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2006年6月 1日 (木)

「新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時」 渡邉美樹著

面識も何もありませんが、大好きで心から素晴らしいと思う方です。

新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時 

渡邉美樹著 ソフトバンクビジネス

評価 ★★★★★

以前深夜の「R-30」という番組で渡邉社長がイノッチと国分くんと対談(?)しているのを見て、惚れっぽい(?)私は社長の大ファンになってしまい、その番組を見た後考えたことは、全くの素人でなんの知識もないけど、この人の会社の株なら買いたいということでした。(笑)
本気で買おうかと思ったのですが、それまでに証券会社に縁などもったこともなく、その最初の一歩が踏み出せないまま今に至っているのですが、投資とかいうより、この方のやることを何らかの形で応援できないだろうかと思ったのです。それほどに強い印象を残す方でした。

で、その後早速社長のこの本を注文したのですが、教育関係の本を先に読まなくてはという感じで、随分長らく「積読」になっていました。

しかし!!この本はある意味で「最高の教育書・最高の育児書」なのではないかと思います。
多分社長は自分のお考えをただそのまま述べておられるのだと思いますし、実際にやっておられることを紹介しておられるに過ぎないのだと思いますが、それでも読みながら何度も何度も目頭が熱くなり、電車の中で読むのは非常に危険でした。(苦笑)

渡邉社長はとても有名なのでご存知の方も多いと思いますが、「和民」を初めとする飲食チェーン店の社長であり、現在はそのほかにも環境・農業・医療・介護などの分野にも活動の場を広げておられます。

しかし、幼少の頃から色々なご苦労をされ、努力を重ねて今の姿を作ってこられた方なのだと思います。というのも、10歳のときお母さまを亡くされ、その半年後にお父さまが事業を清算され生活は一変したと。会社を清算された後、お父さまの姿を見て、悔しくて、「将来社長になる」と決めたそうです。

ただ、社長が素晴らしいと思うのは、どんなことも常に「人」を何より大切に考えておられるということ。
そんなエピソードが当然のように著書の中で紹介されているのですが、社長としてのスタートになった飲食店は、もともと赤字すれすれだったある居酒屋チェーン店のひとつを譲り受けたものだったそうです。チェーン店のため、看板やメニュー、内装なにひとつ変わっておらず、「変わったのは、人だけ」と書いておられるのですが、スタッフ全員が「店はお客さまのためだけにある」ということを常に考え、行動に移した結果、経営を譲り受けてたった半年で売り上げは2倍、利益は10倍になったそうです。

そして、次に農業に進出したことに関しても書いておられるのですが、そのきっかけも「お客様に、安全な食材を使った料理をお出ししたい」という思いなのだそうです。
安心で安全な有機野菜を最終的には慣行野菜と変わらない価格で流通させられるようにしたいというようなことも書いておられます。

また、環境事業への進出のきっかけは地球温暖化などによる「環境難民」などの問題を取り上げ、先進国の燃やし続ける化石燃料などのせいで国が海に沈んでしまう方たちに思いを巡らせておられ、環境を守るために自分達ができることは何かということで、リサイクル事業を手がけることにされたようです。

それだけにとどまらず、経営する飲食店舗ではアルバイトを含めて全てにゴミの分別をさせ、無駄な電気は消させるということを徹底しているのだそうです。それは結局は経費削減にもつながる面もあるかもしれませんが、リサイクルすることによって増える経費もあるし、分別させることで増える手間に対する人件費の問題だってあるのです。けれど、社長は述べておられます。

 分別は、続けていれば、それが習慣になります。歯磨きや洗顔と一緒で、やらないと気持ちが悪くなります。分別やムダな電気を消す動作を「しない」ことを「いけないこと」と感じるようになります。

 そのアルバイトたちによる環境意識の高まりが、社会を変えることにつながるのです。

 ワタミには、1万2000人のアルバイトがいます。平均在籍期間は6カ月ですから、年間で2万4000人です。1世帯当たりの平均人数は2人強。彼らが自分の家庭で家族を巻き込んでゴミの分別や節電・節水を心がけるようになれば、約5万人が環境に配慮した生活をするようになります。
 しかもアルバイトのほとんどが大学生や専門学校生。彼らは社会に巣立ってからも環境を意識した生活態度をとるようになります。就職した場合、そのうち何割かは、職場で分別をしようと働きかけるはずです。「電気をこまめに消そう」というはずです。その動きに影響を受け、分別を始める人が出るはずです。
 そのアルバイトたちも、いずれ家庭を持つでしょう。その子供に、地球環境を守ることの大切さ、行動することの大切さを伝えてくれるはずです。

こんなことまで考えてリサイクルをし、分別をし、節電・節水をしている経営者は他におられるでしょうか。この方こそ真の教育者なのではないかと、私は思っています。上述のようなことがこの本のあちこちに当たり前のように出てくるため、そのたび私は涙がこみ上げてきて大変でした。(今も打ちながらまた泣きそうになりました。(苦笑))

この後、「『教育』への挑戦」「『医療・介護』への挑戦」と続くのですが、社長の人への思いが溢れています。素晴らしいです。

「おわりに」として書かれている文章にも素晴らしいことが書かれています。

「夢に日付をいれよう」

これはワタミグループの合言葉だそうですが、もともと社長はどんな夢にも日付を入れてこられたそうです。それでも、社長にも「日付の入っていない夢」があるのだそうです。

その夢というのは

「地球上のみんなが勉強するたったひとつの教科書をつくりたい」

というものだそうです。どういうことかについて、こう書かれています。

 この地球上にはさまざまな主義、主張、宗教があります。
 私も随分多くの国々を周りましたが、その習慣、文化、常識の違いに唖然とすることが多々ありました。
 しかし、ひとつのことに気づいたのです。
 それは、この地球上で、
 ―親を大切にするな― と教える社会に出会ったことがありませんでした。
 ―友達に嘘をつけ― と教える宗教に出会ったことがありませんでした。
 ―地球を汚せ― と教える考え方に出会ったことがありませんでした。

 人は皆、本質は誠実で優しくて、思いやりがある素敵な存在なのです。
 それならば、それらのことをひとつの教科書にできないだろうか。
(中略)
 もし、そんなことが本当にできたら、戦争のない22世紀になると思うのです。
 地球上に住む皆が地球を大切にしようとする22世紀になると思うのです。
 自分のことのように、隣の国の人を大切にする心をそれぞれの人が持てたら、優しい22世紀になると思うのです。

 あたたかな、やわらかな風が吹く地球になると思うのです。

これは教育書以外の何物でもないと思いませんか?
是非皆さんも読んでみてください。学校経営に関して書かれているところも、本当に胸が熱くなります。
もっと若い頃、自分で教室を始めるより前に社長の存在を知っていたら、もしかすると私の人生の選択は変わっていたかもしれないと思うほど、素晴らしいと思える方です。

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コメント

<栗>ネタのスミス先生お久しぶりです。
書いておりましたって、過去形になってしまったんですか??
あれれ??

渡邉社長はホントに憧れの方です。近くにいたら間違いなく
惚れていると思います。近くにいなくてよかったってことか?(苦笑)

また色々教えてくださいね。焼肉の食べ方とか。(違)

投稿: TOH | 2006年6月 6日 (火) 21時57分

ご無沙汰しております。
スミスの虎視眈々・・・を書いておりましたものです。

私もこの社長が大好きで、話を伺いたいという理由だけで
中途採用の説明会に参加したことがあります。

もちろん、入社の意思はなかったのですが・・・

そんな社長の記事だったので、コメントしてしまいました。

こんな社長になりたいと思いますね。

投稿: マッキー・スミス | 2006年6月 6日 (火) 21時15分

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