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2006年2月 3日 (金)

「最強の勉強法-究極の鉄則編」 吉田たかよし著

先日ご紹介した吉田たかよし氏の続編のご紹介です。
私的にはこちらの方がよりオススメです。

不可能を可能にする最強の勉強法―究極の鉄則編 」 

吉田たかよし著 PHP文庫

評価 ★★★★☆

この本も以前単行本で読んだはずなのですが(内容を見ても読んだ記憶があるので読んでいるはず。)どうやら貸し出したまま戻ってきていないようです。
なので、今回は文庫になって出ていた方を改めて買い直しました。(文庫になったのは昨年秋のようです。)

1冊目も面白かったのですが、こちらはより具体的・実践的な勉強法が紹介されており、前作同様とても読みやすくまとめられています。

ただ、勉強法と言っても、大人が資格試験の勉強をするとか、高校生の大学受験とか、ある程度年齢を重ねた人向けの方法が中心になっていると思います。

小学生に参考になることはごく僅か、それも親など大人が読んだ上で指導に活かすという形になるかと思います。

としましても、高校生以上ぐらいの方には大いに参考になるのではと思います。
ひとつひとつは決して難しくなく、また、ネーミングも笑えるものがあったりと、読んでいるだけでも楽しめます。(例えば。。。「松岡修造式勉強法とか。。。)

また、直接の勉強法ということではなく、私としてはとても興味深く読んだところがあります。

4章の中に「五感マルチ勉強法」というものが紹介されているところがあるのですが、お医者様でもある著者が、幼児・小学生の教育という視点とは全く違う視点から書いておられるある文章に、機械的反復の危険性をよりすんなり納得させてもらえました。

長くなりますが、一部ご紹介します。(青字部分引用)

(前略)思考力も、主に前頭前野の部分で生み出されています。推理や推測ができるのも、知識が応用できるのも、すべてこの部分のおかげです。(中略)
 ところが、読んだり書いたりする学習法を、なんの工夫もなく、ただ機械的に行うと、この部分
(前頭前野のこと)は、ほとんど使われません。例えば、目で見たことを、そのまま紙に書き写すだけなら、前頭前野の力を借りる必要はありません。このため、前頭前野は眠ったような状態となってしまうのです。これに伴って、前頭前野に向かう脳の血管も収縮して細くなってしまいます。当然、酸素や栄養素の供給も、少なくなっていきます。この結果、前頭前野の活動は、さらに低下せざるを得ません。こうして、前頭前野はますます萎縮し、思考力はいっそう低下してしまいます。使わないから機能が低下する。機能が低下するから、もっと使わなくなる。こうした悪循環に陥ってしまうのです。
 こんなことを繰り返していれば、思考力そのものの低下も免れません。丸暗記だけに頼った勉強をしていれば思考力が衰えてしまう。このことは、脳の仕組みから考えれば当然のことなのです。
(後略)

幼児や低学年のことを書いた本に反復は危険だと書かれているものは何冊も読みました。そして、私自身もそれを実感はしています。ただ、どうもすっきりと「あぁ、そうか」と思うには至っていなかったのを、幼児・低学年という視点を全く外し、大人に焦点をあてて書かれた本にこう書かれていたことで、大変納得が行きました。

大人の脳でさえこんな現象が起きるのであれば、脳が作られる幼い時期に多量の機械的な反復をした場合、回路そのものが作られないことすらあるのではないかと思えます。もともと存在しない回路を、大きくなっていくら使おうとしても、それは不可能なのではないでしょうか。この本を読んで、一層幼児期の機械的反復が怖くなりました。

脳の機能についてもうひとつ書かれていますが、私は初めて知ったのですが、「46野」という部分が存在するそうで、そこでは五感からの情報や記憶をコントロールしているそうです。ここがうまく働かないと、記憶を引き出してくることができなくなると書かれています。

この部分は、仮に忙しくバリバリと仕事をこなしているサラリーマンでも、受け身の業務ばかりこなしているとこの部分の機能が衰えていくのではないかとも書かれていて、脳の仕組みから考えても「機械的反復・機械的な丸暗記」は決して効果的な学習法ではないと述べておられます。

繰り返しになりますが、大人でさえそうなのですから、子どもの時期にはもっと慎重に学習法を選択すべきなのではないかと改めて強く思いました。

とにかく全体に興味深く、面白い内容なのですが、最後の6章では「結論を先に書く、作文・論文の技術!」と題し、作文・論文の書き方について、とてもわかりやすく書いておられます。

これまで私は作文とかで頭を悩ませた記憶がほとんどないもので、苦手な人の気持ちが今ひとつわからないのですが、ここで書かれていることは、確かに試験などで作文や論文を課される人には相当参考になるのではと思います。(特に苦手な方には。)この部分に関しては小中学生で作文が苦手な子への指導にも応用できるように感じました。

文庫になって価格的にも手頃になりましたし、かなりオススメの1冊ではないかと思います。(まあ、どちらかといえば大人の方にですが。)

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コメント

糸山先生こんばんは。
コメントありがとうございます。
先生の最新のご本にも多分そんなことが書かれていたように思いながらも
これまでの蓄積がこの本でやっと繋がったというか、消化できたというか
そんな気分なのです。
また色々ご指導ください。宜しくお願いいたします。

投稿: willseeds | 2006年2月 6日 (月) 01時38分

>>大脳が作られる幼い時期に多量の機械的な反復をした場合、回路そのものが作られないことすらあるのではないかと思えます。
●その通りだと思っています。
下記ページをアップするタイミングがあいましたね。
http://homepage.mac.com/donguriclub/difference.html
※自作のモデル図で〜す。

投稿: 糸山泰造 | 2006年2月 5日 (日) 11時03分

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