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2006年1月31日 (火)

「学力は2歳から家庭で伸びる」 大原敬子著

大原先生の2冊目のご本の紹介です。
この本も私はかなり好きな本でした。

『学力は2歳から家庭で伸びる 「自分で考える子」に育てる60の生活習慣 

大原敬子著 PHP研究所

評価 ★★★★☆

以前初めて大原先生のご本を読んで、なんだか素敵だなと思い、書店で先生のお名前を見つけたので手に取りました。

学力は2歳からとは、またすごいタイトルだな。。。と思っていたのですが、前回ご紹介した本に関しても、この本に関しても、どうも若干タイトルからイメージされるものと中身が違うような印象を受けます。

2歳から学力を伸ばすなんて。。。と思って手に取られない方も多いのではと、なんだかもったいない気がします。
ひと言で言えば、素敵な子どもに育てるための親の心得、育児書という印象です。

この本の序章はこう題されて、あるリストが載っています。

「次にあげた60項目で、あなたの子どもはどのぐらいできますか」

さて、どんなリストだと思われますか?「学力を伸ばす」というタイトルからすれば、ひらがなが読める、書ける、カタカナが読める、書ける、10までの数が。。。。そんなリストかと思われる方もおられるのでは?

それが全く違うのです。
そのリストはそのまま第1章に続くのですが、第1章のタイトルはこれ。

「優秀な子どもを育てる秘訣は生活習慣から」

つまり、60項目はほぼ全てが生活習慣に関するチェックリストなのです。
チェック表にはその項目の難易度が示されており、2~5歳、就学前、小学校低学年と順を追って、中学生まで及んでいます。

当たり前のように思えることから、結構できない子も多いのではと思うことまでありますが、いくつかご紹介しますと、(青字部分引用。右は難易度表記)

朝、自分で起きる。           小低
洗濯をしている。したことがある。   小低
カッターナイフが使える。        小中
裁縫ができる。針が使える。      小高
靴紐が結べる。             2~5
エンピツの芯をナイフで細くとげる。  小高

このような項目が60項目あり、そういうことがきちんとできる子どもは学力も伸びるということのようです。
具体的に、これができるとこういうことに繋がるであるとか、学習面や生活面で何かうまく行っていないお子さんはこういうことをさせてみるといいとかが書かれています。

第2章は「子育て、その見逃せないポイント」と題され、子育てで心がけるべきことなどが書かれています。
その中に、こんなことも書かれています。(一部抜粋)

もたつく、だぶだぶの洋服を着せていると学力は向上しません

筆圧の弱い子どもは母親の影響を強く受けています

読書好きな子どもの中には、現実から逃げている子どもがいます

ハサミを器用に使いこなす子どもは、想像、創造性が豊かです

消しゴムの消し方が弱い子どもは自分の世界観の中にいつもいます

衣服が乱れると、鞄、筆箱なども同じように乱れています

中には意外だったり、本当にそうなのかな?と思うものもありますが、そういう場合もあるという風に受け止め、知っておくといいのではないかと思いました。

それ以降の章も、こんな勉強をさせましょうということは殆どなく、子どものうちに色々な経験をさせることの大切さや、先生が指導してきた子ども達の紹介などがされています。

第6章でようやく(?)「勉強が好きになるために」と題され、実際の教科学習について少し触れておられますが、算数・国語・英語を好きにさせる「ヒント」と題して書かれていますので、抵抗なく読め、いいなと思うところを気軽に参考にできそうです。

第7章では「お受験」と題して小学校受験のことを取り上げておられますが、この辺りはさすがにご経験を重ねられた上での言葉に重みを感じます。
先生は、小学校受験は子どもがするのではなく、母親がするのだと述べられ、生活習慣がきちんと身についている子どもは大抵の場合合格するとまとめておられます。
子どもを見れば、育てた母親が見える。それを試験官は見ているということのようです。

そして最後の第8章は「子どもの学力向上は食にあり」と題し、食の大切さを述べられた後、子どもの状態別にお薦めの食材や料理なども紹介されています。

とにかく、私は好きな1冊です。
世の親達が自分の子どもをこんな風に育ててくれたら、きっと子どももみんな幸せで賢くなって、イジメや自殺、信じられない犯罪などもなくなるんだろうなと、そんなことさえ思います。

子どもに関わる方にはできれば読んで頂きたいと思いますが、小さいお子さんがおられる方には特にオススメの1冊です。

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2006年1月30日 (月)

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 」(3年生)

先日に続き、3年生版のご紹介です。

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 」(3年生) 講談社

評価 ★★★★

本日は3年生版のご紹介。
2年生版と比べ、1ページあたりの行数はそのままの11行。しかし、文字数が5文字ほど増え、文字の大きさが若干小さくなっています。
(それでもまだ行間も広いので文字嫌いの子のアレルギーはあまり出ないかなという印象です。)

作家のセレクトとしては1・2年生版と似ています。
宮沢賢治、芥川龍之介、与謝野晶子、松谷みよ子、星新一、さくらももこあたりの作家の方や落語と、構成はほぼ同じ、収められている物語が1・2年生より1つ多いという感じです。

有名なお話では、「よだかの星」、「杜子春」、「耳なし芳一」、落語の「時そば」などが収録されており、子どもの好きそうな「名探偵登場」というお話もあります。
短いものは4ページ半(星新一)から、長いものは40ページ近くのもまで様々です。

ジャンルも長さもバラバラですので、子どもも興味のあるところから読むことなどもできそうです。
そして、大人が読むにも十分堪え得る内容だと思います。

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予告。

以前からお知らせしていましたが、ここに来てなんだか以前にも増して時間がない状態が続いていて、本が殆ど読めていません。(泣)
読んでいない本を適当にご紹介するのでは意味がありませんし、どうにか3ヶ月間毎日何かご紹介を続けてまいりましたが、いよいよ2月からは不定期更新になりそうです。

もし万一、質を落としてでも毎日何か更新してというご希望があるようでしたら考えさせて頂きますが、さすがにそれはないかと思いますので。(笑)

そして、更に予告です。

ネタが尽きてきたからということは全く関係ないとは言えませんが、実は少し前から考えていたことがあります。

実は私、教室を立ち上げる前後の2年余りの間、精神的にかなりきつい状態が続いていました。
しかし、性格的に何か宗教に走るとかいうこともできず、その間、かなりの数の自己啓発系、スピリチュアル系の本を読みました。

書かれていることが正しいとか間違っているとか、そのときにはとりあえずどうでもよくて、少しでも精神的に楽になりたい、癒されたい、そのためにどうすれば考え方を変えられるか、気持ちに余裕を持てるか、そんな感じで結構むさぼり読みました。特に教室を始める前のある時期は相当買いましたね、そういう本。

友人が半ば呆れて、気分転換したいんだったら、そういう本だけじゃなく、小説とか読んだり、どこかに出かけたりしては?みたいなアドバイスももらったのですが、聞く耳も持たず。。。(苦笑)

で、最近思っているというのは、育児やお仕事、その他で疲れている方、意外に多いのではということなのです。

いい子育てをしようと思ったら、やはり気持ちの余裕や安定ってとっても大事だと思うのです。
親御さんだけでなく、子どもに接する大人たちみんなが、せめて子どもに向き合っているときだけでも、気持ちの余裕を持てるというのはすごくすごく大切なことだと思うのです。

ですので、今後はそういったジャンルの本のご紹介もさせて頂こうかなと思っています。
疲れたときにホッとするような、行き詰ったときに目の前が開けるような、何か心が軽くなるような、そんな本を少しずつでもご紹介できたらいいなと思っています。

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2006年1月29日 (日)

「夜回り先生と夜眠れない子どもたち」水谷修著

水谷先生の2冊目の著書です。今でこそ書店の店頭には先生の本が沢山並んでいますが、これが出版された2004年の秋にはまだようやく先生の名前が世に知られ出した頃でしたね。

「夜回り先生と夜眠れない子どもたち」

水谷修著 サンクチュアリ出版

評価 ★★★★

前回ご紹介した本の続編になると思います。
先生が出会った子ども達とのことを、前作に引き続き書いておられます。もし私が水谷先生のことを何も知らされずにこの本を渡されたら、もしかするとフィクション、短編小説ととらえるかもしれない。そう思いさえするほど、自分には想像のつかない様々な出来事が書かれています。

けれど、やはり、涙が止まらないほど、水谷先生の愛が溢れています。

この本の1章は「夜回り先生」というタイトルで書かれていますが、その中に先生のこんな言葉があります。(以下青字部分引用)

 私は22年間の教員生活の中で、一度も子どもを殴ったり、叱ったり、怒鳴ったことがない。
 なぜなら子どもたちはみんな、「花の種」だと考えているからだ。教員だけではなく、親や地域の大人や、マスコミを含む社会全体が、子どもを慈しみ、愛し、丁寧に育てれば、子どもは必ず美しい花を咲かせてくれるだろう。
 もし花を咲かせることなく、しぼんだり枯れたり腐ったりする子どもがいれば、それはまぎれもなく大人の責任だ。

 今から14年前、ある夜間高校の教員が「寿司だって魚を選ぶ。夜間高校にいるような腐った生徒にいい教育なんてできない」と言った。そのひと言に強く反発した私は、すぐさま普通高校から夜間高校へ移った。
 魚は勝手に腐るが、子どもは絶対に腐らない。腐った子どもなんて一人もいない。そのことを少しでも伝えたくて、私は被害者である子どもたちとの出会いを求め、夜の世界で生きるようになった。

これはすごい。本当にすごい。ここまで思える大人はこの世にどれだけいるのだろう。
子どもを殴ったことは私もない。恐らくこの先もないだろうと思う。けれど、水谷先生は叱ったことすらないというのだ。本当なのだろうか。。。

2章にはこうも書かれています。

私は決して優れた教育者ではない。ごく普通の弱い人間である。
でも子どもたちの呻きや叫びを、受け止めることならできる。
人を人としてありのままに受け入れ、手を差し伸べることならできる。
ずっとそばに寄り添って、「人を信じてみよう」というきっかけを作ることならできる。
一人の大人がそばにいて、「君のことが心配だ」ということを伝えられれば、それだけでいい。
そういう気持ちで、「夜眠れない子どもたち」と向き合いはじめている。

並行して学校の授業や、夜回りも続けているため、残念ながら熟睡した日は記憶にない。髪は真っ白になり、歯はガタガタになった。
なぜそこまでできるのかと聞かれることも多い。

答えは簡単。何も考えていないからだ。自分のことで悩む余裕なんて一切ない。(中略)

それに子どもたちは、いつも私に生きることの喜びを教えてくれる。
心と体にたまった疲れは、子どものすばらしい笑顔がとかしてくれる。

子どものそばにいたいから、子どもが好きだから。

私が教員として生きている理由は、それ以外にない。

このとき先生はまだ夜間高校で頑張っておられました。けれど、こんなに素晴らしい先生が、有名になってしまったことで「教員」を辞められました。そうさせたのは、マスコミを含めた大人たちなのです。別の著書で先生は書いておられました。自宅の電話もメールも公開しているのに、公立である先生の勤務校に様々な問合せや依頼の電話が入るようになり、同僚の先生達の迷惑になってしまったのだと。

もちろん今でも夜回りも講演も続けておられるようです。けれど、今はもう「教員」ではありません。先生からそれを奪ったのも、やはり私たち大人なのですね。

私は残念ながら絶対、水谷先生のようにはなれません。
恐らく、世の中の大人の大多数はそうでしょう。けれど、水谷先生の著書や講演で先生の言葉に触れることで、何か変わるかもしれません。ほんの少しでも、子どもたちにとって優しくなれるかもしれません。

まだ先生のご本を読まれたことのない方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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2006年1月28日 (土)

「集中力をぐんぐん伸ばすプリント」 児玉光雄著

気軽に読めて、取り組める1冊のご紹介。

子どもからお母さん、先生まで集中力をぐんぐん伸ばすプリント」 

児玉光雄著 小学館

評価 ★★★★

B5判で絵を沢山使って書かれていますので、非常に読みやすく、実際にやってみるにも取り組みやすい内容です。

表紙の下の部分にはこのように書かれています。

学校で!家庭で!毎日続けて、確実に学力がアップする!
受験やテストでも圧倒的な差をつける驚異の「集中力」増強法がココにあった!

なかなかすごい謳い文句です。
効果のほどはわかりませんが、結構楽しそうです。集中力が続かないお子さんなどに、うまく使えば効果があるかもしれません。
ものによっては「勉強させられている」という印象のものもありますが、本当に遊び感覚でできそうなものも多いので、させてみる価値はありそうです。

PART1では「ゲームで集中力トレーニング」と題し、マッチ棒やコイン、トランプ、鉛筆など身近なものを使ってのトレーニング方法などが色々紹介されています。

PART2では「ワンポイント集中力トレーニング」と題し、呼吸法や舌の運動、眼球の運動、針の糸通しや味覚・聴覚トレーニングなど、体を使ってやるトレーニングが中心に紹介されています。

PART3では「集中力トレーニング・プリント集」として、文字やアルファベット、形、絵などが描かれたプリントとその使い方がまとめられています。

PART4では「集中力トレーニング・国語編」、PART5では「集中力トレーニング・算数編」として、学年別の漢字記憶テストや数の記憶、計算式の記憶(答えを書く)、アミダを使った計算トレーニングなどが紹介されています。

簡単に取り組めそうなものばかりですし、きっと効果があるだろうなと思えるものも多いです。
ご家庭に1冊置いて、お子さんの勉強の気分転換や、大人の方の休憩代わりのトレーニングというような感じでも使えそう。
ただ、高くはないけど安くもないという価格設定なので、書店で見て面白そうなものはやり方を覚えてしまうとか、そんなワザもありかもしれません。(笑)

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2006年1月27日 (金)

「頭をよくする本」 ピーター・フランクル著

2年前ぐらいに購入したピーター先生のパズル本のご紹介。

「頭をよくする本」 ピーター・フランクル著 WAVE出版

評価 ★★★☆

パズル好きなため、書店でパズル系の本を目にするととりあえず見てみる、面白そうなら買ってみるというお決まりのパターンで、教室を始めて間もない頃に購入しました。

「パズラー」というパズル雑誌で5年間書き続けたコラムをもとに、この本が書かれたようです。
パズルの合間にエッセイが挟み込まれているという構成で、大人で数学系パズルが好きな方には楽しめるものだと思いますが、内容的に子どもには見た目が難しそうに思えるのではと思います。

もちろん、問題によっては子どもでも解けるものもありますし、問題の内容を噛み砕いてあげれば、案外大人より先に解いてしまう子もいるかもしれませんが。

高校受験で、以前なら新学力観という区分になっていたような、規則性や法則を見つけたりする問題が苦手な子にはこの本の問題で頭を鍛えることもできそうではあります。(数学者が作られた問題ですしね。)また、苦手にならないために、小学校高学年や中学1年生ぐらいから徐々にできるものを時間のあるときにやってみるという風にも使えるかもしれません。

実は私も半分も解いていない状態のまま本棚に立ててあるので、時間を見つけてまた解いていきたいと思います。

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2006年1月26日 (木)

「盲点力」 多湖輝著

以前テレビで多湖先生が日常での「盲点」のお話をされているのを見て、一度読んでみたいと思い購入しました。

「盲点力 - 人が見えないところを見る力 多湖輝著 新講社

評価 ★★★★

多湖先生のご本は既に何冊かご紹介していますが、この本は先日のしつけの本より前に読みました。

本の帯にも書かれていますが、「日本一受けたい授業」で「盲点力」の話をされていて、面白いなぁと思ったので読んでみました。
因みに、「盲点力」とは日常の中で見落としがちなところ(盲点)に気づく力のこととして使っている言葉のようです。

第1章では「『盲点力』が強くなれば、新しい自分に出会える!」と題し、「馬鹿げている」、「くだらない」と切り捨ててしまうようなアイディアの中に意外な盲点があるということや、自分に対する思い込みが人生の選択肢を狭めているなどということが書かれています。

また、盲点をうむ原因のひとつに「マンネリ」を挙げ、それを防ぐためにも毎日の生活で新しいことを3つ探そうとも書いておられます。

第2章では、「盲点力」を鍛える方法、実例などが紹介されていますが、その中で面白いなと思ったのが3項の「『無能』は実は大変な能力ではないか!?」というところ。マイナスイメージをそのままプラスイメージに転化するというもので、こんな文章が出てきます。(以下青字部分引用)

不眠症で悩む人は、「わたしには不眠力がある」と思えばいい。
赤面症で悩む人は、「わたしには赤面力がある」と思えばいい。
いつも貧乏なら「貧乏力」、病気がちなら「病気力」、肥り過ぎなら「肥満力」、泳げないなら「金槌力」、怖がりなら「恐怖力」、まったく何の取り柄もないなら「無能力」があると思えばいいのです。

なかなか素敵な発想です。
また、同じ章で「あなたの生活の中で必要とされているものはほんとうに必要なものか?」「『不便、不満』は大歓迎という気分になれば盲点力がつく」などの項でも着目点や発想の転換についてのヒントが紹介されています。

第3章は「『オール5』の発想より『オール1』の発想がおもしろい」、第4章では「『なるほど納得』の盲点力をつける方法」、第5章では「みんなが右に行くなら、左のほうがおもしろい」と題されていて、それぞれ発想の転換の仕方、目の付け所などが書かれています。何か新しいアイディアを出したい、面白い発想をしたい、だけど行き詰っているような方には、新たな刺激、目からウロコ。。。という感じかもしれません。(読んでいて結構面白かったです。)

第6章では「現代社会の盲点とは何か?」と題し、いくつかの盲点が紹介されています。セキュリティーの盲点、短所を褒められ、長所をケナされるとコロッといってしまう訳、制服や肩書を信じてしまう訳などを心理学の先生らしい視点から書いておられます。

終章の第7章では、「豊かな言語感覚が『盲点力』を育てる」と題し、ことわざやジョークの効用や、普段見過ごしがちな入門書・教科書やわかりやすい言葉に着目することで盲点力が鍛えられるということなどが書かれています。

読んでいて面白かったです。
常識にとらわれて、発想が貧困になってしまっている方などには特にオススメできるかと思います。

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2006年1月25日 (水)

「子どもの学力がぐんぐん伸びる家庭楽習」杉渕鐵良著

以前ご紹介した杉渕先生の2冊目の著書のご紹介です。

学校の先生がそっと教える子どもの学力がぐんぐん伸びる家庭楽習」 

杉渕鐵良著 PHP研究所

評価 ★★★★

タイトルにある通り、「家庭」での学習(楽習)には参考になることが沢山ある1冊だと思います。

学校の先生ならではの視点で、学校での学習に困らないようにするにはどんなことをすればいいかということを中心に書いておられるように思います。

1章は国語編で「学力の基礎『読み・書き・表現』力を伸ばす家庭楽習」と題し、音読や漢字、作文の「楽習」法から、ゲーム感覚での辞書引き「楽習」法などが紹介されています。

また、イメージをふくらませる力をつけるために親がどんな働きかけをしたらいいかなどについても、具体的な例を挙げながらまとめておられます。

2章は算数編。10マス計算に始まり、フラッシュカードを使っての指導、100マス計算、また、それらの指導の実践報告なども書かれています。

1章に関しては特に違和感なく読めましたし、家庭でこれだけやれば、子どもは学校の勉強で困ることは少ないだろうなと思いましたが、この章は私としては疑問に思うところがちらほら。

そもそも小学生への100マス自体に危険を感じていますが、それは一旦置いておくとして、フラッシュカードで補数関係を練習するという内容が特に疑問です。
10の補数関係をすぐ言える(1と9、2と8、・・・というもの)のは確かに役に立ちますし、それは練習すべきだとも思います。また、10までの数についても、フラッシュカードで繰り返すまでの必要はないような気もしなくはありませんが、まあよしとしましょう。
けれど、先生の本には19までの数の補数を言えるようにという風に書かれているのです。19ともなると、「0と19、1と18、2と17・・・19と0」まで。果たしてこれがすらすら言えるようになる必要はどの程度あるのかはかなり疑問です。(著書にははっきり「覚えさせてください」と書いておられます。)

3章は家庭楽習編として「親が変われば、子どもは勉強好きに大変身」と題されており、「楽しんで学ぶからこそ子どもは伸びる」とも書かれていますので、この章は概ね納得です。

4章もしつけ編として「子どもを伸ばし、奇跡を生む親の役割」と題されており、ここの内容も他のしつけ・子育て本に共通することが多いです。

終章の5章では、「無限に伸びていく力を持っている子どもたちのために」と題され、杉渕・陰山・桑原の3人の先生方の鼎談がまとめられています。
皆さん、子どもたちのことを一所懸命に考え、忙しい中日々頑張っておられる素晴らしい先生だと思います。また、学校の勉強についていけなくてどうしよう。。。と思っておられる親御さんにはこの本での学習法は大いに参考になるとも思います。

塾に行かせず、家庭でお子さんを指導するという親御さんにはひとつの参考になる本だと思いますが、私個人としては若干疑問も残る内容もあります。(もちろん、先生のことをどうこう言っているのではありません。恐らく熱心で素晴らしい先生に違いないと、それは著書を通じてしっかり感じられますので。)

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2006年1月24日 (火)

「トランプ遊びで子どもの知能はグングン伸びる」 大野啓子著

小学校受験で素晴らしい実績を挙げておられるという大野先生の著書のご紹介です。

「トランプ遊びで子どもの知能はグングン伸びる」 

大野啓子著 講談社+α新書

評価 ★★★★

書店でうろうろしていたとき、このタイトルが目に留まり、本当にトランプ遊びで賢くなれるのなら、ご家庭にオススメできるしなぁと読んでみました。

小学校受験を指導する気のない私は全く存じ上げなかったのですが、著者の大野啓子先生は10年間で関東の有名小に900人近くの子どもを合格させた方だそうです。

ご自身の指導した子ども達の成績とトランプ遊びの関係性を発見され、トランプ遊びによって知能を飛躍的に向上させる「大野式トランプ学習法」を確立されたそうです。本書ではその方法がかなり沢山紹介されています。

第1章でトランプをすると頭がよくなる理由を、第2章でご自身が関わったお子さんのトランプとの関係性の紹介を、そして第3章では「大野式トランプ学習法」を(この章のボリュームが一番大きいです)、終章の第4章では有名小受験問題(類題)の紹介をされています。

トランプをすることで、指先の巧緻性も伸ばせ、数字にも強くなり、競争心、集中力などさまざまな能力が向上するということのようです。

確かに、トランプをくったり揃えたりする作業はほぼ必ず両手を使って行いますし、テンポよく動かすことも必要になります。
幼児にとっては、大人が思うより遥かに高度なことと言われれば納得で、遊びを通じて能力が高められるのであれば、そんな素敵なことはないように思います。

この学習法は確かに目の付け所も素晴らしいと思いますし、小学校受験には有効だという気もしました。
ただ、「トランプで行う」ということに限定して考えられたせいもあると思いますが、中には、いや、それは別にトランプでやらなくてもいいんじゃないの?と思うようなところも多少はあります。

まあ、そうとしましても、トランプ自体は安いものですし、手軽に家庭で楽しみながら能力を伸ばせるのであれば、やらない手はないかもしれません。

みんなが知っているババ抜きや七並べなども紹介されていますので(もちろん、そういうもの以外により具体的な受験対策になりそうな方法が色々紹介されています。)この本を読まれなくても、小さいお子さんがおられましたら、ご家庭でトランプ遊びを積極的になさってもいいかもしれませんね。

新書で価格も比較的手頃ですので、お家に置いてときどき参考にされてもいいかもしれません。

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2006年1月23日 (月)

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 」(2年生)

先日に続き、今回は2年生版のご紹介です。

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 」(2年生) 講談社

評価 ★★★☆

これがまた、非常に微妙なのですが、1年生版では1ページの行数が10行だったのですが、2年生版では11行になります。
本当に若干文字が小さくなりますが、それでもまだかなり読みやすい大きさで、行間もたっぷりなので、読むのが苦手な子でもなんとか頑張れそうです。

2年生版のラインナップもまたバラエティーに富んでいます。
作家名で言えば、星新一、宮沢賢治、村上春樹、新美南吉、オー=ヘンリー、与謝野晶子(!?)など。
(すみません。。。与謝野晶子さんって歌人だと思ってました。。。)

アンデルセン童話や落語の「まんじゅうこわい」も収録されていますね。

2年生という学年は本当に意識する必要はないのではないかと思います。恐らく大人でも楽しめます。というか、どちらかといえば、村上春樹の短編など(本当に本当に短いのですが)、2年生の子が読んだらどう感じるのだろう?と思います。

本好きな子でも、どんな本を読んだらいいか迷うようなときには、まずこれを読んでみて、お気に入りの作家がいたら、その人の本を読む、そんな風にも使えそうです。

ちなみにもちろんこれにも、それぞれの物語の後にはクイズや齋藤氏の解説はついていますが、そのあたりは必要なら読む、必要なければ飛ばす、そんな感じでよろしいのではと。

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2006年1月22日 (日)

ブログ「子供環境改善案」

早いもので1月も下旬になりましたね。
本日は日曜なので、本のご紹介はお休みさせて頂いて、素敵なブログのご紹介です。

えくぼさんとはブログがご縁でお知り合いになりました。
小さなお子さんがおられ、お仕事をされながら育児を頑張っておられるようです。

そのお忙しい中、子育てに関しての素晴らしいブログを書いておられます。
毎日更新とはいかないようですが、その分、私と違って本当に内容の濃いものを
お書きになっておられるなといつも感心しています。

小さいお子さんをお持ちの方や子育てに関心のある方は是非一度覗いてみられては
いかがでしょう。

子供環境改善案

今TOPにある「子供を叱ろう」など、読んでいて、いいなぁ、すごいなぁと思います。

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2006年1月21日 (土)

「図解・子どもの性格を決める しつけの習慣」

多湖先生のしつけの本のご紹介。

図解・子どもの性格を決める しつけの習慣子どもが伸びる、魔法の口ぐせ 

多湖輝著 PHP研究所

評価 ★★★★☆

B5判で95ページ、早い方なら1~2時間で十分読めるかもしれません。赤黒の2色刷り、挿絵や写真も多く、本を読むのが苦手な方や忙しい方でも読めそうです。

幼児のしつけに関する本は色々ありますし、内容は似ていることが多いのですが、お時間のない方にはこれをオススメという感じですね。

見開きでひとつのテーマについてまとめられており、時間がない方や書店で立ち読みというのであれば、テーマだけを読んでも大体のことはわかるかと思います。

一番初めに書かれているテーマは「おまえは頭がいい」と言い続けると、子どもの頭は本当によくなるというものですが、これだけを読んでもそこに書かれている内容はおおよそ予想がつくのではないでしょうか。

命令語を避けるであるとか、できるという暗示効果をうまく利用するとかいうことなど他の本でも多くの先生が書かれていることが、やはりこの本にも書かれています。

少し新鮮で、私も意識した方がいいのかなと思ったのはこのテーマ。

「痛かったでしょ」ではなく、「痛くないわね」と問いかける

「痛かったでしょ」「頭痛くない?」「熱があるんじゃない?」そんな言葉は子どもの甘えを生み出す一因になっていると書かれています。

「痛かったでしょ」と聞かれると、我慢できる痛みでも「うん、痛い」と返事をしてしまったり、痛いと言えば可愛がってくれると思って、痛くもないのに痛いと言い出しかねないと。
多湖先生はこういうときには「痛くないわね」と問うことで甘えを封じ込めると書いておられます。

この視点は新鮮でした。まあ、私の場合実の子に言うことはありませんので、人様の大切な子に対して「痛くないわね?」は鬼扱いされても困りますので、様子を見ながらということになりそうですが。(笑)

また、これは確かにそうだなと思ったことですが、こう題されたところもあります。

本当に危険なことは、できるだけ早く体験させることで”カン”が鍛えられる

安全になった現代の生活に加え、少子化の影響もあり、危険回避の親の配慮が隅々まで行き届きすぎるという状況では子どもの基礎体験が不足しており、その結果、生活力や生命力に乏しい、”カン”が鈍い子どもになってしまう危険を挙げておられます。

「生命にかかわるような事故にならないよう気配りしながらも、積極的に基礎体験を積む機会を与えてやるようにすることが大事なのです。」と述べておられます。

また、こんなテーマもあります。

小さな失敗は叱っても、大きな失敗はあまり叱らない

これは、大きな失敗は子ども自身が叱られると自覚しているので、それをガミガミいうのは反省する気持ちを失わせてしまうということのようです。

本書は4章構成になっていますが、4章では「こんな親の口ぐせが子どもをダメにする」と題して、色々な親の口ぐせを挙げています。
その口ぐせの殆どが、私も含め、子どもに関わる大人が口にしていそうな言葉です。

本当にさらっと読める本ですので、小さいお子さんがおられる方は機会があれば是非目を通してみられてはと思います。

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2006年1月20日 (金)

「答えが見つかるまで考え抜く技術」

過去に読んだ教育関係の本もそろそろ尽きつつありますが、私は存じ上げないものの「カリスマ名物講師」が書かれた著書のご紹介です。

「答えが見つかるまで考え抜く技術」 

表三郎著 サンマーク出版

評価 ★★★☆

この本は教室を立ち上げた頃に読んだ1冊です。
著者の表氏は、著者紹介によると、「駿台予備校講師で、関西受験英語界のドン」だそうです。

本の最初にはこんな言葉が書かれています。(以下青字引用)

この本を読んでも、
   アタマがよくなるわけではない。
       論理力が身につくわけでもない。

ただ一ついえるのは、
    答えが見つかるまで考え抜くための
        知恵と技術に出合えるはず、
                 ということである。

更にこうも書かれています。

考えることは、誰にだってできるし、四六時中、何かについて考えている(と思っている)。
ところが、答えが見つかるまで考え抜くことができる人は、じつはそれほど多くはない。
たいていの人は、途中でうやむやにして、考えることを放棄してしまうのだ。(中略)
本書のテーマである「答えが見つかるまで考え抜く技術」の核心となるものは何だろう。
「問い」をもって生きること。
ただ、それだけだ。(中略)
「問い」をもって生きる人間だけが、「答え」にめぐり合うことができる。

なんだか少し哲学めいているし、タイトルからイメージした内容とはどうやら少し違うようです。(哲学的な考え方は嫌いではありませんが。)

本書は6章からなっており、それぞれの章に10前後の項があります。文章も読みやすく、ひとつひとつの項も短くまとめられていますので気軽に読めると思います。
それらの項目の中で印象に残るものをいくつかご紹介しますと。。。

答えはある日、突然やってくる
知識を習得しすぎると知恵が湧かなくなる
ひとりで連想ゲームをやってみる
マイナス思考ができる人間になりなさい
「絵はむずかしい」はウソである
「絶対に考えてはいけない場所」をつくる
発想が枯れたときには言葉を変えろ
人はスマートになるとエネルギーを失う


そして、最後の項は

人は必ずなりたいものになる

ふむふむと思うところも色々ありましたし、面白く読めました。
もちろん、中には、いやそれはちょっと無理。。。みたいなものもありましたが。(例えば「九時就寝、一時起床で、頭もすっきり」とか、確実に無理ですし。。。(苦笑))

学習法とかいうこととは全く違った話で、完全に大人(少なくとも高校生ぐらいからでしょうか)を対象にした本のようです。
気になる見出しがおありだった方は一度読んでみられてはいかがでしょう。

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2006年1月19日 (木)

「自然に勉強する気になる子の育て方」

読み終わったばかりの1冊をご紹介します。

「自然に勉強する気になる子の育て方―「心」「体」「頭」を鍛える大越メソッド

大越俊夫著 幻冬社

評価 ★★★★☆

正直なところ、タイトルからイメージしていたものとはかなり違っていました。
内容としては、「勉強する」ということより、どんな子育てが大事か、子どもにとって親はどうあるべきかということがメインに書かれていると言っていいかと思います。
大切なこと、素晴らしいことが沢山書かれていますが、ここで書かれている「子ども」の年齢は(はっきり書かれてはいないのですが)小学校高学年以上、メインは中学生以降のお子さんではないかと思います。

著者である大越先生は、1975年に、これまた偶然、神戸市で不登校・中退生のための「リバースアカデミー師友塾」を設立された方だそうです。
以前ご紹介した井上先生も偶然県内(比較的お近く)で活動されている先生でしたし、何か勘が働くのでしょうか。(笑)

著者紹介では、不登校児を約6,000人も元気にしたと書かれており、本書の内容も、日々の活動を通じての子供達や親御さんたちとのやりとり、指導がメインとなっています。
ただ、不登校にならなくても、子育てについて大事なことが沢山書かれており、1テーマごとが短くまとめられていますので、読むのも読みやすいです。

私が好きな本に共通していることですが、この本も著者の子どもたちへの愛情がひしひしと伝わってきます。
お子さんが不登校、または不登校気味であるとか、反抗的になって何を考えているのかわからないであるとかいう保護者の方には解決の糸口を見つけられる本かもしれません。

興味深い内容だらけなのですが、中でもこれまで読んだ本では出会わなかった視点をいくつかご紹介します。

「『心』を強くするために、何よりも先に『骨』を強くする」という項があります。
題の通り、子どもの元気といえば「心」に焦点があてられがちですが、「体」のとりわけ「骨」を育てることが大切だと書かれています。中学生の不登校の場合についてということで書かれていますが、心の元気を取り戻すためには、まず食生活にも気を配り、「体」を元気にすることが大切だということのようです。

また、「何の罪もない人を、牢獄に入れるとどうなるか?」という項では、ロロ・メイ氏の「自我喪失の六段階」を以下のように紹介しています。(以下青字部分引用)

 あるところにわがままな王様がいました。その王様はある日ふと、人を牢屋に閉じ込めると、どういうふうになるのだろうと思いつき、何の罪もない男を牢屋に入れました。
 突然わけもなく牢屋に入れられたその男は、まず、途方にくれてしまいました。これが自我喪失の第一段階です。
 その後、彼はすぐに自分を取り戻して、「出してくれ」と抵抗し始めました。これが第二段階です。
 しかし、いくら抵抗してもドアが開かないので、彼は次第に自分をこんな目にあわせている人間を憎悪するようになりました。これが第三段階です。
 それでも解放されないので、とうとう、彼は諦めてしまいました。これが第四段階です。
 そしてうつろになってしまいました。これが第五段階です。空虚、つまり先ほどから説明している自我消失の入り口に立っている状態です。
とうとう最後には、何も主張しなくなってしまいました。これが最後の第六段階です。ここに至ってその男は、本当のアパシー(無関心)に陥ってしまったのです。
 そこで、この王様の役に教育ママゴン、牢屋に入れられた男の役に子どもを入れてみると、この物語の中で男が次第に自我を失っていく過程は、そのまま子どもにもあてはまるということがわかります。

説明は要りませんよね。

ちょっと衝撃を受けたのは「子どもがパンを盗んできたら、いっしょに食べてあげられますか?」という項。タイトルからしてどういう意味なのだろう?と思いました。
曽根綾子さんの著書からの引用のようですが、子どもがパンを盗んできたら、良い母はまず子どもといっしょに盗んできたパンを食べてやるのだそうです。悪い母は自首させるために警察に電話。普通の母はお店に子どもを連れて行って、この子がパンを盗みましたと言って代金を払うと。

いきなり子どもに自首しろというのが悪い母というのはわかるのですが、悪いことをした子と一緒にお店にお詫びに行くのが普通の母で、良い母は一緒に食べるということに驚きました。その理由は子どもの犯した罪をまず一緒に食べて(共有してということでしょうか)やり、子どもにとって絶対の味方になってやる必要があるからとのことです。そうした上で、犯した罪についてお母さんが悲しんでいることを伝えなさいと。

他にも素晴らしいこと、これまで考えてみなかったことなどが沢山書かれています。
また、他の素晴らしい先生方が言っておられることと共通することも数多く書かれています。

これを読むと「不登校」も単なるひとつの選択肢で、こんな素晴らしい先生のもとで元気に学んでいるのであれば、なんとなく学校に通っている子達より有意義な人生を過ごしているのではないかと思わされます。実際、不登校や中退の子達を指導する先生には素晴らしい先生が沢山おられるでしょうから。

直接不登校ということに関わりのない方も、お子さんに関わっている方皆さんに何か参考になるのではと思う1冊です。

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2006年1月18日 (水)

「生きがいのマネジメント」 飯田史彦著

年末に部屋の片づけをしていて、しばらく触っていなかった棚に手をつけたところ、何冊かの本が出てきました。そのうちの1冊、前回ご紹介した飯田先生の生きがいシリーズ第2弾をご紹介します。

「生きがいのマネジメント―癒しあい、活かしあう生き方へ 

飯田史彦著 PHP研究所(PHP文庫もあり)

評価 ★★★☆

自分でもなぜなのか全く思い出せないのですが、見つかった本には書店のカバーはついているのに、もともと売られているときについていたカバーがない状態でした。どうして。。。(全くどうでもいいことですね、すいません。。。)

1冊目の「生きがいの創造」がとても興味深かったため、その後出版されたこの本を購入して読みました。

著書のはじめにはこう書かれています。(以下青字部分引用)

本書は、会社、医療・福祉・教育機関、そして家庭におけるマネジメント(経営)の本質を、価値観論の観点から「自分が果たすべき役割」や「人間関係」に焦点をあてて考察した、ホリスティック・アプローチ(包括統合的研究)です。

と、先生のご専門である、経営に関する学問的な、私にはやや難しい言葉が並んでいます。
しかし、続けてこう書かれています。

本書の読者は、案内役である私が計画した道のりにしたがって、「本当の自分を探し出す旅」に出ます。

要するに、私にでもわかるように言えば、この本を読めば「自分とは何か」が発見できるということのようです。

ただ、飯田先生ご自身が書いておられるのですが、1冊目の「生きがいの創造」で扱った内容は一切出てきておらず、この本はより先生のご専門の分野の色を濃くした内容で書かれています。

1冊目に抵抗のある方、生まれ変わり論に否定的な方、ビジネスマンなどにはこちらの方が読みやすく、受け入れやすいのかなと思いますが、私には若干難しい(専門書的な)印象がありました。

著書の最後の章は「本書を世に問う理由」と題して書いておられるのですが、そこにこんなことが書かれています。

経営学者である私が、企業経営や人事管理を語る時に「愛」という言葉を用いるのは、ある意味で、自殺行為です。学者が行うべき学術研究では、何よりも論理性が重視され、もっぱら理性のみによって事象を把握・分析し、明快な結論を出すことが求められるためです。(後略)

そう述べながらも、人間関係についての問題解決などにあたり、会社の経営なども含めて、最後に行き着くのは「人間という存在そのものの価値の発見」であり、その発現としての「愛」ではないかと述べておられます。

経営学者が人間の本質、心に目を向けた上で書かれた、経営を含めた生き方論ということになるでしょうか。

経営に関する知識が殆どない(というのは問題ですが。。。)私としては「生きがいの創造」の方が圧倒的に好きでした。

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2006年1月17日 (火)

「『できる子』の親がしている70の習慣」 七田眞著

幼児教育、右脳教育で有名な七田先生の著書のご紹介。

「『できる子』の親がしている70の習慣」 七田眞著 PHP文庫

評価 ★★★★☆ (これからご出産の予定がある方には★★★★★

実は、正直なところ七田チャイルドの指導には若干疑問があるところもあり、そのせいもあってこれまで七田先生のご本を手にすることはありませんでした。

ですが、たまたま書店で文庫が目に留まり、タイトルも気になりましたので読んでみることにしました。
その結果、七田チャイルドの指導は一旦置いておいて、この本自体はとても好きな本だなと感じました。

タイトルが先日ご紹介した和田先生の著書に似ていますが、こちらは乳幼児、更に遡って胎児の頃からの子育てについて、何が大切かを書かれており、内容は正反対のようなものでした。

フラッシュカードを見せる、文を暗誦させる、残像を残して透視能力を高める、そんなものではなく、この本に書かれていることこそが本当の七田式なのであれば、大いに素晴らしいと思います。

この本に書かれていることは、既にご紹介した中では、伊藤恭先生の「本物の幼児教育とは」や糸山先生の最新書、多湖先生、加藤先生、ドロシー・ロー・ノルト氏などの著書と共通するものがあります。どこか、水谷先生の著書とも通じます。

とにかく、子育てには「心」を育てることが大事だということが書かれているのですが、子どもの問題行動は必ず家庭の中に原因があると書かれ、その解決法として、子どもを認め、愛し、抱きしめるということが書かれています。

また、ここでいう「教育」とは知識を学ばせる教育(先取り学習など)のことではなく、それを受け入れられる回線網を作り上げることだと断った上で、0~6歳までの子どもにさまざまな働きかけ、愛情がけ、言葉がけをすることの重要性を説いておられます。

他にもいいことが沢山書かれていますが、前述の著書などにも共通するところも多いので、私にとって特に印象深かったところをいくつかご紹介します。

70項目中の7ではこのようなことが書かれています。(以下青字はすべて引用)

子どもが非行に走る、登校拒否をする、いじめをするといった問題行動を起こしている場合、父親が子育てに参加していない、母親に任せて子育てに関わろうとしないケースがほとんどです。

9では「『勉強する3つの目的』を教える」と題し、

一番目は、学ぶことによって自分が成長するために学ぶ、成長するのが楽しいから学ぶ、ということです。(中略)
二番目は、人生で成功するために学ぶ、ということです。何か目標があってそしてそれをやり遂げる、その目標をやり遂げることが成功です。(中略)
三番目は、これがいちばん大切なことですが、大きくなって世の中に貢献するために学ぶ、ということです。

32では、イチローやタイガー・ウッズとその父親の話を取り上げ、彼らの父親は無理にやらせたのではなく、父親本人がバッティングやパッティングの練習をする姿を何度も何度も見せ、彼ら自身が「自分もやりたい」と言い出して初めて、「そんなにやりたいか?じゃあやらせてあげよう」という持っていき方をしたと紹介しています。
これは子どもに何かに取り組ませるとき、とても参考になることだなと感じました。本を読まない子に本を読むようにさせたければ、「読みなさい」というのではなく、まず親御さん自身が楽しそうに本を読む姿を子どもに見せればいいということと同じですね。

61では、子育ては胎児期から始まるという考えに基づき、妊娠期に気をつけなければならないこととして、食生活にも触れておられますが、その中で印象深かったのは

まず、胎児にとっては水が主食になります。なにしろ羊水の中で育つのですから。
ところが最近は「羊水のきれいな妊婦さんはいない」といわれています。

そう書かれ、水道水や食卓塩(自然塩に対して精製塩ということ)、動物食の危険性などを挙げておられます。
最近の新生児にアレルギーが多いのは羊水の影響だとも述べておられますが、医学的なことはわからないものの、化学物質などが胎児に影響を与えているであろうことは納得できます。

この本の中で一番印象に残ったのはここかもしれません。64で「人間の本質は3歳までに育つということを忘れない」と題して書かれているところで、保護観察官として1万人の非行少年の指導、矯正にあたってこられた相部和男氏の著書からの紹介がされています。

その中で、相部氏が36年にわたって非行少年の幼児期を調べ続けた結果として紹介されているグラフがあるのですが、10,387人の非行少年のうち、幼児期における育てられ方として62.1%という圧倒的割合を示しているのが「溺愛」なのです。
それに続く「放任」は21.9%、次いで「普通」っが11.7%、「きびしい」が4.3%となっていますが、(だから厳しくしなさいということではなく。。。)放任された子に比べても3倍、溺愛されて育った子が非行に走っているということになります。

どこまでが正しい愛情の注ぎ方で、どこからが溺愛なのかは、当事者である親にはなかなか判断がつかないところもあるのかもしれないと思うのですが、度合いや方向性が間違っているにしても、「可愛がられて」育った子が非行に走っている割合がダントツに高いということは驚きました。

文庫ですので気軽に読めますし、小さいお子さんやお腹の中のお子さんをお持ちの方、これからそうなる予定の方などにはお勧めできる1冊ではないかと思います。

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2006年1月16日 (月)

「跳び箱とさかあがりができる本」 中島清貴著

今回は以前お知り合いの方に頂いた、いつもとはちょっと違った本のご紹介です。

中島先生の体育教室 跳び箱とさかあがりができる本」 

中島清貴著 学研

評価 ★★★★

著者である中島先生は大阪で小学校の先生をなさっているそうです。体育の指導法では他にもさまざまな研究・開発をしておられるそうで、「子どもと先生のための器械運動の指導のコツ」というサイトをお持ちです。
http://www31.ocn.ne.jp/~taiiku/

タイトル通り、この本では跳び箱とさかあがりにしぼって、写真入りで具体的にさまざまな練習法を紹介しておられます。

例えば、跳び箱が飛べない子の場合、更に細かく区分され、「肩が前に出ない子は」や「体の投げ出しができない子は」など6つの場合の練習法がそれぞれ紹介紹介されています。

もちろん、さかあがりについてもかなり詳しく例が挙げられており、この2つについてどんな指導、練習をするかということであれば大いに参考になると思います。

ただ、高学年であればもしかすると自分で見て練習できるかもしれませんが、基本的には大人がその子の状態を把握した上でどの練習法が適しているか判断するという使い方になると思います。

跳び箱やさかあがりができないお子さんや児童・生徒がおられる保護者や先生方にはオススメですが、まずは上記のサイトをご覧になるのもいいかと思います。(そちらでもこの本のことが紹介されていますので。)

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2006年1月15日 (日)

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 」(1年生)

休日ですので、ちょっと楽に紹介できる本を。(スミマセン。。。)まずは1年生から。

「齋藤孝のイッキによめる!名作選 小学1年生」 講談社

評価 ★★★☆

最近、陰山先生、川島先生、齋藤先生のお三人をご存知ない方はおられないのでは?と思うほど有名な先生のお一人ですが、続々と出ている「朝の10分間読書」を意識した短編集に位置づけられるのではと思う本を齋藤先生も出されましたね。

去年の春頃低学年版が出、次いで夏に高学年版が出揃いました。
ただ、1年生の本でも漢字は沢山出てきていますし、それにふりがながふってあるので、お話自体は特に「低学年向き」ということではないように思います。

1年生版で皆さんがご存知のお話では「手ぶくろを買いに」や「蜘蛛の糸」なども入っています。グリム童話からも入れられていますし、かと思えば、さくらももこさんの書かれたお話などもあり、新旧洋邦を問わずという感じのラインナップです。

文字はかなり大きく、読みやすいです。
また、ひとつひとつのお話の終わりにはそのお話の内容に関するクイズがあり(内容をきちんと読み取ったかの確認になるようです)、また齋藤先生の解説もついています。

まあ、齋藤先生がまとめられた本ですので、最初には「気に入ったセリフは、声に出してよんじゃおう!」など、「この本のよみかた3か条」が書かれていますし、上述のクイズや解説など、ゆっくり読んで味わいたいという子にはどうなのかなと思うところもありますが、その読み方を守らなければ読んではいけないということでもありませんので、そういう意味では比較的手頃な価格で色々なお話が出ていて、それも名作と言われるようなものが紹介されているということを考えれば、オススメできるかなという感じです。

学年配当に関係なく、漢字が使われ、それにふりがながふってありますので、私としては本を読むのが好きではない中・高学年の子などにもいいのではないかと思います。本がきらいな子にはこの文字の大きさはちょっと嬉しい気がしますので。

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2006年1月14日 (土)

「『本を読む子』は必ず伸びる!」 樋口裕一著

私はよく存じ上げなかったのですが、著者の樋口氏は「小論文の神様」と呼ばれている方だそうですね。

「『本を読む子』は必ず伸びる!」 樋口裕一著 すばる舎

評価 ★★★☆ (内容的には★★★★

さすが、小論文の神様と言われるだけあって、非常に読みやすい本でした。
ただ、文章自体が読みやすいだけでなく、ページ数もさほど多くなく、1ページあたりの文字数もかなり少なめのため、早い人は1~2時間で十分読めそうです。その割には価格が見合っていないかなぁと思った分、評価が上記のようになりました。

樋口先生のおっしゃる「国語力」を「イメージする力」と言い換えると、私としてもほぼすんなり納得の行く内容でした。

「本を読む子」と題しているだけあって、内容は終始子どもに本を読ませましょうということで、読書にどのような効果があるか、子どもに読書させるためにどのように働きかけるのがよいかなどが中心に書かれています。

また、巻末には子どもへの「お薦め本リスト」がついており、108点が紹介されています。

著者の主張は概ね賛成なのですが、これまでに、すごく読書をするのに国語の読解も算数の文章題も苦手だという子に出会ったことがありますし、文章題が苦手な子に国語力が足りないから本を読めという指導をしても効果があがらないことを経験された先生もかなり多いのではないかと思います。
テレビを見たり、ゲームなどをしたりする時間を読書に使いましょうというのであれば、それは基本的に賛成ですし、読書で得られる経験、知識、能力なども確かにあるとは思いますので、反論することはないのですが。。。

また、著書の中で「文学全集は子供にプレッシャーを与えるだけ」と題した項がありますが、それに関しては一概には言えないのではとも思います。子どもの頃、家には少年少女なんとか全集みたいな15巻か20巻セットの分厚い物語の本が並んでいましたが、少なくとも私はそれをプレッシャーに思ったことはありませんでしたし、初めは面白そうなものだけを読み、学年が上がったら、これまで読んでいなかったものも読んでみたりとしていたのを覚えていますから。

ただ、現在小学生のお子さんがおられて、本を読まなくて困るわというような保護者の方には参考になることも多いように思います。
価格などを考えると、書店で立ち読み。。。というのもありかもしれませんね。

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2006年1月13日 (金)

「最強の勉強法」 吉田たかよし著

塾を退職した頃に単行本を書店で見つけて読んだのですが、その後知り合いの受験生に貸したところ戻ってこず。。。書店で文庫本になっているのを見つけて再度購入し、目を通し直しました。この続編も買った覚えがあるのに、どうやらそれも誰かに貸してしまったままのようです。。。

不可能を可能にする最強の勉強法 」 吉田たかよし PHP文庫

評価 ★★★★

著者の吉田氏はものすごい経歴の持ち主です。
灘中・灘高→東大理科Ⅰ類・大学院(工学系)→国家公務員Ⅰ種2年連続合格→NHKアナウンサー→医師国家試験合格→政策秘書資格取得→衆議院議員公設第一秘書→東大大学院医学博士課程在籍。ちなみに1964年生まれだそうです。

これだけ見ても、一体どんな人なんだ?という感じで、自分とは全く別世界の雲の上の人のようですが、本自体はとても読みやすく、結構参考になることも多かったように思います。

私が灘中・灘高の学習方法について知ったのはこの本が初めてだったように思いますが、(実は灘中・灘高は実家から歩いて3分ほどのところにあり、実家の前を毎朝、灘の学生達がぞろぞろ歩いていたり、体育なのか部活なのか、体操服で何度も何度も走って通っていったりしていました。)これを読んで、「そうか、灘ってそんな素晴らしい学校なんだ」と思いました。

というのも、著者によると、灘高の先生は例えば数学などの問題を単純に公式に当てはめて解いても、それは評価してくれず、その解き方が独創的であったり、ユニークであったりすれば、仮に答えが間違っていても、その過程を評価してくれるそうです。丸暗記の学習では通用しないと書かれていましたが、それでなくても全国から選りすぐりの天才、秀才達が集まっている学校でそんな指導をしておられるというのは、なんだかとても感激でした。そんな学校なら、必死で勉強して入学する価値はあるかもなぁと思ったものです。

まあ、これは本書としては余談に過ぎない訳で、内容は効果的な学習法の紹介が中心になっています。また、それも参考にして実践しやすいレベルのものが色々紹介されていて、読んでいて「なるほど」と思います。

こちらを先に読んだものの、数年前に読んだっきりだったため忘れていましたが、以前ご紹介した椋木先生の記憶術などにも似たようなことが書かれているなという内容もありました。(イメージと結びつけるであるとか、覚えること同士を関連付けるであるとか。)

吉田氏も記憶を定着させ、効果を上げるには睡眠は重要で、最低6時間、できれば7時間以上寝る方がいいと書いておられました。
また、「読書の下見」と題した、効果的な本の読み方なども紹介しておられます。

頭のいい方が書かれたにしては、特に難しい言葉なども使わず、とてもすんなり読める文章です。
受験生には参考になることも多いと思いますし、社会人でも勉強をしなくてはならない方や何かを覚えなくてはならない方などには読んでみる価値ありの1冊だと思います。

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2006年1月12日 (木)

「理科や算数が好きになる4年生の読みもの」他高学年編

続いて、高学年編です。

「理科や算数が好きになる4年生の読みもの」

「理科や算数が好きになる5年生の読みもの」

「理科や算数が好きになる6年生の読みもの」 学校図書

評価 ★★★★

高学年になってくると、学習マンガや図鑑、事典、その他色々なもので理科や算数への興味を持たせることはできるかもしれませんが、手頃な価格でひとつひとつが短時間で読めるというのは、理科や算数が好きではない子などに対してとっかかりをつけさせたりするのにいいかもしれませんね。

内容について、まず4年生版から。
理科的内容では「サクラの1年」という植物内容から始まりますが、豆電球と乾電池を使っての金属探し(電気をよく通すもの探し)を紹介してあったり、温度計の仕組みや温度の測り方、人間や動物の呼吸の仕方などを説明してあったり、重さや圧力に関する内容なども取り上げられています。
算数的内容では、大きな数や「+」「-」などの記号はどうやって作られたかなどが説明されています。

5年生では、理科的内容として植物のつくり、地球、食塩水、ヒトやその誕生などが。算数的内容としては数当てクイズと題した倍数の考え方や世界の数字の歴史、正多角形についてなどが取り上げられています。

そして、6年生では理科では海中の様子やサバンナで生きる動植物、つる植物等の植物の仕組み、地球の大気の変化などのほか、レイチェル=カーソンや湯川秀樹、ガリレオ・ガリレイなどについても取り上げています。
算数内容では暦や小数・分数について、世界の色々な単位についてなどが取り上げられており、算数や理科の分野になるのかどうかわかりませんが、点字や阪神大震災(あ、地震だから理科という扱いなのでしょうか?)なども紹介されています。

私自身、ざっとしか目を通していませんが、恐らく大人が読んでも結構楽しめるのではという印象です。

一話一話が短いので、詳しく知りたい場合にはもの足りませんが、この本をきっかけとして興味のあることは更に調べるという風に利用するにはいいのではないでしょうか。
また、読み物ですから、漢字さえ読めるようであれば、学年はあまり意識しなくてもいいのかなと思います。

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2006年1月11日 (水)

「りかやさんすうがすきになる1ねんせいのよみもの」他低学年編

今回は子どもの理科や算数の興味付けに役に立ちそうな本のご紹介です。まずは低学年から。

「りかやさんすうがすきになる1ねんせいのよみもの」

「理科や算数がすきになる2年生のよみもの」

「理科や算数がすきになる3年生の読みもの」  学校図書

評価 ★★★★

最近は朝の10分間読書のようなものが取り入れられている学校も増えているようで、書店に行くとそれを意識してなのか、学年別に10分程度で読み終えられる短編を集めた本がかなり色々な種類並んでいます。

その中でこれは、私が見た中では今のところ唯一「理科や算数」にテーマをしぼってまとめられた本です。(他の殆どは物語などが中心ですね。)

1年生の本で言えば、オオバコの葉っぱでの遊び方や、つくりはどんな風になっているかなどを沢山の絵と共に紹介してあったり、うんこやおしっこ、おならなどがどのようにして出るのかなどもわかりやすくお母さんと子どもとの会話形式で書かれていたもしますし、磁石で遊ぶことを通してどんなものがくっつくかなどを確かめたり、色々なコマを作ってどんなものがよく回るかを試しせるように具体的に作り方なども説明してあったり、他にも色々、動物や植物などのことが書かれていたりします。

2年生では、タンポポやチューリップのつくりなどについて詳しく写真つきで紹介されていたり、シャボン玉ややじろべえの作り方などが紹介されていたり、人間の骨のことが書かれていたり、もちろん、動物や虫などについても取り上げられたりしていて、こちらもやはりバラエティーに富んでいます。

3年生になると、なぜ「九九」というのかや九九の秘密などの紹介、虫歯についてや、硬貨が丸いわけなどが書かれていたり、砂糖水や食塩水を作って比べるであるとか、色々な時計についての紹介、虫眼鏡での像の見え方などを試す方法など、算数要素や、理科に関しても動植物だけではなく、化学や物理の範囲なども入ってきています。

沢山の絵や写真が入っており、1・2年に関しては全てカラーです。3年になると殆どがモノクロになってはいますが、それでも見やすいと思います。値段から考えると、かなりお値打ちなのではないかと思いますし、大人でも結構楽しめるように思います。

特に、図鑑や事典が好きであまり本を読みたがらないようなお子さんや、理科が苦手だというお家の方などには十分役に立ちそうな1冊です。

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2006年1月10日 (火)

「勉強のできる子のママがしていること」

沢山の本も出されておられ、ご存知の方も多いかと思いますが、和田秀樹先生の著書のご紹介です。

「勉強できる子のママがしていること 12才までの家庭教育マニュアル

和田秀樹著 PHP文庫

評価 ★★☆ (あくまでも私が共感できるかどうかという評価です)

何冊か並行して読んでいて、つい昨日読み終わったところの1冊です。
和田氏の本は過去にも読んだことがありますが、今回もまたどうしても違和感を感じて、何度も途中で読むのをやめそうになりました。

恐らく、素晴らしい先生なのだと思いますし、子どもの教育ということに関して真剣にお考えなのもわかります。何か間違っているとか、先生がおかしいとかそういうこととは少し違って、いくら読んでいても気持ちが拒絶するのです。

和田氏は大阪のお生まれで、中学受験で灘中に合格。その後灘高、東大へと進まれ、現在は精神科医でもあり、大学での指導や受験指導などもされているようです。

この本は恐らく、ある程度生活レベルが高く、また、ご両親が高学歴で、迷わずお子さんに中学受験をさせるおつもりの方には共感できるのかもしれないと思いながら読みました。

受験に際して、必要であれば受験専門塾をうまく利用しなさい、それでもついていけないようなときには、並行して家庭教師の利用もいいでしょう。そんなことを普通に書かれても、「はい、わかりました」と子どもにそれだけの教育費をかけられるのは限られたご家庭なのではないかと思います。

また、貧しいけど、子どものために切り詰めて。。。というご家庭もあるのかもしれませんが、個人的に、そこまでして中学受験をする必要性を全く感じていない私には共感のしようがありません。

公立の学校では最低限のことしか指導してもらえないし、更に成績が中程度の子のレベルに合わせた授業なので、できる子は面白くなくて当然。だから私立に行ったり、受験塾でより高いレベルの勉強に取り組ませる方がいい。
そういう考え方が存在することは知っています。だけど、どうしても違和感が拭えません。

本書の中で、成績が芳しくなかったときや、何かでイジメを受けたときなどに、親が子にかける言葉として、「次は勝とう」とか「今度は見返してやりなさい」とか、そういう表現が出てきます。
私には勉強などに関してこの感覚自体がないので、共感しようがありません。

勉強は誰かに勝って相手を見返すためにやるものだと思ったことは一度もありません。
もちろん、スポーツの試合などで、絶対負けたくないとか、次は絶対勝つぞとか、そういう感覚はわかるのですが、勉強に関してそういう感覚を持っておられる方は、勉強が部活動という感覚なのでしょうか?

私には子どももいませんので、実際親になったときにはどうなるのかわからないと言われればそれまでですが、もし自分に子どもがいたとして、その子に向かって「頑張って見返してやりなさい」という教育をしたいとは思えないのです。
そんなことだから、ダメなのよと言われたとしても、そんなのはちっとも構いません。

私にとって勉強は、何か目標や夢を達成するために必要だからするもの。わからないことを知りたいからするもの。そんなものでしかないのです。

この本は、これまで私が高い評価をつけている本に共感できない方にはお勧めできるかもしれませんが、私自身は読みながら何だかとても悲しい気持ちになりました。

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2006年1月 9日 (月)

「頭がよくなる図形パズル」 逢沢明著

ごく最近購入した逢沢先生の3冊目のパズル。こちらは図形パズルです。

「頭がよくなる図形パズル」 逢沢明著 PHP文庫

評価 ★★★★☆

現在少しずつ解いているところですが、またまた結構楽しめそうです。(しかし、そんなことばかりしているとマズイのですが。。。)

こちらは数学パズル同様100題の問題が収録されており、レベルを示す動物は大変ご丁寧にこちらも変えてあります。
因みに、(多分)ハリネズミ→(多分)クロヒョウ→キリン→オランウータン?→エンジェル(やはり最後は架空)です。

内容的にはこれが一番小学生にでも取り組ませられるかもという印象です。(簡単という意味ではなく、積み木やマッチ棒、コインなどを使って考えることができるので)

先生は、こちらの本の初めにはこんな風に書かれています。(以下青字部分引用)

「図形」は苦手ですか?だったら、あなたは創造的な「ひらめき」の力も弱いのではありませんか?
抜群に創造的な人たちの若い時代を調べてみますと、図形の問題が大好きだった人がとても多いです。彼らに特徴的なのは、「図形」的能力だったのです。(中略)
図形の問題が、頭のトレーニングとして優れているのは、左脳だけでなく、「右脳」も鍛えるからです。左右両方の脳を使って、あなたの脳力を全開してください。(中略)
なおこの本は、「公務員試験」や、企業の「就職試験」用にも実践的な虎の巻になっています。また、お子さんの学習用に使われるのも、非常に効果的です。有名中学の「入試問題」を解く力を、楽しく確実に伸ばします。

書かれていることにはかなり納得しますし、実際、お子さんに取り組ませてみるのも、学習にとても効果があるのではと思います。多分、この本を本棚に並べたら、前述の彼女達が借りて帰る気がします。

図形パズルなので、問題をご紹介するのは難しいため省略させて頂きますが、アマゾンで「なか見!検索」という設定になっている本ですので、そちらで何問か問題を見ることが可能です。(既にご紹介した2冊についてもアマゾンで数問はご覧になれます。)

因みに、この本も同タイトルの文庫本があります(念のため)。

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2006年1月 8日 (日)

「頭がよくなる論理パズル」 逢沢明著

続いて、同じく逢沢先生の論理パズルのご紹介。

「頭がよくなる論理パズル」 逢沢明著 PHP研究所

評価 ★★★★☆

こちらは論理力を鍛える問題が85題出題されています。
また、レベルを表す動物は数学パズルとは変えてあり、ハムスター→パンダ→ヒョウ→サル→ユニコーン(最後は架空の生き物という点は同じですね。)となっています。

こちらも本書の初めに先生が書かれていることを引用しますと(以下青字引用)

平均的日本人は論理が苦手――。ただ、きちんと論理的に考える訓練は、そんなにむずかしいことではありません。ほんの少し練習を積めば、目をみはるほど上達します。
そして、本書は「論理に弱い人」のための入門編ですから、論理的な頭脳をつくる基本トレーニングを、古今の論理パズルの名作を使っておこないます。(中略)
もしも幸せになる「大逆転の論理」を知りたい人は、問48のヤスコさんの論理などをまずご覧くださいね。

ちなみに問48は以下の通り。(ユニコーンレベル)

 宝石商の恋人がいるヤスコさん。
 この恋人、とてもお金持ちですが、変わったことを言っては、ヤスコさんを悩ませます。
「大きなダイヤと、中くらいのダイヤと、小さなダイヤがあるぞ。きみの言葉が正しければ、どれか1つをあげよう」
「うれしいッ!」
「しかし、どれをやるかはわからない。しかも、きみの言葉がまちがっていれば、どれもあげないぞ」
「エッ!」
 それでもヤスコさんは、大きなダイヤが断然ほしいのです。
 では、何と言えばいいでしょう?

さて、お分かりになりますか?(私はわかりませんでした。。。)

また、この本の最後には「論理学」についての簡単な解説も載っています。

そして、本人達にインタビューしていないので、自分で考えるために借りたのか、どの程度わかったのかは不明ですが、教室に来てくれている小学3年生の女の子のひとりが、ある日この本を借りて帰りました。
で、別の日に妹のお迎えについてきた別の3年生の女の子が「このまえ○○ちゃんが借りた本、もう1冊ありませんか?」と尋ねました。
1冊しかないのよと言うと、「わかりました」と言ってその日は帰ったのですが、その本が返ってくるとすぐ、その彼女が借りて帰りました。

小学3年生でこんな本に興味を持ってくれる彼女達はやっぱり凄すぎます。嬉しかったので、ちょっと余談でした。

論理的に考える訓練にもなりますし、大人が十分楽しめる1冊だと思います。(因みにこちらも同じタイトルで文庫本があるようです。)

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2006年1月 7日 (土)

「頭がよくなる数学パズル」逢沢明著

京都大学の助教授、逢沢先生の書かれた大人向けパズル本をご紹介します。まずは数学パズルから。

「頭がよくなる数学パズル」 逢沢明著 PHP研究所

評価 ★★★★☆

この本はこのシリーズの中では一番最初、まだ塾に勤めていた頃に買ったように思います。

全部で100題の数学系パズル問題がさまざまなレベルで出題されています。

レベルはウサギ→ヒツジ→キツネ→ライオン→ドラゴンの順で難しくなっており、各問題のところにその動物が描かれていますので、それで判断することになります。

問1は実際小・中学校の試験問題などでも見かけることのある問題で、引っかかる人も多いのですが、(以下青字引用)

「行きは時速60キロで、ドライブに出かけました。帰りは時速20キロでした。同じ道ですが、混んでいたのです。往復での平均の速さはいくらでしょう。」

というものです。(皆さん間違わずに解けますでしょうか?)

また、中学入試問題の類題なども出題されています。

ちなみに100問目はドラゴンレベルの問題です。

「3つの正方形を並べてあります。図の角度X、Y、Zの関係を求めてください。小学生のやり方で解くパズルとしては、難問中の難問です。」

私にはここに図を描く技がありませんので、言葉で説明しますと、正方形が3つ横に並んでおり、右端の正方形の右上の頂点からまず、1つの正方形の左下の頂点に対角線を引いたときにできる角がZ。真ん中の正方形の左下の頂点に向かって引いたときにできる鋭角がY。左端の正方形の左下の頂点に向かって引いたときにできる鋭角がXです。
(因みに、三角形の内角外角や更に高等な三角関数などをご存知の方には簡単かもしれませんが、小学生でも使える方法で解くということになっています。)

また、この本の最初に逢沢先生がお書きになっているのですが、

パズルやクイズを解く能力が意外に大事だと思うのは、京都大学の学生たちを教育してきた長い経験からです。彼らはパズルが大好きです。ここにあるのより、もっと難しくて、解くのに何時間も何日もかかるようなパズルを出題しても、嬉々としてレポートを提出する学生が多いのです。そして ― そういう学生たちは、成績もよいし、研究者としての能力も非常に高いという相関があるのです。

というように、先生のご経験をまとめておられます。

実際、多くの先生方が「パズル」は学習に効果的だと言っておられますし、それを使って素晴らしい成果を挙げておられる先生も沢山おられますね。

パズル好きな方には十分楽しめますし、お子さんがおられるお家なら、こういうものが置いてあれば、自然と手にとって考える子もいるのではと思います。

ただ。。。最近書店で探してもなかなか見かけないので、そこが難点です。あと、これは新書なのですが、同じタイトルの文庫本が出ているようで、そちらの方が価格も安いため、同じ内容なのか確かめようと思ったのですが、やはりそちらも書店で発見に至りませんでした。。。大きなところならあるのかもしれませんが。

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2006年1月 6日 (金)

「子育てと教育の大原則」糸山泰造著

ようやく、糸山先生の最新の著書のご紹介です。
ブログを立ち上げて間もない頃に買ったのですが、なかなかこの本を読むところまで辿り着かず、また、辿り着いたら今度は内容がとても濃いので、なかなか読み終わらずで、ご紹介がすっかり遅くなりました。

「子育てと教育の大原則」 糸山泰造著 エクスナレッジ

評価 ★★★★☆

糸山先生は、どんぐり倶楽部のサイトを拝読しても感じますが、長い文章を書かれることが苦にならない方なのではないかと思っています。(先生、違っていたらすみません。。。)

ですので、この本も内容が濃い上に文章がびっちりしっかり入っていて(本によっては行間が広くてあっという間に読み終わるものもありますよね。)、個人的には2冊に分けて書かれてもよかったのでは?と思うようなものでした。

かなり盛り沢山の内容で、「絶対学力」や「続・絶対学力」と比較すると、より育児を含めた「子どもの教育」に重点を置いて書かれているように感じました。(タイトル的にもそうですね。)

内容はご紹介したいことが盛り沢山なのですが、きりがないので、中でもこの本で印象に特に残ったところをご紹介します。(以下青字部分引用)

まず、第1章では「熱しやすく冷めやすい」というのは子供時代の基本的で大事な特性です。と書かれており、子どもに対して、一度やり始めたら最後までしなさいというのは「多様な思考モデル」の獲得を邪魔する浅はかな考えだと述べておられます。

また、同章で「12才までのテレビは制限しましょう」という項で書かれていることの中から、そんなこと意識もしていなかったなというのが、子どもにニュースを見せるということは最も注意しなければならないと書かれていたことです。

その理由として、「内容を知らされていないことが多いので見せてはいけないものを制御できない」「記憶に残りやすい視覚情報が中心なので影響を受けやすい」「非日常的なこと・異常な様子が多い」などを挙げておられ、以下のように述べておられます。

残虐なシーンを見せながら「こんなことをしてはいけません」と言っても、残っているのは「残虐なシーン」そのものであり「視覚情報を肯定する」という人間の本能は「してもいいんだ」という感覚を育ててしまうのです。

糸山先生によると、人は視覚から受けた情報は正しいものと認識しがちだそうです。だとすれば、暴力シーンや殺人のシーンなど、テレビであれゲームであれ、子どもに見せるのは本当に危険極まりないことだと思います。恐らく事実なのだと思いますので、これまで意識していなかったということにぞっとします。

また、第3章では「反応が速いことと物覚えがいいことには注意しましょう」という項でこんなことも書かれています。

幼児・児童期の「反応が速い」は「頭がいい」ではありませんし、「物覚えがいい」は「記憶力が優れている」でもありません。
どちらも、思考モデル(視覚イメージの再現・操作)作成のための一時的な現象です。
ところが、多くの人がこのことに気づかずに「今がチャンス」とばかりに「この時期に、できるだけ速くさせよう」「この時期に、できるだけ多量に覚えさせよう」として一生に一度しかない貴重な時間を潰してしまっています。考える力の素を作るべき時期に考えない力を強化しています。これでは、天才(子供はみんな普通に天才)といえども永久に才能は発揮できません。

幼児は丸暗記が得意だということは、教室を初めてから色々な本を読み、知りました。しかし、それはある時期特有のものだということも書かれていました。ただ、糸山先生によると、その時期のその能力は人が人間として生きるために必要な力の獲得に使われるべきものであって、目的を間違って使うと、体だけ大人になって頭の中は子供のままという「子供大人」になってしまう危険があると言っておられます。

また、この著書の中に書かれていたことは、私がこれまで漠然と感じていた中学受験に対する違和感や、小さい間にしっかり遊んでいる子の方がある程度の時期がくれば伸びるように感じていたことをより確信に近づけてくれました。

私はそこを目指していないので「中学受験」についての内容はご紹介していませんが、本書にはそれに関しても望ましい取り組み方などが詳しく書かれていますし、家庭学習で気をつけるべきことなども具体的に沢山書かれています。

12歳までのお子さんをお持ちの方、その年齢のお子さんに関わっておられる方には一度お読み頂きたい1冊です。(読まれるのであれば、お子さんが小さいほどいいと思います。)

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2006年1月 5日 (木)

「脳の仕組みと科学的勉強法」 池谷裕二著

今年最初に読み終わった本のご紹介です。
年末はずっとバタバタしていたため、読書に関しては殆ど時間が取れず、お正月休みはついのんびりしてしまって、絶好の読書の機会を逃してしまいました。

また気持ちも新たに今年も沢山読んでいきたいと思っています。
どうぞ宜しく。

だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法」

池谷裕二著 ライオン社

評価 ★★★★☆

すぐ読めます。(という割には私は集中できず日数がかかりましたが。)多分、集中すれば早い方なら1~2時間で読めるのではと思います。

内容も私としてはかなりオススメなのですが、星5つではない理由はB6サイズの上、総ページが100ページに満たないのにやや価格が高いということです。

もし、図書館などで借りられるのであれば、是非読んでみられることをお勧めしますし、書店の店頭で発見できれば、読み慣れた方なら立ち読みでも読み切れるかもという量ですので、是非どうぞ。(ただ、私は書店では発見できず、ネット書店で購入しましたが。)

この本を購入したきっかけは、糸山先生かこだま先生か、どなたか(忘れてしまっていて申し訳ありません。。。)が池谷先生のことを取り上げておられたということでした。

著者である池谷先生は東大理科Ⅰ類に現役で合格された後、現在は東大薬学部助手をされている方です。

しかし、その素晴らしい肩書きを取り上げておられたのではなく、この先生は「九九」を暗記しておられないのだそうなのです。(そのことは本書の中にも書かれていました。)

九九を暗記せずに現役で東大に合格し、現在は脳の研究をされて、著書も数冊出されているのです。そのことに興味を引かれ、ネットで見つけたこの本をまず購入してみました。

偏見かもしれませんが、頭のいい方が書いた文章はしばしば難解でわかりにくい印象を受けることがありますが、先生の文章は本当にわかりやすく、この本であれば中学生でも十分理解できると思います。

そして、限られたページ数の中に参考になることが盛り沢山です。
まず私が驚いたのは脳の神経細胞の数についての説明がされていたところ。
脳の神経細胞の数は約1千億個と言われているそうですが、そう聞いても全くぴんときませんよね?それについて先生はこう書かれています。(以下青字引用)

一般の新聞の文字数は、朝刊でも四〇万程度にすぎません。ですから、毎日コツコツと新聞を集めて一千億字にしようと思ったら、単純に計算しても、二五万日分、つまり約七〇〇年分もの朝刊を集めなければならないことになります。

これまで、脳の神経細胞の数を聞いてイメージできたことはありませんでしたが、朝刊1日分だけでも数え切れないほどの文字数があるのに、それを700年分、仮に夕刊とセットにしても400年分ぐらいの文字数と言われたら、その数の凄さを多少実感できました。

これまで、いくつか記憶法に関する本を読んできましたが、それぞれの本で書かれていることが、池谷先生の著書で科学的根拠に基づいて裏づけされているように感じました。

脳には常に膨大な量の情報が入ってきているので、基本的に脳は「忘れる」ことが得意なのだというのも、言われてみて納得しました。五感を通じて入ってくる情報を全て覚えていると、多分人間、おかしくなってしまう気がしますよね。

では、どういうことなら覚えられるのか、どういう風に覚えるのが効果的なのか、そういうことをその後のページでしっかりまとめておられます。中には既に知っていたこともあったものの、私的には感心しきりという感じで、色々なことに納得がいきました。

覚えておきたいのであれば、多少の危機感を感じさせることが効果的で、食後より多少の空腹時の方が絶対勉強には効果的であるとか、暖房のきいた心地よい環境より少し寒いぐらいの方がよく覚えられるなどということも興味深かったです。

少ないページ数なのに、ご紹介したいことは沢山あって、全部書いてしまうと販売妨害(?)になりそうですので、このあたりにしておきます。

私は近いうちに(脳が忘れないうちに)また読み返してみたいと思っています。
という訳で、中学生以上の方で効果的な勉強法を知りたい方にはかなりオススメできる1冊です。

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2006年1月 4日 (水)

「小学生の学習クロスワードパズル 4・5・6年」

いよいよ今日から今年のレッスンもスタートです。
昨日に続いて今日は、高学年版のご紹介です。

楽しくできる!小学生の学習クロスワードパズル4・5・6年生

学習クロスワード研究会著 メイツ出版

評価 ★★★★

2冊まとめてご紹介しようかとも思ったのですが、高学年版は中身が少し高度になっているので、それぞれ別に書かせて頂くことにしました。

高学年版はスタートが7×7マスになっていて、マス自体は最後までその程度のままです。

ただ、こちらが低学年版とかなり違うのは、入れる言葉がかなりレベルアップしていることです。

一番初めの問題でも「日本の文化」と題されていて、歴史などの知識が必要になっています。次は「生き物」「地図」「地形」などと続き、「宇宙」「漁業」「農業」「工業」などと題されているところもあります。

例えば、最初の問題の設問で「東北四大祭りのひとつ。竹や木に紙をはって武者人形などをつくり、まちをねり歩く」というものがあるのですが、大人はすぐにわかるかもしれませんが、小学校低学年であれば、既に調べ学習に繋がるような設問です。

他にも、地図記号を出して、これは何を表す記号かを問うようなものもあり、こちらも知らなければ調べる以外に方法はありません。

更に、「大地」「電気」「環境」「地球」など、理科内容も取り入れており、間々では漢字や計算のクロスワードも入っています。

低学年と比べるとかなり知識も必要になりますし、高度です。
ただ、マスの数が限られているので、うまく興味を持たせることができれば、自分でそれぞれの内容について調べてみようと思う子もいるかもしれません。

また、家庭学習で、このパズルを1日1ページなどと設定し、そのページについてわからなければ調べることができる本などをお家の方が事前に用意しておいてあげるなどされても効果的な学習ができるかもしれませんね。

楽しみながら学習につなげたいという意図であれば、使える1冊ではないかと思います。ただ、お子さんによってはいきなりこれはちょっときびしいという場合もあると思いますので、その場合は低学年用から導入していくと言うこともできるかもしれません。

このぐらいがすらすらできるようなお子さんであれば、大人用に市販されているクロスワードや漢字ナンクロなども初級編などはできるようになるのではないかと思います。

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2006年1月 3日 (火)

「小学生の学習クロスワードパズル 1・2・3年生」

今日までレッスンもお休みなので、今日は子ども用の学習パズル本のご紹介。
まずは低学年用から。

「楽しくできる!小学生の学習クロスワードパズル1・2・3年生」

学習クロスワード研究会著 メイツ出版

評価 ★★★☆

私が知る限りでは、市販されていて低学年でも取り組めるパズル本は宮本先生の強育パズルなど限られているように思いますし、言葉に興味を持たせるということでのパズルは、市販本では私の手元にはまだこれしかありません。

初めは3×4マスや4×4マスなどの本当にあっという間にできてしまいそうなクロスワードから始まります。ですので、クロスワードを知らないお子さんでもすんなり取り組めそうです。

問題も、空に関係ある言葉だけのページや、果物の名前のページなど、子どもに身近なものから、漢字の読み方や熟語の空欄を埋めるクロスワードなどもあります。(漢字の空欄埋めは漢字ナンクロとか呼ばれているものの超初級編という感じでしょうか。)

文字数を意識して埋めていく、クロスワードの変形の「スケルトン」というものもありますし、中には計算のクロスワードも、干支を辿る迷路などもあります。

低学年であれば結構楽しめるのではないかと思いますし、これが1冊あれば、これを参考にしながらお家の方が問題を作ってあげることもできるのではないかと思います。

ただ、子ども向けの本としては若干高いような気もするので、評価を★★★☆にしています。
お手本のつもりで買って、後はお家で作るという活用の仕方であれば、そう高くもないのかなと思いますが。
ただ。。。私はこの本をこれまで書店の店頭で見たことがありませんので(ネットで購入しました)、中を見てから購入したいという方は、店頭にあるところを探すのがもしかすると少し大変かもしれませんが。

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2006年1月 2日 (月)

「天才IQパズル」

大変狐につままれたような気分です。。。
昨年末、この本の紹介文を殆ど打ち終わっていた記憶がはっきりとあるのですが、なぜか全て消えていました。。。

ちょっとショックを受けつつ、もう一度気を取り直してご紹介します。
まだお正月なので、今日は若干娯楽系の本です。(といっても、相当頭は使うと思いますが。)

MENSAから挑戦!天才IQパズル」

フィリップ・カーター ケン・ラッセル著 三笠書房

評価 ★★★★

今回の本は大人向けの娯楽、頭の体操という感じの本です。問題によっては子どもでも取り組めるものもありますし、逆に子どもの方がひらめくものもあるかもしれませんが。

この本のタイトルについている「MENSA」という団体について、私は全く知りませんでしたが、IQ148以上(人口の2%といわれているそうです)の人々が集まった国際的な団体で、世界中に10万人以上の会員がいるそうです。(人口の2%なのに10万人っていうのがすごいです。。)そして、この著者である2人もその会員とのこと。

著者らの作るパズルはMENSAへの入会テストの参考書としても使われるそうですが、この本で取り上げられているパズルはバラエティーに富んでいます。

一般にパズル本として売られているものの殆どは数字系とか漢字系とか、図形系などのように、特定のジャンルのものを集めたものが多いように思いますが、この本には漢字こそありませんが、数字系、図形系、論理(言語)系の色々なものが出題されています。

また、レベルは3段階になっているのですが、レベル1でも制限時間が1問20分、レベル2では40分。レベル3に至っては1問で60分の設定がされています。

しかし。。。60分かかっても解けなかったりもします。(泣)
ただ、問題によっては数分であっさり解けるものもあったりして、もしかすると得意分野などの関係もあるのだろうかと思ったりしています。

数ヶ月前に買ったのですが、ずっと忙しくしていた上、1問にそれだけ時間がかかるため、まだ3分の1ぐらいしか終わっていません。(解けなかったものもあります。)

文庫本なので、値段的にもこの内容ならかなり長い時間楽しめると思います。

ただ、もしかすると私のIQが低くってなかなか解けないのかもしれませんので、ご購入されるときには一度中をご覧になってからにしてください。
もし、「こんなの簡単じゃない!」って言われましても、私にとっては結構難しいのでお許しを。(笑)

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2006年1月 1日 (日)

あけましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。

昨年11月に、更新せずにほったらかしになっている教室のサイトをどうにかしようと思い、教室に来てくれている子のお母さん方に何かお役に立てばとこのブログを始めました。

それが、思いがけず素晴らしい出会いを運んでくれて、本当に感激しています。
昨年は皆さんのお蔭で本当にいい年だったと思っています。

今年も少しでも成長できるよう頑張っていきたいと思いますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

皆さんにとっても、私にとっても素晴らしい1年でありますように。

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