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2006年6月15日 (木)

「10代の子どもが育つ魔法の言葉」

随分以前から書店で何度も目にしてはいたのですが、「10代の」となっていたので、とりあえず私は幼児のことを先に知りたかったこともあって、長らく手に取ることはありませんでした。

「10代の子どもが育つ魔法の言葉」 

ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス著 PHP文庫

評価 ★★★★

「はじめに」にも書かれていますが、本書は同著者の前著「子どもが育つ魔法の言葉」で書かれた子育てのヒントを10代の子どもに応用したものだそうです。(単行本でも出ていますが、私はお手頃な文庫本で購入しました。)
ですので、前著を読まれた方は内容的に共通するところも多いと思います。

また、著者が外国の方であるため、エピソードその他が若干私たちには馴染みのないものであったりという面もあるように思います。例えば、もちろん日本でも他人事とは言えなくなってきている面は色々あると思いますが、タバコ、アルコール、ドラッグなどについてのエピソードは私にとってはやはりあまり現実味の感じられないものでした。

ですが、ベストセラーになっているわけですから、もちろん色々参考になるところはあります。(というか全般にいいことが書かれているのは間違いないと思います。)
それぞれの章のタイトルだけを挙げても、やはりとても大切なことを言っておられるなということは感じられるのではないでしょうか。以下、いくつかご紹介します。

厳しいルールを押しつければ、
子どもはルールを破る方法を探す

好き勝手させると、
子どもは人の気持ちに鈍感になる

ひとりの人間として大切にされれば、
子どもは思いやりのある人間になる

大らかな家庭で育てば、
子どもは考える力をはぐくむ

親が身体にいい習慣をもっていれば、
子どもも自分の身体を大切にする

愛してあげれば、
子どもは人を愛することを学ぶ

子どもを信じて見守れば、
子どもはよりよい世界を目指して歩いてゆける

個人的には特に最後の2つの章が好きです。
というのも、国民性とかもあるのだと思いますが、日本人が書かれた育児書などで愛や恋、将来のパートナーを選ぶ目の育て方などを書いているものはこれまであまり読んだことがありません。(もちろん、私が読んでいない中にはそういうものもあるのかもしれませんが。)ですが、幸せな人生を歩んでいく上で、とても大切なことだと思いますし、著書の中で紹介されていたあるエピソードのお母さんの言葉も印象に残りました。

10代のお子さんを持つ親は色々な心配をしなくてはならず、そのひとつの例として以下のようなことが書かれています。

「高校を卒業するまで処女(童貞)でいなさい」と言うだけでは通じません。今の風潮では、「はい」と返事をしておいて、複数の相手をセックスをしている子どもは男女問わず結構いるのです。
(中略)
「誘惑に負けそうになるのはわかる。でもあなたの年でセックスはまだ早い」という親御さんもいれば、「とにかく避妊について話しあいましょう」というご家庭もあるでしょう。
「心の準備ができていないこと、次の日に後悔しそうなことはしないでね」
 お母さんのこの言葉は、10代を通じてずっとジュディを支えました。(中略)
 お母さんは「自分を大切にしなさい」と教えていたのです。(後略)

私が古いのかもしれませんが、日本人で私と同年代以上の方は恐らく、こういうことを面と向かってお子さんとお話することに躊躇いを感じる方も少なくないでしょう。実際、引用でありながらもこの部分をブログ上に出していいのかさえ少し躊躇いましたので。。。
ですが、もちろん普段から親子の関係がいい状態であってこそとは思いますが、ジュディのお母さんの言葉は直接的でも具体的でもないにも関わらず、むしろそうでないからこそ心に響くのではないかなという気もしましたし、この表現ならストレートにいうのが躊躇われる親御さんでも口にできるのではと思ったりしました。

また、終章は、お子さんがおられる方はもちろんですが、子どもに関わる大人には一読してもらえたらなぁと思うことが書かれているように感じました。

10代のお子さんをお持ちで、前著をお読みでない方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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