« 「新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時」 渡邉美樹著 | トップページ | 「ホスピタリティが日本の教育を変える」 馬場信治著 »

2006年6月 5日 (月)

「『叱らない』しつけ」 親野智可等著

教育関係のメルマガではとても有名な「親力」の親野先生の新しい著書のご紹介です。

「『叱らない』しつけ 子どもがグングン成長する親になる本 

親野智可等著 PHP研究所

評価 ★★★★

以前、親野先生の最初の著書「『親力』できまる!」をご紹介しましたが、その後何冊かの著書を出され、こちらは多分著者が教師を辞められてから出された最初の著書になるのだと思います。

執筆活動や講演活動と教師の仕事をどちらも続けることが難しくなったということで退職されたようですが、正直なところ個人的には少し残念です。現場の先生だからこそ、直接子ども達に接しているからこそ、語れることがあると思うからです。

もちろん、当分はこれまでのご経験で語れることが沢山おありだろうと思いますし、自分より遥かに経験も知識もおありの方に失礼かもしれませんが、やはり私としては現場で子ども達に接し続けて頂きたかったなと思います。(もちろん、またいつか復帰されるかもしれませんが。)

著書の内容は、育児本や親野先生のメルマガなどをあまり読まれたことのない方には大いに参考になることが書かれていると思いますし、書かれていることに対しては基本的に納得できること、共感できることが多いです。
ただ、新鮮さという意味では、私がこれまでに色々読んできた本と共通していることが多いので、色々育児本を読んでおられる方は書店でさらっと目を通されるという感じでいいかもと思います。

行間たっぷり、1ページあたりの文字数がかなり少なめですので、本を読むのが苦手な方やお忙しい方で育児本を読みたいという方にはオススメできそうですが、さらっと読めてしまうという意味で色々読まれている方には物足りないかもしれません。

第1章では『「叱る親」をやめよう』と題して、色々な子ども達の例をあげ、ご自分のご経験を紹介しつつ、感情的に叱るのは子どもにとって決してよいことはないということ、叱らないためにどうすればいいかということを述べておられます。

この章で一番印象に残ったのは「子どもの短所に目をつぶり、長所を伸ばす決意をすること」というところで、子どもが苦手なこと、なかなかできないことを無理にやいやい言ってやらせるのではなく、まずはその子のもつよいところを最大限に伸ばしてやるようにすると、自信がついて苦手だったことにも挑戦しようと思えるようになったりする。仮にならなくても、得意なことを伸ばしていけば子どもの心は安定するが、苦手なことをやらせ続けると、自信を失い、いいところまでしぼんでいくというようなことが書かれていますが、それは確かにそんな気がするなと思いました。

第2章では「しつけで大事な五つのこと」と題し、タイトル通り、大切なことを大きく5つ挙げ、説明しておられます。その5つ目は「五 親が楽になれば、子どもは幸せになる」となっているのですが、子育ての際、親がストレスを溜め込まないようにすることが「最優先課題の一つ」と述べておられます。それは私も同感です。以前別のブログにも書きましたが、お母さんの心が安定し、いつもニコニコ笑っていれば、それだけでも子どもはいい子に育つのではないかと思うほどです。

そして、第3章は「いい話が、子どもの心を成長させる」と題され、友達に優しくしようとか、いじめを見たら助けてあげようとか、明るいあいさつをしようとか、そういうことを子どもに話す際の例を細かく色々挙げておられます。

が、個人的にはこの章は好きではありません。確かにここで挙げられている内容は子どもに教えたいこと、心がけさせたいこと、人として大切なことなので、それを親が子どもに話して聞かせるのは大切だと思いますし、そのことは否定する気は全くありません。

ただ、この章の初めにこんな風に書かれているのが気になるのです。(以下青字部分引用)

ここにある話をそのまま使ってもいいと思います。
少しアレンジして話してみてもいいと思います。
あなたが、自分の体験を元にして話してやれば、それが一番いいと思います。

なんだか違和感を感じます。
親が子どもに大切なことを教えるのに、本に載っている言葉を「そのまま使ってもいい」、「少しアレンジしてもいい」というのはどうなのでしょう?
「自分の体験を元にして」話すのが「一番いい」のではなく、自分の体験を語る以外、子どもの心に響かないような気がするのですが、そんなことはないのでしょうか?

仮に、ここに書かれている言葉に気持ちを込める練習をして、女優ばりに熱く語って聞かせて子どもがそれを感心して聞いたとしたら、なんだかおかしな気持ちにならないでしょうか?
子どもに守らせたいこと、人として絶対に守るべきことは、人の言葉、借り物の言葉ではダメだと私は思うのですが。。。

第3章が終章のため、なんだかちょっと気持ちが冷めてしまった感じがありますが、実際にお子さんがおられる方なら、そこに挙がっている例を見ながら、ご自分の経験を思い出すとかいうこともあるのかもしれませんので、読んでみられてもいいのかもしれませんね。

私としては1、2章はすんなり。3章は内容は納得できるけど。。。といった感じの1冊でした。

|

« 「新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時」 渡邉美樹著 | トップページ | 「ホスピタリティが日本の教育を変える」 馬場信治著 »

コメント

ころころさんこんばんは。
そうなんですよ、この3月で退職されたみたいですよ。
私は残念です。

投稿: TOH | 2006年6月 6日 (火) 21時53分

退職されたんですか・・・そうでしたか・・・。
教えて頂いてありがとうございました。

投稿: ころころ | 2006年6月 6日 (火) 09時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/96750/10397352

この記事へのトラックバック一覧です: 「『叱らない』しつけ」 親野智可等著:

« 「新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時」 渡邉美樹著 | トップページ | 「ホスピタリティが日本の教育を変える」 馬場信治著 »