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2006年1月10日 (火)

「勉強のできる子のママがしていること」

沢山の本も出されておられ、ご存知の方も多いかと思いますが、和田秀樹先生の著書のご紹介です。

「勉強できる子のママがしていること 12才までの家庭教育マニュアル

和田秀樹著 PHP文庫

評価 ★★☆ (あくまでも私が共感できるかどうかという評価です)

何冊か並行して読んでいて、つい昨日読み終わったところの1冊です。
和田氏の本は過去にも読んだことがありますが、今回もまたどうしても違和感を感じて、何度も途中で読むのをやめそうになりました。

恐らく、素晴らしい先生なのだと思いますし、子どもの教育ということに関して真剣にお考えなのもわかります。何か間違っているとか、先生がおかしいとかそういうこととは少し違って、いくら読んでいても気持ちが拒絶するのです。

和田氏は大阪のお生まれで、中学受験で灘中に合格。その後灘高、東大へと進まれ、現在は精神科医でもあり、大学での指導や受験指導などもされているようです。

この本は恐らく、ある程度生活レベルが高く、また、ご両親が高学歴で、迷わずお子さんに中学受験をさせるおつもりの方には共感できるのかもしれないと思いながら読みました。

受験に際して、必要であれば受験専門塾をうまく利用しなさい、それでもついていけないようなときには、並行して家庭教師の利用もいいでしょう。そんなことを普通に書かれても、「はい、わかりました」と子どもにそれだけの教育費をかけられるのは限られたご家庭なのではないかと思います。

また、貧しいけど、子どものために切り詰めて。。。というご家庭もあるのかもしれませんが、個人的に、そこまでして中学受験をする必要性を全く感じていない私には共感のしようがありません。

公立の学校では最低限のことしか指導してもらえないし、更に成績が中程度の子のレベルに合わせた授業なので、できる子は面白くなくて当然。だから私立に行ったり、受験塾でより高いレベルの勉強に取り組ませる方がいい。
そういう考え方が存在することは知っています。だけど、どうしても違和感が拭えません。

本書の中で、成績が芳しくなかったときや、何かでイジメを受けたときなどに、親が子にかける言葉として、「次は勝とう」とか「今度は見返してやりなさい」とか、そういう表現が出てきます。
私には勉強などに関してこの感覚自体がないので、共感しようがありません。

勉強は誰かに勝って相手を見返すためにやるものだと思ったことは一度もありません。
もちろん、スポーツの試合などで、絶対負けたくないとか、次は絶対勝つぞとか、そういう感覚はわかるのですが、勉強に関してそういう感覚を持っておられる方は、勉強が部活動という感覚なのでしょうか?

私には子どももいませんので、実際親になったときにはどうなるのかわからないと言われればそれまでですが、もし自分に子どもがいたとして、その子に向かって「頑張って見返してやりなさい」という教育をしたいとは思えないのです。
そんなことだから、ダメなのよと言われたとしても、そんなのはちっとも構いません。

私にとって勉強は、何か目標や夢を達成するために必要だからするもの。わからないことを知りたいからするもの。そんなものでしかないのです。

この本は、これまで私が高い評価をつけている本に共感できない方にはお勧めできるかもしれませんが、私自身は読みながら何だかとても悲しい気持ちになりました。

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コメント

Satchyさん、コメントありがとうございました。
マニュアルって言葉、確かにそうですね。私は大学の卒論でその頃大流行中だった学校の授業のマニュアル化運動の批判みたいなのを書いたことを思い出しました。
ただ、和田先生のお考えに共感し、見習っているお母さん方もかなりおられるはずだと思うと(有名な先生ですし)、悲しい気持ちになりますね。
こちらこそ、ご挨拶遅くなりまして申し訳ありません。今年もどうぞ宜しくお願い致します。

投稿: willseeds | 2006年1月12日 (木) 19時56分

Willseeds先生こんにちは。私も先生のおっしゃることに同感です。人の価値は、成績の良し悪しだけで決まるものではないので、誰かに勝つとか負けるとかそういう考えで勉強に取り組むのは何だか本末転倒という気がします。先生がおっしゃるように、勉強は自分の夢や目標を実現するための「基盤」を作り上げるために必要なのだと思います。勝ち負けという考え方を勉強に持ち込んでしまうと、自分の価値を他人との比較でだけでしか見出せない子供さんが出てきてしまうのではないかと心配です。人が持っている可能性はそれぞれ異なるのであり、その可能性を見つけ、引き出し、伸ばしてやることが親や学校の先生の仕事なのではないか、と私は思うのです。そもそも、このタイトルにある「マニュアル」という表現に不快感を感じてしまうのは私だけでしょうか。なぜなら、繰り返しになりますが、人がもっている可能性、能力や適性はそれぞれ異なるもので、同じように育てたからといって、皆が同じ人間に育つことは絶対にありえないからです。教育者であるはずの人間が、「勉強のできる子を作るマニュアル本」を出版するなんて信じがたいことです。長くなってしまってごめんなさい。まだまだ言いたいことはたくさんあるのですけれど。またメールでお話できればうれしいです。それから、遅れましたが、今年もどうぞよろしくお願いします!

投稿: Satchy | 2006年1月12日 (木) 14時54分

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