々と詰め込み学習でひたすら耐える学習を続けてきた子どもと、勉強の中から“なぜ”を発見することで“おもしろさ”を見いだすことができる子どものどちらが頭がよくなるかというと、言うまでもなく後者の好奇心に満ちあふれた子どもです。
 好奇心は日々の勉強の中から育つものではありません。友達と遊び、遊びの中でたくさんの「なぜ」を見つけ、「なぜ」を追求することでより大きな“おもしろさ”を獲得した経験が多い子ほど、勉強の中でも「なぜ」を見つけやすくなるのです。
 受験を生き抜くためには知識量がモノを言う。これは事実です。しかし、だからといって小さなうちから詰め込み学習をするべきではありません。それよりも、たくさん遊んで好奇心が刺激される経験をたくさん積んでおくことが、短時間で学習効果が上がる下地をつくってくれるのです。

更に、これに続く「無目的な勉強に打ち込める男は権威主義者になる」、「習い事が多すぎると、無責任な人間になる」という項目もちょっと考えさせられます。

しかし、何より一番大胆で、かつ印象に強く残ったのは最後の項目、「世代交代ができる男に」です。

男性の意見として書いておられるので、女性としては一部、それはちょっと違うんじゃないの?と思うところもなくはないかもしれませんが、男の子をお持ちで、中学受験などを考えておられるお母さんには是非まず読んでみて頂きたいと思います。読んだ上で、ご自身の価値観と照らし合せ、本で書かれていることは納得できないわというのであればそれでいいと思いますが、そういう視点でものを考えたことがなかったという方もおられるかもしれませんので、是非一度、読んでみられてはと思うのです。

というのも、ちょっと表現が極端ですがこんなことが書かれています。昔は結婚を「永久就職」と呼んだりして、安定した生活を保障してくれる男性と結婚することで自分の生活を保障してもらうという位置づけだった結婚が、時代と共に女性が社会進出し、明らかに変わっているということを書いているのですが、後半を引用しますと・・・

 (前略)そして、理想の相手に巡り合えた女性は、あたかも生活のために好きでもない仕事を黙々とこなすサラリーマンのように、自分が生きていくために夫に尽くし、姑に仕え、家事をこなしていたことでしょう。
 このような話を現代の女の子たちにしたら、たちまち「げっ!」と吐き捨て、「そんなの信じられない。そんな結婚をするぐらいなら、一生独身のほうがマシ!」と断言することでしょう。それほどまでに、今の女性は自立しているのです。
 自立した女性が選ぶのは、「高学歴で、安定かつ高収入が約束された職業に就いている男性」であるはずがありません。「結婚したら専業主婦になり、家庭を守る」と考える女性も、今や絶滅寸前と言っていいでしょう。結婚後も仕事を続けることは大前提という彼女達にとって、夫の経済力はさほど気にしないのです。(中略)
 東大卒で官僚あるいは医者ならいくらでも相手が見つかるという時代は過ぎ去りました。今や女性が男性を選ぶ時代です。(中略)
 さて、そこで問題なのは、あなたの息子さんです。あなたの息子さんは、進んだ女性に選ばれる可能性があるでしょうか?女性なら精子さえ手に入れれば自分の遺伝子を残すことができますが、男性は自分を受け入れてくれる女性の存在なしには、自分の遺伝子を残すことができないのです。(中略)
 自分の遺伝子を残さなくてもいいと本気で考える人は、いったいどのぐらいいることでしょう。(中略)
 人生の究極の目的は、いい暮らしをすることではなく、世代交代をすることです。(中略)
 あなたのお子さんは幼い日々の大半を費やして一生懸命勉強し、一流大に合格するかもしれません。しかし、どんなに誇れる学歴を得ようと、安定し、高収入が約束された職業に就こうと、その遺伝子を次世代に伝え、世代交代ができないのなら意味がありません。(中略)
 どうか、無味乾燥な詰め込み教育で子どもの好奇心や感受性、生きる力を奪い取って世代交代が叶わない男性にしないでください。これは、子どもだけでなく、あなた自身が世代交代できるか否かに関わる切実な問題なのですから。

かなり長い引用になりました。本当ならこの項目は全て引用したいぐらいです。
もちろん、この意見が全て正しいとは思いませんし、世の女性みんながそういう風に考えているとも思いません。ですが、何かとても大切なことを言っておられるように思うのです。

全般にとても読みやすく、共感できる内容がたっぷりでした。
男の子さんをお持ちの方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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