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2006年7月31日 (月)

「合格力は『考える勉強』で伸びる!」 考える学習をすすめる会

やっと読みました。随分以前から読んでみたいと思いながらも、書店の店頭では出会うことがなく、更にネット書店で購入したあとも、この本に辿り着くまで結構な時間がかかってしまいました。

「合格力は『考える勉強』で伸びる!」 

考える学習をすすめる会編著 ほおずき書籍

評価 ★★★★ (会のことをご存知ない方には星5つ)

考える学習をすすめる会のことは、もとは偶然購読登録をしたあるメールマガジンに衝撃を受け、なんて素晴らしい先生がおられるんだと思ったことがきっかけで知りました。
以前ブログでもご紹介した目からウロコの「ウロコ先生」が書かれる素晴らしいメールマガジンに心から感動し、その後、会のホームページの存在を知ったのですが、尊敬する「ウロコ先生」とも、このブログがご縁を結んでくれました。

さて、本題に戻り、この本についてのご紹介。
こちらは前後編からなっており、前編では「トップクラスに入る勉強法!」と題し、様々な、本当の意味で効果がありそうな勉強法が紹介されており、後編では「自己推薦対策」と題し、主に長野県(会の方の殆ど(多分この本を書かれたときには全員)が長野県の塾長さんたちだからなのだと思いますが)の自己推薦についての対策が、かなり具体的に書かれています。

「トップクラスに入る勉強法!」については、同タイトルの無料メールマガジンも出されており、そちらやウロコ先生が別に出されているメールマガジンなどを読まれている方は既にご存知のことも多く、その点と「長野県」で受験する子どもでなければ直接参考にならない部分が若干あることで星4つにしましたが、マガジンを読まれたことのない方でお子さんが小学校高学年から高校生ぐらいまでの保護者の方やその年齢のお子さん自身にはとても参考になることが多いと思います。

また、先に後編について触れますが、自己推薦では志願理由書と面接、小論文という試験だそうで、これらそれぞれについてどのように考え、どのような対策をとればいいかを具体的にわかりやすく紹介してあります。

ですので、長野県に限らず、試験で志願理由の作文を出さなくてはいけない子、面接がある子、小論文を書かねばならない子たちには大いに参考になります。
特に、小論文の書き方については、技術的なこと(原稿用紙の使い方、句読点の打ち方その他)については殆ど触れず、どういう組み立てをし、どういうことを意識しながら書けばよいかが実際の指導例を挙げながら紹介されており、作文や小論文が苦手な小中学生にはかなり役に立つのではないかと思いました。

また、前編に戻りますが、第1章は「考える学習とは?」と題し、実際、ホームページやメルマガなどでも紹介されていることがまとめられています。
ご存知ない方のためにこちらからごく一部、最もポイントになる部分だけ引用します。(以下青字部分引用)

 私たちが提唱する「考える学習」とは?大きく分けて、次の4つの大きな柱があります。

 1. 詰め込み(丸暗記)主義からの脱却
 2. 用語の意味をとことん理解すること
 3. 常に「なぜ?」を考える姿勢を持ち続けること
 4. 語彙を豊富にすること

それぞれに具体的に説明がされているのですが、これを読んで納得されない方はおられるだろうか?と思ってしまいます。(まあ、意味がわからなくてもとにかくまず暗記してしまうのがいいというご意見の方もおられるようですので、共感されない方もおられるでしょうけれど。)

この本を書店の店頭で実際に見てから購入するというのは、もしかしたら少し難しいのかもしれませんが、ご興味がおありの方はまず会が出しておられるメールマガジンや会のホームページを読んでみられ、その内容などに共感された方にはオススメです。

因みに、会のホームページは

http://kangaeru.org

こちらでメールマガジンのこともわかりますが、因みにマガジンはこちら。

 ・トップクラスに入る勉強法!
 ・心の豊かな賢い子供を育てる12章
 ・プロが教える秘密の英語勉強法

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2006年7月27日 (木)

「数の大常識」 秋山仁監修

夏休みでもありますし、児童向け書籍のご紹介です。
しかし、児童向けと侮るなかれ。。。という1冊でした。

「数の大常識」 秋山仁監修 ポプラ社

評価 ★★★★

数学者の秋山先生といえば、ご存知の方も多いことでしょう。
こんな先生に数学を習ったら、私ももっと数学が得意だったかもしれないなぁと思う素晴らしい先生ですが、その先生が監修された「数」に関する児童向け書籍です。

学研の「ひみつシリーズ」は私が子どもの頃からあったということもあり、馴染みがある分、既に10冊ほど購入し教室に貸出し用として置いてありますが、この「大常識」も多少ひみつシリーズを意識しているのかな?という感じで、「ことわざの大常識」「動物の大常識」「からだの大常識」などと色々出ているようです。

ただ、大きな違いは、ひみつシリーズは「漫画」に近いですが、こちらは基本的には文字中心の読み物になっています。
構成としては見開きごとにテーマがあり、そのテーマについてわかりやすく説明するという風になっていますが、数字の起源や十進法の起源などの説明から始まり、偶数・奇数、倍数・約数、素数などの説明もされ、更には単位などについても、どのようにして決められたかなどがわかりやすく説明されています。

後半では数のピラミッドや小町算、つるかめ算、旅人算などについての説明や色々な図形についての説明などが、内容は高度なのにも関わらず、わかりやすい文章でまとめられています。

私自身知らなくって「へぇ~」と思ったことのひとつに、十二進法が採用された理由説明があり(コラムのような感じで紹介されているのですが)、個人的に、1年が12ヶ月なのでそのあたりの理由で12なのだろうとは思っていましたが、決められたほぼ理由は合っていたものの、12が便利なのだという理由にちょっと感動しました。

というのも、直方体を箱などに詰めるとき、12箱のものを詰める方法がたくさんあるというのです。
どういう意味か図が使えないので説明しにくいですが、例えばケース入りの鉛筆が12ダースあった場合、12ケース横1列に並べる、横に6ケース2段重ね、横に4ケース3段重ね、横に3ケース4段重ね、横に2ケース6段重ね、縦にも同様にできますし、更に1段目に縦2ケース、横3ケースを2段重ねや、縦2ケース、横2ケースを3段重ねなど、まだまだ詰め方があるということです。

そんなこと、言われるまで考えたことがありませんでしたが、確かに「10」や「15」などと比べても「12」は圧倒的に色々な詰め方ができそうです。

また、つるかめ算の簡単な解き方なんて、言われてみれば確かにその通りですし、こんなの低学年でも数さえわかれば誰でも解けるよね~というような方法が。これを見ると、改めて、公式を覚える必要なんて全くない気がします。

というわけで、児童向けに書かれているようではありますが、大人が読んでも結構楽しめます。
そして、数に興味のある小学生が小学生のうちにこういうものをしっかり読んで納得していれば、すごく役に立ちそうだなぁとも思います。

価格も手頃ですし、一度書店でご覧になってみてはいかがでしょうか。

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2006年7月24日 (月)

「さあ、学校をはじめよう」 渡邉美樹著

やっと読めました。絶対読みたいと思ったら在庫切れ。取り寄せ不可。そんな中、奇跡的に購入できた本ですが、やっぱり感動です。

「さあ、学校をはじめよう」  渡邉美樹著 ビジネス社

評価 ★★★★★

先日、ワタミの渡邉社長の著書を初めて読み、大いに感動し、その著書の著者紹介のところでこの本のことを知り、タイトルだけでもすごく興味を引かれたので、絶対読みたい!と思ったのですが、ネット書店はユーズド以外取り扱いなし。近所の大手書店に尋ねるもやはり出版社に在庫切れとのお返事。

半ば諦めかけていたのですが、大手書店の全店舗に問い合わせをして頂いた結果、奇跡的に手に入りました。そして、読みながら、やはり諦めないでよかったとしみじみ思ったのでありました。(ちなみに、ユーズドでも抵抗のない方は、今は1冊1,000円ほどまで下がっているようですので、オススメです。)

読みたいと思って購入したものの、先に読まねばというものがいくつか重なり、ようやくまとまった時間が取れたのが先日の海の日。ちょっと遠方に電車で出かけたので往復でかなり読めました。
しかし、実は涙もろい私。。。電車の中で何度も何度も目頭を押さえ、人目を気にしつつの読書となりました。(苦笑)

この著書は、渡邉社長がワタミの社長としてではなく、個人として「郁文館学園」の理事長になられ、強力なパートナーたちと共に経営危機に陥っていた学校を改革していく過程を紹介しておられるのですが、教育関係者、保護者はもちろん、世の大人には是非読んで頂きたい内容がぎっしり詰まっています。

もちろん、この考え方に共感する方もしない方もおられると思いますが、私にとっては渡邉社長が私のうまく表現できない気持ちを全て明確に代弁してくださっているような気持ちになりました。
根が単純なので、やはりまたこの社長の下で働きたい!とか思ってしまったわけですが、それにはまだ私の修行が足りない気がしますので、今は自分の仕事をしっかり頑張ろうと思います。

学校経営というものについて、内情が色々書かれていましたが、確かにそうなのかもなぁと思うことが沢山あり、公立校ならまだしも、私立校でもそういう状態なのかと、それには少し驚きました。(感覚に、私立はもっと一般企業のような「経営」に対する意識が高いのではと思っていましたので。もちろん、そういうところもあるのだと思いますが。)

引用してご紹介したいところは山ほどあるのですが、あとがきから少し長めに引用させて頂きます。
この引用部分に共感される方にはとにかくオススメできる1冊だと思います。(以下青字部分引用)

 人間は、「遺伝」、「環境」、「偶然」、「意志」の産物である。人は「遺伝」によって与えられた資質を磨き高める過程のなかで、人間が本来持っている美しい資質を高めていくために生まれてきたと私は信じている。
 美しい資質とは、「思いやりの心」であり、「誠実な心」であり、「感謝の心」であり、「素直な心」である。現在の教育は、この部分をまったく異にする。「遺伝」によって与えられた資質が一人ひとりまったく異なるにもかかわらず、一つのものさしで全員を測ろうとしているのが現在の教育である。
 走るのが苦手な子供に、無理やり競争させておいて順位をつけるのが教育だろうか。絵が苦手な子供が一生懸命描いた絵に他の子と比べて点数をつけることが教育だろうか。算数が苦手な子供に、算数を学ぶ目的さえも教えず、できなかったら0点をつけ、落ちこぼれのレッテルを貼ることが本当に教育なのだろうか。
 人間は持って生まれたものが違うのである。この前提に立たなければ、本当の教育のあるべき姿は見えてこない。それぞれの違った素質を、それぞれに磨いてあげることこそ大切なのである。

 点数をつけて、競わせることでやる気を起こさせるという最も原始的な人心掌握の手段を用いているのがいまの教育である。(中略)

 受験のための知識を丸暗記するより、もっと大事な教育がある。学ぶことで、将来どんな職業につながり、それが社会にどのように貢献するのか、その目的を教えることこそ教育である。そして、そのなかで大切なことは、「比較をしない」ということである。本来持って生まれたものが違う人同士を比較することは不平等極まりない。比較していいのは、その本人の昨日と今日だけである。
 基礎的な教育は必要だが、中学生になったら、子供たちには好きなこと、得意なことをドンドンやらせたらいい。そしてその延長線上に、自分の将来のあるべき姿を見据えさせる。そうすれば好きなことがその子の将来の仕事になる。夢に向かっている途中で、ドンドンそのことに詳しくなり、方向性が変わっていくなら、カリキュラムを変えればいい。
 人は誰でも好きなことには力を発揮する。誰が言わなくても勝手に努力する。そうして好きなことを徹底してやるとき、必ず壁にぶつかる。より高い山に登ろうとするからである。そのための苦労のほうが、嫌いなことを無理にでもしようとするよりはるかに幸せだ。
 好きなことこそ、ハードワーク、ハードシンキングができる。がんばれば、がんばるほど「遺伝」によって与えられた資質が高まり、人間性の向上につながる。
 なぜ人は生まれてきたのか、なんのために学び、なんのために働くのかを教える教育。人として美しい生き方とはどんな生き方かを教える教育。イメージの力の大切さを教える教育。生命の偉大さを教える教育。自分自身の存在価値を教える教育。人に思いやりをもって生きることの大切さを教える教育。人類が何百年かかって築いてきた叡智を教える教育。世間的評価ではなく、自分だけの道を見つけるための教育。規則で縛らない教育。それが私たちの目指す教育である。
 このような教育が完成したなら、いかに社会が変化しようとも、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、自発的に行動し、自らを律しつつ人と共に協調し、人を思いやる心を持ち、感動する心を忘れない人間に育つはずだ。
 日本中の子供たちがそんな人間に育ったら、日本は素晴らしい国になるだろう。世界中の子供たちがそんな人間に育ったら、世界には戦争も貧困もなくなるだろう。それが、教育の果たす役割であり、人間の目指す社会である。(後略)

この部分だけの引用では、お伝えし切れないところも沢山ありますし、好きなことだけをしていては生きていけないとか、比較しないから絶対評価を導入したんだなんていう意見なども様々に出てきそうなのですが、渡邉社長が思い描いておられるのはもっともっと大きな、そして、とても大切なことなのだと思います。

例えば、好きなことを「させる」のではなく、好きなことを「とことん極めさせる」というレベルのことを言っておられるのだと思いますし、そこまで打ち込める何かがある子どもには間違いなくその方が「幸せな人生」を歩んでいけるように、私は思います。

是非皆さんに読んでみて頂きたいと思う熱い、素敵な本です。

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2006年7月20日 (木)

「ゆうき式逆転発想勉強術」 ゆうきゆう著

中高生や資格試験の勉強をしている方などにオススメできそうな1冊をご紹介。

「勉強したくない!」を活用する ゆうき式逆転発想勉強術」 

ゆうきゆう著 スリーエーネットワーク

評価 ★★★★☆

ご存知の方も多いだろうと思いますが、「セクシー心理学!」というメルマガを配信しておられる精神科医のゆうきゆう氏。
もともとはまぐまぐのランキングか何かで上位になっているのを見かけて読者登録したような気がしますが、文章はおちゃらけて、常に自虐ギャグ連発という感じながら、すごく読みやすく、おまけに知性が感じられるという、そりゃメルマガ登録者数が16万人(!!)になるっていうのもわかる気がするなぁという、そんなメルマガ発行者。

その方の前回のメルマガでこの本が出版されたことを知り、タイトルも気になったので早速注文してみました。少なくとも普段のメルマガからしても、買ってがっかりってことはないだろうと。

で、結果、まるでマンガを読んでいるように、時には思わず笑ってしまったりもしながら、楽しく読めました。楽しいのですが、さすが精神科医というか、そりゃ効果あるかも。。。っていうことがふんだんに紹介されていました。

著書は「ユウ」(著者本人がモデル)という学生と「マナ」という先生、ユウの憧れの女性、ユウのライバルのかっこよくて頭もいい男性が登場し、ほぼ全てにわたって、ユウとマナとの会話という形で書かれています。

第1章は「勉強嫌いのためのスーパーメソッド」、第2章は「踏み出せない人のためのスーパーメソッド」、第3章は「続かない人のためのスーパーメソッド」、第4章は「成績が上がらない人のためのスーパーメソッド」となっており、それぞれの章がいくつかの項目に分けられて書かれています。
会話形式が殆どで行間もたっぷりなので、集中して読めば1時間足らずで読めるのではないかと思います。

「ギャンブル勉強法」であるとか、「勉強を、オモチャにしちゃえ!」、「遊びは、罪じゃない」など、「勉強しなきゃ。。。」と思いながらもなかなか集中できず、その度罪悪感や後悔に襲われるような人にはとってもオススメの発想法、学習法が色々と紹介されています。

「勉強は、浮気しながら」なんていうタイトルはいかにも著者らしいなとも思いますが、その項目には、とにかく毎日のように書店に行き、沢山の参考書や問題集を見て、使いやすそうなもの、わかりやすそうなものをどんどん買いなさいということなどが書かれています。1冊買ったらまずはそれを仕上げなくては。。。という発想が、勉強の効率を下げるということのようです。もったいないという感情に対しても、著者なりにきちんと答えています。

また、「電車の中の視線」という項では、受験勉強(に限らないと思いますが)は電車の中ですると集中できて効果的だということが書かれており、これは実際に著者が実践したことのようです。(他のことも、実際にご経験されたことのようですが。)

現役で東大理科Ⅲ類に合格された、精神科医の方が効果があるというのですから、きっと参考になることがあると思います。
実際、私は受験勉強とか資格の勉強ってことは今のところ予定がありませんが、読んでいて確かに効果ありそうって思うことがたくさんありました。

小学生に読ませるには内容的にもちょっとオススメできないところもありますが(なにしろ「セクシー心理学!」のゆうき先生ですから。。。)、中高生、受験生には息抜きがてら読んでみるといいのではないかなと。息抜きしつつ、効果的な学習法を見つけられるかもって、なんだかいいですよね。

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2006年7月17日 (月)

「公立の中学・高校から東大へ行こう!」 滝田大・洋子著

今回はちょっと思いがけず、著者ご本人からお知らせを頂き、読ませて頂いた本のご紹介です。

公立の中学・高校から東大へ行こう!―「行きたい大学へ入る勉強法」と「家庭力」のルール

滝田大&洋子著 こう書房

評価 ★★★★

大変ありがたいことに、このブログを読んでくださっているという著者ご自身からこの本をお送り頂きました。大変感激しています。

本当に思いがけないことでしたし、とてもありがたいことでしたので、気持ち的にはそれだけでも星5つなのですが、やはりそこは、これまでどんなときも自分が感じたままを正直に書いてまいりましたので、滝田さまにもお断りさせて頂いた上で、感じたままをご紹介させて頂きます。

著者である滝田ご夫妻は滋賀で「αセミナー」という学習塾をしておられるそうです。著書に書かれているのには、お住まいの地域は山々と川と湖に囲まれたのどかな田園地帯だそうで、子育てには素晴らしい環境であるものの、さて進学となったときに、私立高校に通うには京都まででも1時間はかかるということで、3人のお子さん達を育てていく中で、大学受験のためだけにそこまでさせる必要があるのか、地元の中学・高校で大学受験のための学力をつけることはできないか・・・そんなところから、ご夫妻で塾を開くに至ったそうです。

著書は連名になっていて、共著なのだと思っていたのですが、内容を読むとどうもほぼ全て洋子氏が書かれたのでは?という印象で、お尋ねしましたところ、やはり大氏のお考えも踏まえつつ、洋子氏が書かれたものだとのこと。

個人的には共著であるなら、男性の意見、女性の意見、父の意見、母の意見のように、両方をもっとはっきり打ち出してくださったらよかったのになと感じました。

また、著書のタイトルや帯に書かれていることなどを見ても、親向け、保護者向けという印象なのですが、実際の内容は子ども(学生)に向けて書かれた部分も少なからずあり、せっかくいいことをお書きなのに、このタイトルの本にそれを書かれても、なかなか子どもの目に触れることはないのでは?とも感じました。(この本を読んだ親が子にも読ませるというパターンぐらいしかないのではと。)

著書の構成としては以下のようになっています。

序章  子供の教育は家庭から
第Ⅰ章「行きたい大学へ行く」ための心構え
第Ⅱ章「行きたい大学へ行く」ための中・高6年間の家庭での過ごしかた
第Ⅲ章「どうすれば子供が勉強するようになるか」のコツ
第Ⅳ章 成績がぐんぐん伸びる勉強の仕方
第Ⅴ章 幼年期~小学校時代はどのように過ごしたか
第Ⅵ章 よい塾選びのポイント


ちなみに、Ⅲ章後半からⅣ章にかけては子ども(学生)向けに書かれているように思います。

子育てで大切なことや、受験に関して大切なこととして挙げられている大半のことは私としては非常に共感でき、納得できることでした。
ただ、いくつか気になったのは、洋子氏は子どもの勉強に親が付き合うということを薦めておられるのですが、例えばですが、私が子どもの頃は親に見ていられるのがイヤでしたし、また、仮に私が大学受験の勉強をしていたとき、うちの両親にわからないところを尋ねたところで恐らく教えることはできなかっただろうと思います。

実際、今教室に来てくださっているお母さん方のお話などを伺っていても、親が子を指導することの難しさはもちろん、中学・高校の内容になると親は指導しきれなくなるという方が少なくないと思います。(昔はできていても、やらなければ忘れますから。)
また、仮に必死で頑張って指導したとしても、その指導は無駄の多い方法だったり、間違った方法だったりする可能性もあるわけです。

そういう意味で、大氏は東大卒、洋子氏もノートルダムの英文卒でおられるようですので、そういうご両親だからこそできるという面もあるのではないかと思います。
ただ、じゃあ放っておけばいいということが言いたいわけではなく、親が子を気にかけ、生活面などでできることをしサポートしてあげるということは大賛成です。おいしい食事を作るであるとか、家族が仲良く過ごすであるとか、そういう面はどんなご家庭でもできる限り心がけて頂きたいと思っています。

また、幼少期の過ごし方というところに、低学年で塾に行かせる必要はないとも書かれていたのですが、それも地域によって納得、共感できる方とそうでない方がおられるだろうとも思います。
もし、私が住んでいるような地域で周りのお子さんがみんな何らかの塾に行っているのに、自分の子どもだけはどこにも通わせないというのはかなり覚悟と信念のいることなのではないかと思います。

ただ、ご夫妻がおっしゃりたいことは理解できますし、詰め込みや反復の学習であれば、確かにそれよりすべきことがたくさんあるだろうとも思います。

もともとの設定が私立高校に通うには物理的な負担が大きくなる地域、自然に恵まれたのどかな地域での大学受験という設定で書かれていますので、そういう地域にお住まいの方であれば大いに参考になるのかなと思います。

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2006年7月13日 (木)

「3歳からの『考える力』教育」 久野泰可著

今回は以前から気になっていた、幼児教育「こぐま会」の代表の方が書かれた著書のご紹介です。

「3歳からの『考える力』教育」 久野泰可著 講談社

評価 ★★★★☆

私自身、これまで何度も申し上げていますが、自分が幼児教育に関わることになるとは正直思っていませんでした。もともと小学校高学年や中学生と勉強するのが好きだったし、「幼児にお勉強をさせるって。。。」というような思いもあったからです。

しかし、偶然の出会いからピグマリオンを知り、こうして幼児・低学年をメインにした教室をしているわけですが、もともと幼児教育については殆ど何も知りませんでしたので、今でも他所の幼児教室などではどんなことをしているのかは噂や著書などを通してしか知りません。

ただ、以前から書店の店頭で「こぐま会」の教材や教具を目にし、「なんかピグマリオンと似ている気がする。。。」と思っていたので、一体具体的にはどんなことをされているのかが気になっていました。そして先日、ネット書店でこの本を見つけ、早速読んでみることにしました。

著者の久野氏は横国大をご卒業の後、幼児教育ひと筋にやってこられた方のようで、既に30年以上のご経験がおありのようです。(個人的に驚いたのは、伊藤先生と同い年だということ!)

この著書は、帯に「幼児期に大切な『思考力』の育て方」と書かれている通り、幼児(就学前)に必要な能力について、著者のご経験や実際の有名小学校の入試問題などを紹介しつつ、具体的にわかりやすく書かれています。

著者が代表をつとめる「こぐま会」は東京で主に就学前の幼児を対象とした教室で、有名小受験で素晴らしい実績をあげておられるようですので、著書の中にも小学校受験に関することも沢山出てきます。
ただ、基本の部分というか、幼児期に大切な能力という部分に関してはやはりピグマリオンと共通する部分が圧倒的に多く(むしろ、異なる部分を探す方が難しいかもしれません。)、私としてはもしこの本を何も言わずに渡されて、誰が書いたと思う?と尋ねられたら「伊藤先生!」と答えてしまうかもというほどです。

就学前の「教科前基礎教育」と読んでおられる幼児期の教育に関して、中心的な内容として5つの領域を挙げておられますが、「未測量・位置表象・数・図形・言語」となっており、こちらもやはり伊藤先生のおっしゃることとほぼ同様です。
要するに、幼児教育で素晴らしい成果をあげている先生方が同じことを言っておられるのだから、間違いないということでもあるのでしょうか。

この本で私が大いに参考になり、ためになったのは、幼児にとってこういう課題はこういう面が難しいという例などがわかりやすく具体的に沢山紹介されていることと、その能力を伸ばすためにどういうことをさせたらいいかが書かれていることです。

また、それぞれの領域について、章の終わりに、3、4、5歳児それぞれについて、その年齢ではその領域に関してどの程度のことができるのが望ましいかを一覧にしてくれているのも、お母さん達にはわかりやすいだろうと思います。

おかしな話ですが、私個人としてはこの本を読んだことで、ピグマリオンの教材を一層効果的に使うことができるなと感じました。もちろん、伊藤先生にひとつひとつお尋ねしたらご指導くださるに違いないのですが、お忙しい方なのでひとつひとつの教材についてこの本に書かれているところまで具体的に詳しく伺ったことはないものもあったのです。

こぐま会の教材・教具は書店の店頭に置かれていたりもするので、ご家庭でお母さんがお子さんに手軽にやらせることも可能だと思いますし、また、あれらの教材などを購入するのでしたら、その前に是非この本は読まれた方がいいように思います。(より教材・教具を活かせると思います。)

因みに、私自身、小学校受験や中学校受験の指導をするつもりはありませんが、それでも幼児・低学年期にさせておくと子どもの能力が高まり、後に子どもの才能がより大きく花開くに違いないと感じて教室をしていますし、その考えから言っても、この本に書かれていることは受験をお考えではないけれど、子どもの能力は伸ばしてやりたいと思っておられる保護者の方にも大いに参考になるのではないかと感じています。

わかりやすく書かれていますので、就学前のお子さんをお持ちの方にオススメです。

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2006年7月10日 (月)

「小さいことにくよくよするな!」 リチャード・カールソン著

こちらも自宅探検で発掘された(?)1冊です。といってもこれはかろうじて2000年発行なので、古いといってもまだ許される範囲かなと。
これを読んだ頃は、多分こういう類の(自分を励ます、前向きになる、そういう類の)本を色々読んでいた気がしますが、最近は殆ど読まなくなったなぁと。

「小さいことにくよくよするな! しょせん、すべては小さなこと 

リチャード・カールソン著 小沢瑞穂訳 サンマーク文庫

評価 ★★★☆

この本の帯には「11歳から94歳まで、幅広い層の読者が共感した170万部突破のミリオンセラー、待望の文庫化!!」と書かれていて、もしかしたらそのコピーに惹かれて買ってみたのかもしれません。(もう昔なのでよく覚えていません。。。)

本書の形式は、中谷本などによくある、短いテーマをあげ、そのテーマについての内容が2~3ページ、全部で100のテーマについてまとめてあるというものです。読みやすいし、目次を見て、気になったところだけを読むこともできますから、11歳から94歳までというのもわからないではないかなという感じです。

ついついくよくよしがちだったり、物事を悪い方悪い方に考えてしまいがちだったり、心配性だったりという方にはオススメできるのではないかと思います。
100のテーマの中からいくつかご紹介すると。。。

002 完璧な人なんてつまらない
003 成功はあせらない人にやってくる
018 たまにはぼんやりしてもいい
019 ストレスに強い人はストレスがふえる
046 毎日少なくとも一人、いいところをほめる
047 「できない」というとできなくなる
051 批判は受けとめれば消えていく
062 一度に一つのことしかしない
066 ほしいものよりもっているものを意識する
069 幸せは今いる場所にある
081 親切は小さなことに絞る
082 百年後は、すべて新しい人々
089 人が投げたボールをすべてキャッチすることはない
093 「モア・イズ・ベター」という考え方を捨てる
098 平凡のなかに非凡を見いだす


今、項目を拾いながらざっと見ましたが、多分早い人なら1時間もかからずに全て読んでしまわれるだろうなと思います。

ある時期、自己啓発系の本を山ほど読んだ私としては、特に目新しいことが書かれている訳ではありませんでしたが、読んでいて、そりゃおかしいだろ?とか、それは無理だろ?と思うようなところはなく、読みやすかったので、こういう類の本をあまり読まれたことがなく、最近何かに悩んでおられたり、落ち込んでおられたりする方は読んでみられてはどうでしょう。

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2006年7月 6日 (木)

「サニーのおねがい 地雷ではなく花をください」

自宅の整理をしていたら、こんな本が見つかりました。もう10年前の絵本です。
先ほどネットで見たところ、その後、シリーズで数冊出版されているようですが、これが最初の1冊のようです。
私が買ったのは何年前なのかわかりませんが、普段目にしない棚にそっとしまいこんでいました。教室に持っていって、子ども達にも見てもらおうと思います。

「サニーのおねがい 地雷ではなく花をください」 

葉祥明 絵 柳瀬房子 文 自由国民社

評価 ★★★★☆

絵本の帯に書いてありますが、この絵本は「“地雷”撤去キャンペーン絵本」だそうで、この絵本の収益全てを対人地雷除去のために活用するとも書かれています。
この絵本1冊で、カンボジアなら10平方メートルの土地が地雷のないきれいな土地に生まれ変わるとも書かれています。

私は子どもの頃から高校ぐらいまでずっと、「詩とメルヘン」という雑誌が好きで、葉祥明さんはよくその雑誌に絵を描いておられて、すごくやさしくてあたたかなタッチの絵が大好きでした。

その葉さんの絵に柳瀬さんが文章をつけ、子どもにもわかるように「対人地雷」の怖さ、不自由さ、悲しさを伝えてくれます。
漢字仮名交じりの文章ですが、漢字は全てにルビがふられており、また、その文章の下にはほぼ同じ内容が英語でも書かれています。

地雷が爆発して怪我をした人、足を失った人などの絵も描かれていますが、全ての絵がやさしいタッチなので直接的な怖さ、強烈さはありません。ですので、ある程度小さいお子さんにでも見せられるのではないかなと思います。

この絵本が出版されたとき、黒柳徹子さんの報告によると、ボスニア・ヘルツェゴビナには推計300万個、旧ユーゴスラビア全体では1000万個を超える地雷が埋められているといわれていたそうです。
更に、それらの地雷の中にはお菓子やチョコレートに似せたような地雷がたくさんあるのだそうです。そして、幼い子ども達が犠牲になっていくのです。本当に考えただけで悲しくなりますね。

以前テレビで除去作業を見たことがありますが、本当に人海戦術で数センチ単位でしか進めず、膨大な時間と費用を要するのだと言われていました。
私は直接何をしているわけでもありませんが、購入したとき、この絵本1冊でほんの少しの土地からでも地雷がなくなってくれるのなら。。。そう思ったことを思い出しました。

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2006年7月 3日 (月)

「ガラクタ捨てれば自分が見える」 カレン・キングストン著

今日は「風水整理術」の本のご紹介です。

「ガラクタ捨てれば自分が見える」 

カレン・キングストン著 田村明子訳 小学館文庫

評価 ★★★★

ネット書店で偶然目に留まったこのタイトル。掃除嫌いで、教室はとりあえず毎日必要最低限は掃除するものの、自宅は正直かなり「いただけない」状態。ひとり暮らしも長くなると、どんどんとものも増えてきて、収納できないために棚が増え、棚にも収まりきらず机の上にもものが置かれ。。。そんな状態の私には非常に気になるタイトル。

おまけに、世界14ヶ国で翻訳され、ベストセラーになっているともいうので、文庫で手軽だし、ちょっと読んでみることにしました。

副題に風水整理術と書かれていたし、キャッチコピーのようなもので「あなたも捨てたくなる」というようなことが書かれていたため、運気を上げるためにはどんなものを処分した方がいいとかそういうことが書かれている本なのだろうと、気楽に読み始めました。

実際、第1部ではこの本でいう「ガラクタ」というものの定義が細かく詳しく紹介され、例えば、気分が落ち込んでいるときに似合うと思って買ったけど、気分が回復したら似合わなく思えて着ることのないままの服などもガラクタに入るようなのですが、このように「なぜそれをガラクタ」と定義するかの理由もきちんと書かれており、結構「ふむふむ」と思いながら読むことができました。

因みに、著者の定義する「ガラクタ」とは以下の4つのカテゴリーに分類されるそうです。

*あなたが使わないもの、好きではないもの
*整理されていない、乱雑なもの
*狭いスペースに無理に押しこまれたもの
*未完成のもの、全て

こういうものを身の回りにそのままにしておくと、気づかないうちにどんどんと自分のエネルギーが奪われていくというのです。
あまり考えたことがありませんでしたが、言われてみればなんだか納得ということが多かったです。
現に、私は家にいてもあまり「居心地がいい」と思いませんし、仕事をしようと持って帰ってきても、家では全くというほどやる気にならない。それも何かこの収納スペースに入りきらなくなっているようなものたちの影響があるのかも。。。と思ってしまいました。

そして、第2部では「『ガラクタ』を見分ける」と題し、個人でも手軽にできる簡単なものではありますが、風水による自分の家のどの場所が人生にどんな影響を及ぼすかについての説明とその割り出し方、また、家のどんな場所にガラクタが溜まりやすいかなど、こちらもまた具体的に細かく書かれています。

ラストの第3部はいよいよ「『ガラクタ』の処分の仕方」として、どのように始めれば「ガラクタ」整理を始めやすいかが紹介され、いきなり処分する決心がつかなければ、まずは「ジレンマ箱」を用意してもいいなどというようなことも書かれています。

正直なところ、思い切ってやりたいと思っても、著書では「リサイクルしたり友人・知人にあげたり、寄付したり」ということも書かれているものの、そういうものを溜め込んでいるのであればいいのですが、私のように手紙や手芸・工芸材料、道具、今じゃもう絶対引き取ってもらえないであろう本の数々を持っている人間にはやはり「捨てる」しか方法がないところもあり、おまけに貧乏性&「もったいない精神」により、一層処分を困難にされるところはあります。

著書には、ガラクタを処分したら次々にいいことが起きたという例が沢山紹介されており、実際そういうこともあるのかもなぁと思うものの、そこまで思い切ったことは私にはちょっと難しいかなとは感じています。

ただ、この本は思っていたのとは少し違って、単に自分の家に溜め込んでいる「モノ」の処分だけでなく、それが済んだら次は「体をきれいにする」、「心をきれいにする」、「魂をきれいにする」というところまで進んでいきます。
そして、著者はこう述べておられます。(以下青字部分引用)

 実を言えば、これ(魂をきれいにする)が本書の目的の全てでした。私たちの視野を曇らせ、混乱させ、道を誤らせるものをクリアリングしていくことを目指していたのです。誰にでも生まれてきた理由があり、その目的を達成したいという意思を持って生きています。ところがこの世に誕生すると、その意思を保つのが難しくなり、時には段々忘れていってしまうこともあります。様々な形の「ガラクタ」を整理していくことによって、私たちが元々持って生まれた人生の目的が再び見えてくるようになるのです。自分が何をするべきなのか、明瞭に見えてくるようになります。「ガラクタ」をきれいにしていくことで、私たちは意志を妨げようとする障害を取り除き、「Higher Self/大いなる自己」、そしてそれぞれの神と接することが出来るようになるでしょう。

最終的にはスピリチュアルな話になってしまいました。まあ、風水なのですから、そうなのですね、きっと。

読んでいておかしかったのが、著者がイギリス人でもとの文章が英語で書かれているからなのでしょうけれど、本文にやたら「!」が出てくるのです。日本の方の書かれた本ではあまり見かけないので、全く本題とは関係ないのに、感嘆文で書かれていたのかしら?とか思ったりしていました。

私の場合、家の不要なものを処分するだけでもかなりハードルが高いので、まずはできることからと思っていますが、既に少しだけ手をつけた古い手紙やいらない写真などを処分しただけでも、確かになんだかちょっとすっきりした気がします。

整理が苦手な方、もったいないからと何でも取っておこうとする方など、もしかしたら思い切ってものを処分する気になれるかもしれませんよ。
あ、そうそう。空き箱を空き箱のままの状態で置いておくのもエネルギーを奪われる原因になるそうです。どうしても置いておくなら箱をたたんでと書かれていました。ご参考までに。

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