« 「作文がすらすら書けちゃう本 」宮川俊彦著 | トップページ | 「作文がどんどん書ける作文名人になれちゃう本」 »

2006年2月14日 (火)

「わかったつもり」西原克彦著

最近やっと読み終わった国語の読解に関する本のご紹介です。

「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 

西原克彦著 光文社新書

評価 ★★★☆

ひと言で言うと、多分とてもいいことが書かれているのですが、私には難しかった。。。そんな感じです。

著者である西原氏の学歴は東京工業大理工学部卒、東京大学大学院教育学研究科博士課程中退となっているのですが、本の内容は純粋に国語の読解力についてのものでした。

ちょっと難しい言葉があるとすぐ拒否反応を示してしまうおバカな私の頭はこの本には若干ついていけない感じがありましたが、それでも感心させられることが色々ありました。

読解力と言っても、かなり高いレベルでのことで、高校生以上を対象としているのかなという印象です。

ただ、説明する際の例に挙げてある文章は殆ど全て小学校の教科書で扱われている文で、その文をまず読ませ、読んだ後にわからないところはないか意識をさせた上で、その読みがいかに曖昧であるかや思い込みで読んでいるかということなどに気づかせるという形を取ってあります。

初めの章で扱われている文などは小2の教科書の文で、誰が読んでもわからないところなどないという内容です。しかし、さらっと読めるということは「読みが深まらない」こととも言え、「わかったつもり」になっているのだと筆者は述べています。

正しく、深く読むときに一番障害になるのは「なんとなくわかる」「わかったつもりになる」ということだと述べ、それについて色々なパターンの「わかったつもり」を挙げておられます。

その上で終章の5章では「わかったつもり」の壊し方をまとめておられます。
私の頭では、これをきちんと理解し、納得するには何度か繰り返し読む必要がありそうですが、さすがに理系ご出身の方というのか、とても理論立てて書かれており、「ふむふむ、なるほど」と思えることが多いです。

あくまでも私の勝手な感覚ですが、理系が得意で読解が今ひとつ苦手という高校生などが読むと、何か大きなきっかけを掴めるのではという印象です。
また、中学生や高校生など読解指導をされる立場の方が読まれても参考になりそうです。

最後のまとめに書かれている文で印象に残った部分を引用します。(以下青字部分引用)

 整合性のある解釈は、複数の存在が可能です。したがって、唯一絶対正しいという解釈は存在しません。しかし、ある解釈を「整合性がない」という観点から否定することは論理的にも実際にも可能で、しかも簡単です。ですから、「正しい」と「間違っている」という判定は、シンメトリーなものではありません。後者は明確に判定できますが、前者は「整合性はある」とか「間違っているとは言えない」という判定しかできないのです。
 このような非対称性をベースにしていることと、多くの人が持つ国語教育に対する違和感を考慮すれば、「最も適切なものを選べ」という設問は避けるべきであろうと思います。それに代わるものとして、「次のような解釈があるとする。このうち可能なものはどれか。可能でないものはどれか」といった設問形式がよいのではないかと私は考えるのですが、読者の方々はどのような印象を持たれるでしょうか。

これだけでも、この本で書かれていることがある程度お分かり頂けるかもしれませんね。
私にはやや難しい本でしたが、読む価値はあるのではと思います。

|

« 「作文がすらすら書けちゃう本 」宮川俊彦著 | トップページ | 「作文がどんどん書ける作文名人になれちゃう本」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/96750/8585938

この記事へのトラックバック一覧です: 「わかったつもり」西原克彦著:

« 「作文がすらすら書けちゃう本 」宮川俊彦著 | トップページ | 「作文がどんどん書ける作文名人になれちゃう本」 »