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2006年7月24日 (月)

「さあ、学校をはじめよう」 渡邉美樹著

やっと読めました。絶対読みたいと思ったら在庫切れ。取り寄せ不可。そんな中、奇跡的に購入できた本ですが、やっぱり感動です。

「さあ、学校をはじめよう」  渡邉美樹著 ビジネス社

評価 ★★★★★

先日、ワタミの渡邉社長の著書を初めて読み、大いに感動し、その著書の著者紹介のところでこの本のことを知り、タイトルだけでもすごく興味を引かれたので、絶対読みたい!と思ったのですが、ネット書店はユーズド以外取り扱いなし。近所の大手書店に尋ねるもやはり出版社に在庫切れとのお返事。

半ば諦めかけていたのですが、大手書店の全店舗に問い合わせをして頂いた結果、奇跡的に手に入りました。そして、読みながら、やはり諦めないでよかったとしみじみ思ったのでありました。(ちなみに、ユーズドでも抵抗のない方は、今は1冊1,000円ほどまで下がっているようですので、オススメです。)

読みたいと思って購入したものの、先に読まねばというものがいくつか重なり、ようやくまとまった時間が取れたのが先日の海の日。ちょっと遠方に電車で出かけたので往復でかなり読めました。
しかし、実は涙もろい私。。。電車の中で何度も何度も目頭を押さえ、人目を気にしつつの読書となりました。(苦笑)

この著書は、渡邉社長がワタミの社長としてではなく、個人として「郁文館学園」の理事長になられ、強力なパートナーたちと共に経営危機に陥っていた学校を改革していく過程を紹介しておられるのですが、教育関係者、保護者はもちろん、世の大人には是非読んで頂きたい内容がぎっしり詰まっています。

もちろん、この考え方に共感する方もしない方もおられると思いますが、私にとっては渡邉社長が私のうまく表現できない気持ちを全て明確に代弁してくださっているような気持ちになりました。
根が単純なので、やはりまたこの社長の下で働きたい!とか思ってしまったわけですが、それにはまだ私の修行が足りない気がしますので、今は自分の仕事をしっかり頑張ろうと思います。

学校経営というものについて、内情が色々書かれていましたが、確かにそうなのかもなぁと思うことが沢山あり、公立校ならまだしも、私立校でもそういう状態なのかと、それには少し驚きました。(感覚に、私立はもっと一般企業のような「経営」に対する意識が高いのではと思っていましたので。もちろん、そういうところもあるのだと思いますが。)

引用してご紹介したいところは山ほどあるのですが、あとがきから少し長めに引用させて頂きます。
この引用部分に共感される方にはとにかくオススメできる1冊だと思います。(以下青字部分引用)

 人間は、「遺伝」、「環境」、「偶然」、「意志」の産物である。人は「遺伝」によって与えられた資質を磨き高める過程のなかで、人間が本来持っている美しい資質を高めていくために生まれてきたと私は信じている。
 美しい資質とは、「思いやりの心」であり、「誠実な心」であり、「感謝の心」であり、「素直な心」である。現在の教育は、この部分をまったく異にする。「遺伝」によって与えられた資質が一人ひとりまったく異なるにもかかわらず、一つのものさしで全員を測ろうとしているのが現在の教育である。
 走るのが苦手な子供に、無理やり競争させておいて順位をつけるのが教育だろうか。絵が苦手な子供が一生懸命描いた絵に他の子と比べて点数をつけることが教育だろうか。算数が苦手な子供に、算数を学ぶ目的さえも教えず、できなかったら0点をつけ、落ちこぼれのレッテルを貼ることが本当に教育なのだろうか。
 人間は持って生まれたものが違うのである。この前提に立たなければ、本当の教育のあるべき姿は見えてこない。それぞれの違った素質を、それぞれに磨いてあげることこそ大切なのである。

 点数をつけて、競わせることでやる気を起こさせるという最も原始的な人心掌握の手段を用いているのがいまの教育である。(中略)

 受験のための知識を丸暗記するより、もっと大事な教育がある。学ぶことで、将来どんな職業につながり、それが社会にどのように貢献するのか、その目的を教えることこそ教育である。そして、そのなかで大切なことは、「比較をしない」ということである。本来持って生まれたものが違う人同士を比較することは不平等極まりない。比較していいのは、その本人の昨日と今日だけである。
 基礎的な教育は必要だが、中学生になったら、子供たちには好きなこと、得意なことをドンドンやらせたらいい。そしてその延長線上に、自分の将来のあるべき姿を見据えさせる。そうすれば好きなことがその子の将来の仕事になる。夢に向かっている途中で、ドンドンそのことに詳しくなり、方向性が変わっていくなら、カリキュラムを変えればいい。
 人は誰でも好きなことには力を発揮する。誰が言わなくても勝手に努力する。そうして好きなことを徹底してやるとき、必ず壁にぶつかる。より高い山に登ろうとするからである。そのための苦労のほうが、嫌いなことを無理にでもしようとするよりはるかに幸せだ。
 好きなことこそ、ハードワーク、ハードシンキングができる。がんばれば、がんばるほど「遺伝」によって与えられた資質が高まり、人間性の向上につながる。
 なぜ人は生まれてきたのか、なんのために学び、なんのために働くのかを教える教育。人として美しい生き方とはどんな生き方かを教える教育。イメージの力の大切さを教える教育。生命の偉大さを教える教育。自分自身の存在価値を教える教育。人に思いやりをもって生きることの大切さを教える教育。人類が何百年かかって築いてきた叡智を教える教育。世間的評価ではなく、自分だけの道を見つけるための教育。規則で縛らない教育。それが私たちの目指す教育である。
 このような教育が完成したなら、いかに社会が変化しようとも、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、自発的に行動し、自らを律しつつ人と共に協調し、人を思いやる心を持ち、感動する心を忘れない人間に育つはずだ。
 日本中の子供たちがそんな人間に育ったら、日本は素晴らしい国になるだろう。世界中の子供たちがそんな人間に育ったら、世界には戦争も貧困もなくなるだろう。それが、教育の果たす役割であり、人間の目指す社会である。(後略)

この部分だけの引用では、お伝えし切れないところも沢山ありますし、好きなことだけをしていては生きていけないとか、比較しないから絶対評価を導入したんだなんていう意見なども様々に出てきそうなのですが、渡邉社長が思い描いておられるのはもっともっと大きな、そして、とても大切なことなのだと思います。

例えば、好きなことを「させる」のではなく、好きなことを「とことん極めさせる」というレベルのことを言っておられるのだと思いますし、そこまで打ち込める何かがある子どもには間違いなくその方が「幸せな人生」を歩んでいけるように、私は思います。

是非皆さんに読んでみて頂きたいと思う熱い、素敵な本です。

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コメント

あいさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
読まれましたか?いいでしょう?ね、ホントいいでしょ?(笑)

もう随分前、テレビの対談番組みたいなので渡邉社長を知ってから
完全に惚れています。(笑)
この方ならホントに学校を、教育を、日本を変えられるかも知れない。
そんなことを思います。

あいさんは塾をされてるんですね。
私の教室も小さな小さな教室ですが、これからもどうぞよろしく。

投稿: TOH | 2006年7月30日 (日) 19時06分

ありがとう!
わくわくさせられる素敵な本ですね。
渡邉さんの思いに触れられてよかったなあと思います。
私も、この社長の下で働きたいって思ってしまいました。(笑)

うちは、小さな小さな塾ですが
みなさんと同じように大きな夢を実現できるようがんばります。

投稿: あい | 2006年7月30日 (日) 18時37分

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