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2006年6月26日 (月)

「入学までに教えること 教えなくてよいこと」 清水驍著

これはいい本でした。個人的にかなり好きですね。
幼児をお持ちのお父さん、お母さんには是非読んでみて頂きたい1冊です。

「入学までに教えること 教えなくてよいこと」 

清水驍著 PHP文庫

評価 ★★★★☆

書店の店頭でたまたま目に留まり、気になるタイトルだったことと表紙も可愛らしかったこともあり、文庫だしと気軽に購入してみました。

著者のことは存じ上げなかったのですが、著者紹介を見たところ「ギルフォードSI教育協会会長」と書かれていて、ちょっと驚きました。
というのも、教室を始めて間もない頃、ギルフォードの教室に通っておられるという方からの問合せがあり、初めて聞いたお名前だったのでちょっと調べてみたのです。
素晴らしい教育が受けられるのであろうことはわかったのですが、かかる費用を見て衝撃を受けた小市民な私。その教育の協会会長の方が書かれたのかぁと、読む前には少し構えてしまいました。

しかし、内容はとても参考になることが多く、いい本だったと思います。(いえ、その教室も「英才を育てる」教室だそうですから、素晴らしい指導が受けられるのだと思います。ただ費用もびっくりなだけで。。。)

第1章は、「まちがいだらけの教育風景」と題されて、幼児の置かれている環境について、気になる点を具体的に挙げて説明しておられます。

興味深かったのは「おもちゃがあり過ぎて落ち着きのない子に」や「『手の掛からない子ども」が実は大いに心配」、「”無感動・無表情・無気力”な赤ちゃんが増えている理由」などです。
更にこんなことも書かれているのですが、このことは子育てをする方には大いに意識して頂きたいと思いました。

「楽しい子育て」が頭のよい子・性格のよい子をつくる基礎
「子育ては楽しい」と感じている母親と「子育ては煩わしい」と感じている母親とを比較してみますと、残念ながらその数は、前者より後者の方が多いといわれています。これを逆転させたいのです。そのわけは、このことが「頭のよい子、性格のよい子」の基礎であると考えるからです。
乳幼児にとって、お父さんやお母さんの愛情がなによりも大切なのです。

また、妊婦の飲酒・喫煙が胎児に及ぼす影響についても書かれていますが、なんとなくは知っていたものの、改めて怖くなりました。我が母がお酒もタバコもダメな人でよかったとしみじみ思いました。

第2章は「小学校入学までに教えること」と題され、具体的にどんなことを教えればいいかが細かく紹介されています。ただ、この本がいいなと思うのは、あくまでも「愛情」が大事で、子どもの発達に応じてどんな接し方をしてやればいいのか、親はどんな態度を心がければいいのかなどを中心に書かれており、いわゆる知識の先取りや反復、詰め込みなどは次章で否定しておられることです。

この章の5項では「入学までに教えること九〇カ条」として、運動、生活習慣、自主性・社会性、自然、数と形、言葉、概念、手技、音楽や絵画についての9項目それぞれ10個ずつ具体的な例が挙げられています。
私が読んだ限りではそう大変なことではない上、本当に大切だと思うことが多く、大いに参考になるのではないかと思います。

また、第3章では反対に「小学校入学までに教えなくてよいこと」と題し、知識の詰め込みや「『判った?覚えた?』だけの学習」の問題点などを挙げ、更に具体的にこちらも「教えなくてよいこと(教えるべきではないことも含む)」を九〇カ条として挙げておられます。

この章で書かれていることはピグマリオンの伊藤先生のおっしゃることとも重なることが多く、「知識を入れる前に、知識の『容れもの』を頑丈にする」であるとか、「数の概念が不十分だと、計算能力も身につかない」、「誤りは、教えるのではなく子ども自身に発見させる」などなどの思わず大いに頷いてしまいます。

第4章では「幼児の脳を活性化する」と題され、「頭をよくする」生活習慣や食べ物・食べ方、手指の運動、体の運動、「読む・書く・作る」などがまた詳しく紹介されています。こちらも読んで納得ということが多く、お勧めです。

終章の第5章は「遊びながら知能ののばす」と題し、具体的に色々な遊びが紹介されています。昔懐かしい遊びも多く、こういうのを読むにつけ、昔の子ども達が賢かった理由も頷けるなぁと思います。
マッチ棒遊びやなぞなぞ、絵かき歌など、手軽にやれるものがたくさん紹介されていますので、参考になると思います。

もともとは1993年に単行本として出版されたものを一部手直しし、改題して出版されたものだそうですが、文庫本でここまで最初から最後までうんうんと頷きながら読めるものもそうないのではないかと思います。
小さいお子さんをお持ちの方、これからお子さんが生まれる方などには是非一度読んでみて頂きたい1冊です。

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