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2006年8月31日 (木)

「経営者の教科書」 江口克彦著

私にしては珍しく「経営」と名のついた本のご紹介ですが、実際には「教育」という面でも大いに参考になることが書かれていたように思います。

「経営者の教科書 実践しなければならない経営の基本100 

江口克彦著 PHP文庫

評価 ★★★★

世情に疎い私は、5年前ぐらいまで「PHP研究所」と松下幸之助さんとの関係を全く知りませんでした。PHPから出ている本は教育関係の本や自己啓発の本など、結構色々読んでいたにも関わらず、PHP研究所を作られたのが松下氏ご自身だと知ったのは、江口氏のある著書を読んだことがきっかけでした。

ジャンルで言えば自己啓発系の本にあたるのかなという本でしたが、昔読んだ「『きっと芽が出る人』の法則」という本の印象がよかったので、先日、松下氏の著書を購入するときたまたま目に留まったこの本も一緒に購入しました。

タイトルにもある通り、経営者にとって大切な心構えのようなものを100項目、ほとんどが見開き2ページ分にまとめられて書かれています。

初めにも少し書きましたが、読んでいて何度も「教育でも同じだ」と思うことがありましたし、経営者でなくても参考になることが沢山書かれていたように思いました。

項目でざっと挙げてもかなりになるのですが、いくつかご紹介しますと(以下青字部分引用)

5. 経営者に部下を拝む心があれば、会社は必ず発展する
7. すべて百点の仕事でなければ仕事ではない
12.「正しい仕事」を日々積み重ねる以外に、成功への道はない
25.自分一人儲けることを考えるより、世のため人のためを先に考えるほうが、結果的に儲けることにつながる
33.夢を夢で終わらせるのか、夢を現実へと導いていくのか、その差はただ一つ、熱意を持っているかどうかである
42.その時点の能力だけで、永遠の評価をしてはならない
47.自分より能力が上の人間をいかに使えるかが、責任者の大事な能力である
50.部下は上司にとって、自分を映す鏡である
57.自分の考え方を一〇〇パーセント部下に伝えたいと思うのなら、一〇〇〇パーセントの熱意を持って訴えなければならない
60.仕事に面白みを見出し、味わうということができるようになるならば、その人は必ず成功する
65.仕事であれ経営であれ、あらゆるものは、もともと必ず成功するようになっている
75.責任者は、部下が持ってきた話や提案の内容よりも、部下が責任者のところへ話しに来るといった行動や勇気をほめなければならない
81.部下を育てるポイントは四つある。一つ目は、部下にものを尋ねるということ、二つ目に、方針を明確に示すということ、三つ目に、権限を委譲するということ、そして四つ目が、感動させるということである
96.素直な心こそ、王道の経営の根源であると共に、経営成功の最高の秘訣である
97.企業が活動しているのは、人間の幸せを実現するため
100.持って生まれた人間的能力を、死ぬまでに発揮し尽くすことが人間としての幸せである

上に挙げた項目の経営者という言葉を親とか教師に置き換えたり、部下を子どもと置き換えても、そのまま通用しそうなものが沢山あります。
また、企業経営とまでいかなくても、私自身仕事をしていく上で大切なことに改めて気づかせてもらったところも色々ありましたので、経営に関わっていない方にも色々気づきがあるのではと思います。

項目では挙げていないけれど、印象に残った言葉などをいくつか紹介しますと、項目の70で

そもそも、仕事がほんとうに好きになれば、それは仕事という名の趣味、あるいは遊びになる。楽しくてたまらなくなる。そこまで到らずに、なぜ成功することがあるだろうか。そこまで到らないから、楽しい趣味と退屈な仕事という、子供っぽい二分法になる。

と書かれているのですが、これを読みながら、なんだか少し嬉しくなりました。
何をもって「成功」というのかもまた微妙なところではありますが、私は教室を始めてから、仕事をストレスに感じたことがほぼ全くありませんし、だから、ストレス解消に何かしたいという欲求もなくなりました。そういう意味でこの仕事は本当に自分がやりたいことなんだろうなと思っていましたので、江口氏のこの言葉になんだか一層強くそれを感じました。

また、項目の75は上で紹介していますが、この部分に思わず頷いてしまいました。

(前略)しかし、そもそも部下の話や提案がいつも優れていることを望むほうがおかしい。責任者より部下のほうがいつもいい提案をするならば、部下のほうが優秀なのだから、責任者と部下は立場を入れ替えなければいけないではないか。部下の話は何回かに一回いい提案があれば、それで充分なのである。
 部課が持ってきた話や提案の内容は、早く言えば二の次でいい。それよりも、部下が自分のところへ話しをしにきてくれた、その行動を、その熱心さをまずほめる。上司にほめられるのは、やはり誰でもうれしいものだ。部下はいっそう勉強して、また責任者のところへ情報を持ってきてくれるようになる。


これは、親子、教師と生徒などの間でも何か大切なことを書かれているような気がしませんか?

項目の97に書かれていることも素敵です。

 したがって、経営者が経営を進めるということは、利益を上げることが究極の目的ではない。それはあくまでも結果であり、究極は「どうしたら人間に幸せを与えることができるのか、どうしたら人間に喜びを与えることができるのか」を考え続けていくということである。
 すべては人間の幸せを実現するため。
 それを忘れた企業が、まっとうな経営をすることは不可能だろう。
(後略)

項目の99では松下氏が悟った「経営の基本の考え、使命」について紹介されているのですが、これがまた素晴らしい話です。
私のように、松下氏について詳しくない方は99、100は、書店などで立ち読みでもいいので読んでみられてはと思う内容です。

文庫で価格も手頃、おまけに読みやすいので、ご興味を持たれた方は一度読んでみられてはいかがでしょうか。

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