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2006年6月29日 (木)

「あした笑顔になあれ」 水谷修著

夜回り先生の最新の著書のご紹介です。

「あした笑顔になあれ」 水谷修著 日本評論社

評価 ★★★★

夜回り先生の著書は過去3冊購入し、先生のご活動自体も心から素晴らしいと思っていますが、その後はしばらく新しく出た著書は購入していませんでした。(どうしても内容が似通っている気がしていましたので。)

ですが、先日書店でこの本を目にし、表紙のタイトル脇に「夜回り先生の子育て論」と書かれていたため、これまでとは少し違うのかなと読んでみることにしました。

結果、書いている方が同じですし、先生が訴えておられることは常に一貫しておられるということもあり、やはり根っこの部分は同じことで、何かとりわけ目新しいことが書かれていたということはありませんでした。

ですので、評価を星4つにさせて頂きはしましたが、内容自体はもちろん素晴らしく、慈愛に満ちたものです。

余談ですが、この本を読んで一番驚いたのは、先生が学生結婚されていて、お子さんもいらっしゃるということ。最初の著書やテレビでの先生のご活動などを見れば、とてもご家族がおられるとは思ってもみませんでした。それがちょっと意外でしたが、なぜかちょっと安心もしました。ご無理を重ねておられるのは間違いありませんから、ご家族がいてくださってよかったなと。

さて、話を戻しますが、著書の「はじめに」と後半に二度同じことが書かれているのですが、子育てに悩んでおられる親御さんには救われる言葉なのではないかと思ったのがこの言葉です。(以下青字部分引用)

 また、いま苦しんでいるのは、子どもたちだけではないこともわかりました。数限りない親たちから、子どもの非行、薬物乱用、リストカット、引きこもりなど、さまざまな相談が私のもとに届きました。こころ優しい親ほど、子どもの問題を一人で抱え込み、だれにも頼ることができず、自分を責め、暗い夜の部屋で苦しんでいます。多くの親たちが、いや日本のほとんどの親たちが、いま子どもたちを見失っています。親は、子育ての素人です。一人目の子ではじめて子育てに挑戦し、二人目でもたかだか二度目です。しかし、親たちは子どもをもつと、すべて自分できちんとしなくてはならないと抱え込み、子育てに失敗すると、自分を責めています。この本は、そんな悩み苦しむ親たちへの、そして、いま子育て真っ最中の親たちへの、さらに、これから親になる人たちへの、私からの子育て論でもあります。(以下略)

「親は子育ての素人」。そう言ってもらったら、気持ちが楽になる方もたくさんおられるのではないかなと思いました。また、素人だからこそ、何でも自分でやらなくてはと思うのではなく、色々な人に教えを乞い、手を貸してもらいながら、子どもと共に成長すればいいのではないかと思わせてくれます。

この本では先生の若い頃のお話なども紹介されていたりして、海外を放浪していたときのご経験や、若くしてご結婚され、女子高生にそれがわかって泣かれた話など、ちょっとホッとするような話題も登場します。

また、深刻な問題を取り上げていても、常に先生の視点は優しく、愛情に溢れているので、読んでいて心に響きます。

今回も何度か思わず涙してしまったのですが、著書の最後のほうで紹介されているエピソードもとても心あたたまる素敵なお話でした。(以下青字部分引用)

 七年ほど前になりますが、神奈川県藤沢市のある中学校で講演をしました。三年生の三クラスに薬物予防について私が話をしたのですが、二月中旬で卒業式まであと一ヵ月というころです。
 私が話し終わったとき、ある一人の少年が「先生、質問があります」と手を上げました。「どうぞ」と私がいうと、「先生、僕たちに悪や薬物の魔の手が来ないようにするには、どうしたらいいですか」と聞かれたのです。
「いい質問だね。笑顔だよ。笑顔があふれる家庭、笑顔があふれる学校、笑顔があふれる地域に、悪や薬物の魔の手なんて来ないさ」と私がいったら、「先生、どうしたら笑顔になりますか」と少年がいうので、「あいさつと声掛けをやってごらん。あいさつはわかるよね。こんにちは、おはよう、さようならといえばいい。声掛けってわかるかい。たとえば友だちが暗い声を出していたら、ぽんって肩をたたいて『おい、俺がついてるぞ』といえばいい。朝、先生が暗い顔をして歩いてたら、ぽんって肩をたたいて『先生、飲みすぎて二日酔い』って聞いてごらん。お年寄りが重いごみとか荷物をもっていたら、これは声掛けだけじゃだめだ。『おばあちゃん、もってあげるよ。運んであげるよ』といって荷物を運んでごらん」と私は答えて、講演を終えました。
 この三年生たちは、こころがとても優秀でした。自分たちの後輩に明るい学校を残そうと話し合ったそうです。そして、卒業式までの一ヵ月で「あいさつ、声掛けクラス対抗コンクール」をはじめたのです。

その後に続くお話がまたとても心に響くものです。引用するとかなり長くなってしまいますのでここまでにしますが、書店での立ち読みでもいいので是非読んでみてください。

水谷先生は子どもを救うのは実はとても簡単だとおっしゃいます。けれど、確かにそうなのかもしれません。
誰かが笑顔を向けてくれた、誰かが優しく声をかけてくれた、それだけでも、子ども達を救えることは確かにあると思います。

明るい笑い声があふれる場所には、暗く汚れたものは近寄れないはずです。
まずは大人たちが笑いましょう。そして、その笑顔を子ども達に向けていきましょう。それだけでもきっと社会は変わっていくような気がします。

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2006年6月26日 (月)

「入学までに教えること 教えなくてよいこと」 清水驍著

これはいい本でした。個人的にかなり好きですね。
幼児をお持ちのお父さん、お母さんには是非読んでみて頂きたい1冊です。

「入学までに教えること 教えなくてよいこと」 

清水驍著 PHP文庫

評価 ★★★★☆

書店の店頭でたまたま目に留まり、気になるタイトルだったことと表紙も可愛らしかったこともあり、文庫だしと気軽に購入してみました。

著者のことは存じ上げなかったのですが、著者紹介を見たところ「ギルフォードSI教育協会会長」と書かれていて、ちょっと驚きました。
というのも、教室を始めて間もない頃、ギルフォードの教室に通っておられるという方からの問合せがあり、初めて聞いたお名前だったのでちょっと調べてみたのです。
素晴らしい教育が受けられるのであろうことはわかったのですが、かかる費用を見て衝撃を受けた小市民な私。その教育の協会会長の方が書かれたのかぁと、読む前には少し構えてしまいました。

しかし、内容はとても参考になることが多く、いい本だったと思います。(いえ、その教室も「英才を育てる」教室だそうですから、素晴らしい指導が受けられるのだと思います。ただ費用もびっくりなだけで。。。)

第1章は、「まちがいだらけの教育風景」と題されて、幼児の置かれている環境について、気になる点を具体的に挙げて説明しておられます。

興味深かったのは「おもちゃがあり過ぎて落ち着きのない子に」や「『手の掛からない子ども」が実は大いに心配」、「”無感動・無表情・無気力”な赤ちゃんが増えている理由」などです。
更にこんなことも書かれているのですが、このことは子育てをする方には大いに意識して頂きたいと思いました。

「楽しい子育て」が頭のよい子・性格のよい子をつくる基礎
「子育ては楽しい」と感じている母親と「子育ては煩わしい」と感じている母親とを比較してみますと、残念ながらその数は、前者より後者の方が多いといわれています。これを逆転させたいのです。そのわけは、このことが「頭のよい子、性格のよい子」の基礎であると考えるからです。
乳幼児にとって、お父さんやお母さんの愛情がなによりも大切なのです。

また、妊婦の飲酒・喫煙が胎児に及ぼす影響についても書かれていますが、なんとなくは知っていたものの、改めて怖くなりました。我が母がお酒もタバコもダメな人でよかったとしみじみ思いました。

第2章は「小学校入学までに教えること」と題され、具体的にどんなことを教えればいいかが細かく紹介されています。ただ、この本がいいなと思うのは、あくまでも「愛情」が大事で、子どもの発達に応じてどんな接し方をしてやればいいのか、親はどんな態度を心がければいいのかなどを中心に書かれており、いわゆる知識の先取りや反復、詰め込みなどは次章で否定しておられることです。

この章の5項では「入学までに教えること九〇カ条」として、運動、生活習慣、自主性・社会性、自然、数と形、言葉、概念、手技、音楽や絵画についての9項目それぞれ10個ずつ具体的な例が挙げられています。
私が読んだ限りではそう大変なことではない上、本当に大切だと思うことが多く、大いに参考になるのではないかと思います。

また、第3章では反対に「小学校入学までに教えなくてよいこと」と題し、知識の詰め込みや「『判った?覚えた?』だけの学習」の問題点などを挙げ、更に具体的にこちらも「教えなくてよいこと(教えるべきではないことも含む)」を九〇カ条として挙げておられます。

この章で書かれていることはピグマリオンの伊藤先生のおっしゃることとも重なることが多く、「知識を入れる前に、知識の『容れもの』を頑丈にする」であるとか、「数の概念が不十分だと、計算能力も身につかない」、「誤りは、教えるのではなく子ども自身に発見させる」などなどの思わず大いに頷いてしまいます。

第4章では「幼児の脳を活性化する」と題され、「頭をよくする」生活習慣や食べ物・食べ方、手指の運動、体の運動、「読む・書く・作る」などがまた詳しく紹介されています。こちらも読んで納得ということが多く、お勧めです。

終章の第5章は「遊びながら知能ののばす」と題し、具体的に色々な遊びが紹介されています。昔懐かしい遊びも多く、こういうのを読むにつけ、昔の子ども達が賢かった理由も頷けるなぁと思います。
マッチ棒遊びやなぞなぞ、絵かき歌など、手軽にやれるものがたくさん紹介されていますので、参考になると思います。

もともとは1993年に単行本として出版されたものを一部手直しし、改題して出版されたものだそうですが、文庫本でここまで最初から最後までうんうんと頷きながら読めるものもそうないのではないかと思います。
小さいお子さんをお持ちの方、これからお子さんが生まれる方などには是非一度読んでみて頂きたい1冊です。

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2006年6月22日 (木)

「競争しなくても世界一―フィンランドの教育」 福田誠治著

これはちょっと「ネット書店」にやられた感じの1冊です。。。

「競争しなくても世界一―フィンランドの教育 

福田誠治著 国民教育文化総合研究所

評価 ★★★☆

以前から書店の教育関連書籍のコーナーなどで「フィンランド」という名前を目にすることがあり、気になっていました。
あるとき書店で見つけた本を1冊購入しようかと思ったのですが、丁度そのとき書店の店頭になくてネットで注文しようと思ったものがあったため、一緒にネット注文にしようと購入しませんでした。

で、ネット検索したところ、手頃な価格でフィンランドの教育のことが書かれているらしき本を発見。とりあえずどんな国でどんな教育がなされているのかが知りたかったので、まずこれでいいかなと注文したのがこちらでした。

もちろん。。。ちゃんと確認しなかった私がいけないのですが、届いたとき、ちょっと騙された気分になりました。(苦笑)
手頃とはいえ文庫本と同等の価格でしたので、それから考えると完全に予想外の本が届いたのです。

この本は正しくは「小冊子」です。A5版(見開きでA4版)で63ページしかないのです。1ページあたり10円弱。かなり高価な1冊です。(苦笑)

まあ、ただ、価格とページ数に驚きはしたものの、内容自体はしっかりしたものだと思います。
実際に著者がフィンランドを訪れ、色々な取材をし、データを集め、それをこの小冊子にまとめて紹介しておられます。

書かれている内容は興味深いものが多いのですが、中でも、フィンランドでは教育が全て無償で、高校までは給食費も無償。必要な文房具類も支給されるということや、教師の質をとても重視していて、その確保のため国として教師の待遇をよくしているということに感心しました。
また、「教師」は社会的信頼も厚く、人気の職業でもあるそうです。そうであれば、子ども達が「理想の教育」を受けられるチャンスも当然増えるだろうと思いました。

また、学校での教育は国が地方自治体にほとんどの権限を委譲し、国としては「最終学年時点の到達目標を大まかに示した『国家カリキュラム大綱』を指定するだけ」にしたとも書かれています。
その分、それぞれの地方自治体、学校、最終的には個々の教師にかなりの自由な裁量が与えられているようです。

また、タイトルに「競争しなくても」とあるように、フィンランドでは小学1、2年は点数化された評価がなく、3年以上は7段階評価で年2回、いわゆる通知簿が出されるそうです。しかし、その評価は日常的に教師が学力を把握した上でつけるもので、序列をつけたり、他人と比較するためのテストはないとも書かれています。
そのスタンスは中学にあがってもほぼ変わらず、他者との比較のためのテストはないそうです。

更にすごいと思ったのは、教師に評価が委ねられているのであれば、手心を加える教師も出てくるのでは?という筆者の疑問に対し「だって、自分の付けた点がフィンランド中に出回ったとき、あの学校の誰の評価がおかしいということになる。あいつはこんなものかと思われたくないじゃないですか」という教師の弁。とも書かれています。素晴らしいプロ意識ですね。

また、ここも素晴らしいと思うのが、(青字部分引用)
日本だと、「まず知識」という教育観が支配している。フィンランドでは、「社会構成主義的な学習概念」という。(中略)
 そこで、学習とは、子どもや若者が「自分の人生に必要な知識を自ら求め、知識を構成していく」活動ととらえるべきだということになる。知識というものは、要するに、自ら学ぶ者が、探求して、自分なりに作り上げていけということだ。そして、教育はこの学習を支援する活動である。(後略)

と書かれていることです。

冊子の中には実際の教室の様子、授業風景、教科書などの写真も紹介されていますが、こんな環境で教育を受けられる子ども達は幸せだろうなぁと思いながら読みました。

もちろん、日本がこれを真似しようとしても難しいでしょうし、まあそうそう国が変わるとも思えませんが、見習うべきところは見習うという意識も大切なのではないかなと思いました。

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2006年6月19日 (月)

「ふしぎだね!?自閉症のおともだち」 内山登紀夫監修

以前ご紹介した「ふしぎだね!?自閉症のおともだち」のシリーズです。引き続き、LD(学習障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)についても発刊されたようです。いずれそちらも読んでみたいと思っています。

発達と障害を考える本〈2〉ふしぎだね!?アスペルガー症候群のおともだち」

内山登紀夫監修 ミネルヴァ書房

評価 ★★★★

1冊目が自閉症についてで、こちらは「高機能自閉症」についてですので、内容が重なることが結構多いように思います。
という意味で、そう安い本ではありませんから、どちらも揃えるのはちょっと躊躇うかもという気がします。(学校や図書館で揃えてくださる分には歓迎だと思いますが。)

子ども向けに書かれた絵本形式の本ですので、誰でも読みやすく、分かりやすい内容です。低学年のお子さんなどには大人が読み聞かせてあげなければ、意味がわからない言葉などもあると思いますが。中学年ぐらいからなら、本を読むのが苦手なお子さんでなければ、自分で読んで理解できるのではないかと思います。

前半は学校で起こりうる具体的な例を挙げつつ、そんな場合はどのように接したらいいのかが紹介されています。

後半ではアスペルガー症候群についての詳しい説明、その特徴などが書かれており、こちらは文章がメインではあるものの、全てにふりがなもふられており、挿絵も多いので子どもでも十分読んで理解できそうです。

高機能自閉症は、基本的に知的な遅れがない自閉症を指すため、本人や親などにも自覚がない場合もあるそうで、ということはクラスの中に、本人も周囲も気づかないうちにそういう子がいる可能性も決してあり得なくはないということだと言えるでしょう。

そういう意味でも、子ども自身がこの本を読んで「高機能自閉症」について正しい理解をすることは意味のあることではないかと思います。
もちろん、大人が読んでも十分役に立ちますので、この障害についての知識をお持ちでない方は機会があれば是非読んでみられてはいかがでしょう。

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2006年6月18日 (日)

覚書(2)

まただんだんと溜まってきたので、前回の覚書と合わせてちょっと整理を。
うわぁ。。。前回のリストアップから2ヶ月余りが過ぎているのに、リストからはちょっとしか減っていないことが判明。。。更に買ってしまっているので、なんだかすごいことになっている気がする。。。

現在読んでいる途中の書籍

「ふしぎだね!?アスペルガー症候群のおともだち」 内山登紀夫監修
「競争しなくても世界一―フィンランドの教育」 福田誠治著
「入学までに教えること 教えなくてよいこと」 清水驍

「間違いさがしパズル傑作選」 中村義作・阿邊恵一
「問題な日本語」 北原保雄
「きっと、よくなる!」 本田健(かなり前に読みかけたまま放置中)
「O歳からの教育 ニューズウイーク日本版」
「目からウロコの数学講座『中学関数編』」  城内貴夫
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」 斉藤茂太
「直感でわかる数学」 畑村洋太郎

現在教室にある未読書籍

「3歳からの「考える力」教育」  久野泰可
「合格力は「考える勉強」で伸びる!」 考える学習をすすめる会
「夢をかなえる勉強法」 伊藤真
「お母さんの工夫」 相良敦子
「赤ちゃんと脳科学」 小西行郎
「斉藤一人 人生が全部うまくいく話」
「世界で一番おもしろい地図帳」
「りんごは赤じゃない」 山本美芽
「それは子どもに考えさせなさい」 メーナー・シュアー

自宅にある未読書籍

「さあ、学校をはじめよう」
「あした笑顔になあれ」
「ガラクタ捨てれば自分が見える」
「ユダヤ人大富豪の教え〈2〉」
「経営者の教科書」
「松下幸之助「一日一話」」
「毒になる親」
「江原啓之への質問状」

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2006年6月15日 (木)

「10代の子どもが育つ魔法の言葉」

随分以前から書店で何度も目にしてはいたのですが、「10代の」となっていたので、とりあえず私は幼児のことを先に知りたかったこともあって、長らく手に取ることはありませんでした。

「10代の子どもが育つ魔法の言葉」 

ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス著 PHP文庫

評価 ★★★★

「はじめに」にも書かれていますが、本書は同著者の前著「子どもが育つ魔法の言葉」で書かれた子育てのヒントを10代の子どもに応用したものだそうです。(単行本でも出ていますが、私はお手頃な文庫本で購入しました。)
ですので、前著を読まれた方は内容的に共通するところも多いと思います。

また、著者が外国の方であるため、エピソードその他が若干私たちには馴染みのないものであったりという面もあるように思います。例えば、もちろん日本でも他人事とは言えなくなってきている面は色々あると思いますが、タバコ、アルコール、ドラッグなどについてのエピソードは私にとってはやはりあまり現実味の感じられないものでした。

ですが、ベストセラーになっているわけですから、もちろん色々参考になるところはあります。(というか全般にいいことが書かれているのは間違いないと思います。)
それぞれの章のタイトルだけを挙げても、やはりとても大切なことを言っておられるなということは感じられるのではないでしょうか。以下、いくつかご紹介します。

厳しいルールを押しつければ、
子どもはルールを破る方法を探す

好き勝手させると、
子どもは人の気持ちに鈍感になる

ひとりの人間として大切にされれば、
子どもは思いやりのある人間になる

大らかな家庭で育てば、
子どもは考える力をはぐくむ

親が身体にいい習慣をもっていれば、
子どもも自分の身体を大切にする

愛してあげれば、
子どもは人を愛することを学ぶ

子どもを信じて見守れば、
子どもはよりよい世界を目指して歩いてゆける

個人的には特に最後の2つの章が好きです。
というのも、国民性とかもあるのだと思いますが、日本人が書かれた育児書などで愛や恋、将来のパートナーを選ぶ目の育て方などを書いているものはこれまであまり読んだことがありません。(もちろん、私が読んでいない中にはそういうものもあるのかもしれませんが。)ですが、幸せな人生を歩んでいく上で、とても大切なことだと思いますし、著書の中で紹介されていたあるエピソードのお母さんの言葉も印象に残りました。

10代のお子さんを持つ親は色々な心配をしなくてはならず、そのひとつの例として以下のようなことが書かれています。

「高校を卒業するまで処女(童貞)でいなさい」と言うだけでは通じません。今の風潮では、「はい」と返事をしておいて、複数の相手をセックスをしている子どもは男女問わず結構いるのです。
(中略)
「誘惑に負けそうになるのはわかる。でもあなたの年でセックスはまだ早い」という親御さんもいれば、「とにかく避妊について話しあいましょう」というご家庭もあるでしょう。
「心の準備ができていないこと、次の日に後悔しそうなことはしないでね」
 お母さんのこの言葉は、10代を通じてずっとジュディを支えました。(中略)
 お母さんは「自分を大切にしなさい」と教えていたのです。(後略)

私が古いのかもしれませんが、日本人で私と同年代以上の方は恐らく、こういうことを面と向かってお子さんとお話することに躊躇いを感じる方も少なくないでしょう。実際、引用でありながらもこの部分をブログ上に出していいのかさえ少し躊躇いましたので。。。
ですが、もちろん普段から親子の関係がいい状態であってこそとは思いますが、ジュディのお母さんの言葉は直接的でも具体的でもないにも関わらず、むしろそうでないからこそ心に響くのではないかなという気もしましたし、この表現ならストレートにいうのが躊躇われる親御さんでも口にできるのではと思ったりしました。

また、終章は、お子さんがおられる方はもちろんですが、子どもに関わる大人には一読してもらえたらなぁと思うことが書かれているように感じました。

10代のお子さんをお持ちで、前著をお読みでない方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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2006年6月12日 (月)

「武士道」 新渡戸稲造著

「国家の品格」を読み、「武士道」にちょっと興味を持ったとき、書店で目に留まったので購入したのですが。。。

「武士道」 新渡戸稲造著 岬龍一郎翻訳 PHP文庫

評価 ★★☆ (あくまで私にとっての評価です。ご了承ください。)

この文章を今から100年以上も前に英語で書かれたという新渡戸稲造という人物には心から尊敬の念を抱きますし、「武士道」というものについて知りたい方には恐らく大変素晴らしい本なのだろうと思います。実際、アマゾンなどのレビューを見ると、概ね評価も高いです。

文章自体は訳者である岬氏が今の言葉に置き換えてくださっているところも多いのでしょう。基本的には普通に読むことができますし、昔の日本がいかに誇り高く、素晴らしい精神を持っていたかを知ることはできます。

ただ、私は「武士道」について詳しく知りたいというほどでもなかったため、武士道についての詳しい説明の部分は殆ど斜め読みになってしまいました。(義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義などについての細かい説明と海外との比較などがされています。)

もちろん、ところどころで感心したり、涙しそうになったりというエピソードはありましたが、まともに読んだのは終盤の第15章から第17章と訳者における解説の部分でした。

「武士道」とは「法律」ではないため、背いたからと言って罪に問われる性質のものではなく、「道徳規範」なのだというところを読みながら、「罰せられなければ何をしてもいい」だとか、「法に触れなければ人を傷つけてもいい」とかいう考え方と正反対に位置するようなものなのかもしれないなと感じました。また、「国家の品格」にも書かれていた通り、だからこそ今の日本人が思い出し、守っていくべきものなのだろうなとも感じました.

私は歴史に暗く、これまで興味を持ったこともなかったので、本当に恥ずかしいぐらい知らないのですが、この本の中で紹介されていた西郷隆盛の言葉は素晴らしいと感じました。

「政道を歩み、正義のためなら国家と共に倒れる精神がなければ、外国と満足できる交際は期待できない。その強大さを恐れ、和平を乞い、みじめにもその意に従うならば、ただちに外国の侮辱を招く。その結果、友好的な関係は終わりを告げ、最後には外国につかえることになる」

偉大な先人がこんな言葉を残してくれているのですが、今の日本の姿勢は果たして諸外国にどう映っているのでしょうか。。。

歴史に暗い私でさえ色々感じるところがあったので、歴史好きの方、難しい文章も平気な方にはお勧めなのかもしれません。

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2006年6月 8日 (木)

「ホスピタリティが日本の教育を変える」 馬場信治著

書店の店頭で、表紙の子どもの笑顔が可愛かったのと、タイトルが気になったのとで購入してみたのですが。

「ホスピタリティが日本の教育を変える 生徒も講師も生まれ変わる感動のエピソード 

馬場信治著 出版文化社

評価 ★★★☆

不勉強なので全く知らなかったのですが、著者の馬場氏は「東京個別指導学院」という東証一部上場の塾の経営者の方だそうです。
私は関西に住んでいるのでこの名前自体は目にしたことがありませんが、どうやら最寄の駅前にある「関西個別指導学院」は同じ系列の塾のようだなということはわかりました。

著者はタイトルの「ホスピタリティ」という言葉を「サービス」とは異なる「無償の心からのもてなし」という意味で使っているようですが、世の中の人みんなが相手を思いやり、相手のために何ができるかということを常に心がければ、「教育」が変わるだけでなく、社会全体が変わるだろうと思います。

また、著書で紹介されている数々のエピソードは、それぞれ素晴らしいものですし、それなりに感動もするのですが、本来涙もろい私の涙腺はこの本では殆ど緩むことはありませんでした。
その理由はなんだろうと考えたのですが、どうも「宣伝色」が見えてしまうような気がしたのです。

これは偏見かもしれませんが、著者の経営する塾は全国で約3万人の生徒を抱えており、講師の数も7千人ほどになるそうです。それだけの人間がいれば、ここに挙げられているようなエピソードはそれこそもっともっと数え切れないぐらいあったとしても何の不思議もありませんし、この中では不満に思っている子ども達の姿は全く紹介されることがなく、また、熱心ではない講師のことも書かれてはいないのです。

ここで紹介されているような講師ばかりであれば、そんな塾を作り上げられたことを心から尊敬しますし、そこで学べる子ども達は幸せだと思いますが、割合としてどの程度がこんなに素晴らしい講師なのかということは正直言って気になりました。

もちろん、それだけの規模に発展させられたのですから、間違いなく素晴らしい面がたくさんあるのだと思いますが、例えば、子どもの学習面で何か悩んでいることがある保護者の方がこれを読んで得られる情報は「うちの塾にきてください」というものでしかないような印象を受けてしまうのです。

というのも、結局突き詰めると全てのエピソードが室長や講師達が生徒達に対してどれだけ心から応援し、時間を割いたか、力を尽くしたかということなのです。やる気のない子のために時間外でも力をした講師がいる、手が届かないといわれた学校に子どもと共に諦めずに努力を続け合格させた講師がいる、学校の理不尽な対応に自ら校長に掛け合って子どもの希望を貫かせた室長がいる。。。そんなエピソードに終始しているため、では、家庭で何ができるのか、よその塾に通っている子はどうすればいいのか、そんなことへの答えは「熱心で誠心誠意子どものことを考えてくれる先生を探しなさい」ということしかないようです。(まあ、それには特に異論はありませんが。)

塾選びの際、「東京個別指導学院」がどんなシステムの塾なのかを知るには役に立つと思いますし、例えば個別指導塾でアルバイトをしている学生講師の方なども参考になることもあるのかなと思いますが、個人的にはわざわざ買わなくてもよかったかなぁと(内容が嫌いとか面白くないということではないのですが)感じました。

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2006年6月 5日 (月)

「『叱らない』しつけ」 親野智可等著

教育関係のメルマガではとても有名な「親力」の親野先生の新しい著書のご紹介です。

「『叱らない』しつけ 子どもがグングン成長する親になる本 

親野智可等著 PHP研究所

評価 ★★★★

以前、親野先生の最初の著書「『親力』できまる!」をご紹介しましたが、その後何冊かの著書を出され、こちらは多分著者が教師を辞められてから出された最初の著書になるのだと思います。

執筆活動や講演活動と教師の仕事をどちらも続けることが難しくなったということで退職されたようですが、正直なところ個人的には少し残念です。現場の先生だからこそ、直接子ども達に接しているからこそ、語れることがあると思うからです。

もちろん、当分はこれまでのご経験で語れることが沢山おありだろうと思いますし、自分より遥かに経験も知識もおありの方に失礼かもしれませんが、やはり私としては現場で子ども達に接し続けて頂きたかったなと思います。(もちろん、またいつか復帰されるかもしれませんが。)

著書の内容は、育児本や親野先生のメルマガなどをあまり読まれたことのない方には大いに参考になることが書かれていると思いますし、書かれていることに対しては基本的に納得できること、共感できることが多いです。
ただ、新鮮さという意味では、私がこれまでに色々読んできた本と共通していることが多いので、色々育児本を読んでおられる方は書店でさらっと目を通されるという感じでいいかもと思います。

行間たっぷり、1ページあたりの文字数がかなり少なめですので、本を読むのが苦手な方やお忙しい方で育児本を読みたいという方にはオススメできそうですが、さらっと読めてしまうという意味で色々読まれている方には物足りないかもしれません。

第1章では『「叱る親」をやめよう』と題して、色々な子ども達の例をあげ、ご自分のご経験を紹介しつつ、感情的に叱るのは子どもにとって決してよいことはないということ、叱らないためにどうすればいいかということを述べておられます。

この章で一番印象に残ったのは「子どもの短所に目をつぶり、長所を伸ばす決意をすること」というところで、子どもが苦手なこと、なかなかできないことを無理にやいやい言ってやらせるのではなく、まずはその子のもつよいところを最大限に伸ばしてやるようにすると、自信がついて苦手だったことにも挑戦しようと思えるようになったりする。仮にならなくても、得意なことを伸ばしていけば子どもの心は安定するが、苦手なことをやらせ続けると、自信を失い、いいところまでしぼんでいくというようなことが書かれていますが、それは確かにそんな気がするなと思いました。

第2章では「しつけで大事な五つのこと」と題し、タイトル通り、大切なことを大きく5つ挙げ、説明しておられます。その5つ目は「五 親が楽になれば、子どもは幸せになる」となっているのですが、子育ての際、親がストレスを溜め込まないようにすることが「最優先課題の一つ」と述べておられます。それは私も同感です。以前別のブログにも書きましたが、お母さんの心が安定し、いつもニコニコ笑っていれば、それだけでも子どもはいい子に育つのではないかと思うほどです。

そして、第3章は「いい話が、子どもの心を成長させる」と題され、友達に優しくしようとか、いじめを見たら助けてあげようとか、明るいあいさつをしようとか、そういうことを子どもに話す際の例を細かく色々挙げておられます。

が、個人的にはこの章は好きではありません。確かにここで挙げられている内容は子どもに教えたいこと、心がけさせたいこと、人として大切なことなので、それを親が子どもに話して聞かせるのは大切だと思いますし、そのことは否定する気は全くありません。

ただ、この章の初めにこんな風に書かれているのが気になるのです。(以下青字部分引用)

ここにある話をそのまま使ってもいいと思います。
少しアレンジして話してみてもいいと思います。
あなたが、自分の体験を元にして話してやれば、それが一番いいと思います。

なんだか違和感を感じます。
親が子どもに大切なことを教えるのに、本に載っている言葉を「そのまま使ってもいい」、「少しアレンジしてもいい」というのはどうなのでしょう?
「自分の体験を元にして」話すのが「一番いい」のではなく、自分の体験を語る以外、子どもの心に響かないような気がするのですが、そんなことはないのでしょうか?

仮に、ここに書かれている言葉に気持ちを込める練習をして、女優ばりに熱く語って聞かせて子どもがそれを感心して聞いたとしたら、なんだかおかしな気持ちにならないでしょうか?
子どもに守らせたいこと、人として絶対に守るべきことは、人の言葉、借り物の言葉ではダメだと私は思うのですが。。。

第3章が終章のため、なんだかちょっと気持ちが冷めてしまった感じがありますが、実際にお子さんがおられる方なら、そこに挙がっている例を見ながら、ご自分の経験を思い出すとかいうこともあるのかもしれませんので、読んでみられてもいいのかもしれませんね。

私としては1、2章はすんなり。3章は内容は納得できるけど。。。といった感じの1冊でした。

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2006年6月 1日 (木)

「新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時」 渡邉美樹著

面識も何もありませんが、大好きで心から素晴らしいと思う方です。

新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時 

渡邉美樹著 ソフトバンクビジネス

評価 ★★★★★

以前深夜の「R-30」という番組で渡邉社長がイノッチと国分くんと対談(?)しているのを見て、惚れっぽい(?)私は社長の大ファンになってしまい、その番組を見た後考えたことは、全くの素人でなんの知識もないけど、この人の会社の株なら買いたいということでした。(笑)
本気で買おうかと思ったのですが、それまでに証券会社に縁などもったこともなく、その最初の一歩が踏み出せないまま今に至っているのですが、投資とかいうより、この方のやることを何らかの形で応援できないだろうかと思ったのです。それほどに強い印象を残す方でした。

で、その後早速社長のこの本を注文したのですが、教育関係の本を先に読まなくてはという感じで、随分長らく「積読」になっていました。

しかし!!この本はある意味で「最高の教育書・最高の育児書」なのではないかと思います。
多分社長は自分のお考えをただそのまま述べておられるのだと思いますし、実際にやっておられることを紹介しておられるに過ぎないのだと思いますが、それでも読みながら何度も何度も目頭が熱くなり、電車の中で読むのは非常に危険でした。(苦笑)

渡邉社長はとても有名なのでご存知の方も多いと思いますが、「和民」を初めとする飲食チェーン店の社長であり、現在はそのほかにも環境・農業・医療・介護などの分野にも活動の場を広げておられます。

しかし、幼少の頃から色々なご苦労をされ、努力を重ねて今の姿を作ってこられた方なのだと思います。というのも、10歳のときお母さまを亡くされ、その半年後にお父さまが事業を清算され生活は一変したと。会社を清算された後、お父さまの姿を見て、悔しくて、「将来社長になる」と決めたそうです。

ただ、社長が素晴らしいと思うのは、どんなことも常に「人」を何より大切に考えておられるということ。
そんなエピソードが当然のように著書の中で紹介されているのですが、社長としてのスタートになった飲食店は、もともと赤字すれすれだったある居酒屋チェーン店のひとつを譲り受けたものだったそうです。チェーン店のため、看板やメニュー、内装なにひとつ変わっておらず、「変わったのは、人だけ」と書いておられるのですが、スタッフ全員が「店はお客さまのためだけにある」ということを常に考え、行動に移した結果、経営を譲り受けてたった半年で売り上げは2倍、利益は10倍になったそうです。

そして、次に農業に進出したことに関しても書いておられるのですが、そのきっかけも「お客様に、安全な食材を使った料理をお出ししたい」という思いなのだそうです。
安心で安全な有機野菜を最終的には慣行野菜と変わらない価格で流通させられるようにしたいというようなことも書いておられます。

また、環境事業への進出のきっかけは地球温暖化などによる「環境難民」などの問題を取り上げ、先進国の燃やし続ける化石燃料などのせいで国が海に沈んでしまう方たちに思いを巡らせておられ、環境を守るために自分達ができることは何かということで、リサイクル事業を手がけることにされたようです。

それだけにとどまらず、経営する飲食店舗ではアルバイトを含めて全てにゴミの分別をさせ、無駄な電気は消させるということを徹底しているのだそうです。それは結局は経費削減にもつながる面もあるかもしれませんが、リサイクルすることによって増える経費もあるし、分別させることで増える手間に対する人件費の問題だってあるのです。けれど、社長は述べておられます。

 分別は、続けていれば、それが習慣になります。歯磨きや洗顔と一緒で、やらないと気持ちが悪くなります。分別やムダな電気を消す動作を「しない」ことを「いけないこと」と感じるようになります。

 そのアルバイトたちによる環境意識の高まりが、社会を変えることにつながるのです。

 ワタミには、1万2000人のアルバイトがいます。平均在籍期間は6カ月ですから、年間で2万4000人です。1世帯当たりの平均人数は2人強。彼らが自分の家庭で家族を巻き込んでゴミの分別や節電・節水を心がけるようになれば、約5万人が環境に配慮した生活をするようになります。
 しかもアルバイトのほとんどが大学生や専門学校生。彼らは社会に巣立ってからも環境を意識した生活態度をとるようになります。就職した場合、そのうち何割かは、職場で分別をしようと働きかけるはずです。「電気をこまめに消そう」というはずです。その動きに影響を受け、分別を始める人が出るはずです。
 そのアルバイトたちも、いずれ家庭を持つでしょう。その子供に、地球環境を守ることの大切さ、行動することの大切さを伝えてくれるはずです。

こんなことまで考えてリサイクルをし、分別をし、節電・節水をしている経営者は他におられるでしょうか。この方こそ真の教育者なのではないかと、私は思っています。上述のようなことがこの本のあちこちに当たり前のように出てくるため、そのたび私は涙がこみ上げてきて大変でした。(今も打ちながらまた泣きそうになりました。(苦笑))

この後、「『教育』への挑戦」「『医療・介護』への挑戦」と続くのですが、社長の人への思いが溢れています。素晴らしいです。

「おわりに」として書かれている文章にも素晴らしいことが書かれています。

「夢に日付をいれよう」

これはワタミグループの合言葉だそうですが、もともと社長はどんな夢にも日付を入れてこられたそうです。それでも、社長にも「日付の入っていない夢」があるのだそうです。

その夢というのは

「地球上のみんなが勉強するたったひとつの教科書をつくりたい」

というものだそうです。どういうことかについて、こう書かれています。

 この地球上にはさまざまな主義、主張、宗教があります。
 私も随分多くの国々を周りましたが、その習慣、文化、常識の違いに唖然とすることが多々ありました。
 しかし、ひとつのことに気づいたのです。
 それは、この地球上で、
 ―親を大切にするな― と教える社会に出会ったことがありませんでした。
 ―友達に嘘をつけ― と教える宗教に出会ったことがありませんでした。
 ―地球を汚せ― と教える考え方に出会ったことがありませんでした。

 人は皆、本質は誠実で優しくて、思いやりがある素敵な存在なのです。
 それならば、それらのことをひとつの教科書にできないだろうか。
(中略)
 もし、そんなことが本当にできたら、戦争のない22世紀になると思うのです。
 地球上に住む皆が地球を大切にしようとする22世紀になると思うのです。
 自分のことのように、隣の国の人を大切にする心をそれぞれの人が持てたら、優しい22世紀になると思うのです。

 あたたかな、やわらかな風が吹く地球になると思うのです。

これは教育書以外の何物でもないと思いませんか?
是非皆さんも読んでみてください。学校経営に関して書かれているところも、本当に胸が熱くなります。
もっと若い頃、自分で教室を始めるより前に社長の存在を知っていたら、もしかすると私の人生の選択は変わっていたかもしれないと思うほど、素晴らしいと思える方です。

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お知らせ

今日から6月ですね。
この読書感想ブログもどうにか半年余り継続することができました。
ただ、ブログを書き始めた当初と比べ、教室に来てくれる子ども達も増え、それに伴って本を読む時間、ブログを更新する時間が取りづらくなっております。

また、それまでのストックもほぼご紹介し終え、読むのが追いついていないのに無理矢理にでも何かご紹介をというのは、結局ブログを読んで頂いてもあまりお役に立たないのではと思うようにもなりました。

そこで、誠に勝手ながら、6月より基本的に週2回程度の更新とさせて頂こうと思います。週2回だと月8~10冊ペースになると思いますし、それなら何とかもう少しきちんとご紹介できるのではないかと思っております。

更新頻度は下がりますが、今後とも宜しくお願い致します。

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