« 「跳び箱とさかあがりができる本」 中島清貴著 | トップページ | 「生きがいのマネジメント」 飯田史彦著 »

2006年1月17日 (火)

「『できる子』の親がしている70の習慣」 七田眞著

幼児教育、右脳教育で有名な七田先生の著書のご紹介。

「『できる子』の親がしている70の習慣」 七田眞著 PHP文庫

評価 ★★★★☆ (これからご出産の予定がある方には★★★★★

実は、正直なところ七田チャイルドの指導には若干疑問があるところもあり、そのせいもあってこれまで七田先生のご本を手にすることはありませんでした。

ですが、たまたま書店で文庫が目に留まり、タイトルも気になりましたので読んでみることにしました。
その結果、七田チャイルドの指導は一旦置いておいて、この本自体はとても好きな本だなと感じました。

タイトルが先日ご紹介した和田先生の著書に似ていますが、こちらは乳幼児、更に遡って胎児の頃からの子育てについて、何が大切かを書かれており、内容は正反対のようなものでした。

フラッシュカードを見せる、文を暗誦させる、残像を残して透視能力を高める、そんなものではなく、この本に書かれていることこそが本当の七田式なのであれば、大いに素晴らしいと思います。

この本に書かれていることは、既にご紹介した中では、伊藤恭先生の「本物の幼児教育とは」や糸山先生の最新書、多湖先生、加藤先生、ドロシー・ロー・ノルト氏などの著書と共通するものがあります。どこか、水谷先生の著書とも通じます。

とにかく、子育てには「心」を育てることが大事だということが書かれているのですが、子どもの問題行動は必ず家庭の中に原因があると書かれ、その解決法として、子どもを認め、愛し、抱きしめるということが書かれています。

また、ここでいう「教育」とは知識を学ばせる教育(先取り学習など)のことではなく、それを受け入れられる回線網を作り上げることだと断った上で、0~6歳までの子どもにさまざまな働きかけ、愛情がけ、言葉がけをすることの重要性を説いておられます。

他にもいいことが沢山書かれていますが、前述の著書などにも共通するところも多いので、私にとって特に印象深かったところをいくつかご紹介します。

70項目中の7ではこのようなことが書かれています。(以下青字はすべて引用)

子どもが非行に走る、登校拒否をする、いじめをするといった問題行動を起こしている場合、父親が子育てに参加していない、母親に任せて子育てに関わろうとしないケースがほとんどです。

9では「『勉強する3つの目的』を教える」と題し、

一番目は、学ぶことによって自分が成長するために学ぶ、成長するのが楽しいから学ぶ、ということです。(中略)
二番目は、人生で成功するために学ぶ、ということです。何か目標があってそしてそれをやり遂げる、その目標をやり遂げることが成功です。(中略)
三番目は、これがいちばん大切なことですが、大きくなって世の中に貢献するために学ぶ、ということです。

32では、イチローやタイガー・ウッズとその父親の話を取り上げ、彼らの父親は無理にやらせたのではなく、父親本人がバッティングやパッティングの練習をする姿を何度も何度も見せ、彼ら自身が「自分もやりたい」と言い出して初めて、「そんなにやりたいか?じゃあやらせてあげよう」という持っていき方をしたと紹介しています。
これは子どもに何かに取り組ませるとき、とても参考になることだなと感じました。本を読まない子に本を読むようにさせたければ、「読みなさい」というのではなく、まず親御さん自身が楽しそうに本を読む姿を子どもに見せればいいということと同じですね。

61では、子育ては胎児期から始まるという考えに基づき、妊娠期に気をつけなければならないこととして、食生活にも触れておられますが、その中で印象深かったのは

まず、胎児にとっては水が主食になります。なにしろ羊水の中で育つのですから。
ところが最近は「羊水のきれいな妊婦さんはいない」といわれています。

そう書かれ、水道水や食卓塩(自然塩に対して精製塩ということ)、動物食の危険性などを挙げておられます。
最近の新生児にアレルギーが多いのは羊水の影響だとも述べておられますが、医学的なことはわからないものの、化学物質などが胎児に影響を与えているであろうことは納得できます。

この本の中で一番印象に残ったのはここかもしれません。64で「人間の本質は3歳までに育つということを忘れない」と題して書かれているところで、保護観察官として1万人の非行少年の指導、矯正にあたってこられた相部和男氏の著書からの紹介がされています。

その中で、相部氏が36年にわたって非行少年の幼児期を調べ続けた結果として紹介されているグラフがあるのですが、10,387人の非行少年のうち、幼児期における育てられ方として62.1%という圧倒的割合を示しているのが「溺愛」なのです。
それに続く「放任」は21.9%、次いで「普通」っが11.7%、「きびしい」が4.3%となっていますが、(だから厳しくしなさいということではなく。。。)放任された子に比べても3倍、溺愛されて育った子が非行に走っているということになります。

どこまでが正しい愛情の注ぎ方で、どこからが溺愛なのかは、当事者である親にはなかなか判断がつかないところもあるのかもしれないと思うのですが、度合いや方向性が間違っているにしても、「可愛がられて」育った子が非行に走っている割合がダントツに高いということは驚きました。

文庫ですので気軽に読めますし、小さいお子さんやお腹の中のお子さんをお持ちの方、これからそうなる予定の方などにはお勧めできる1冊ではないかと思います。

|

« 「跳び箱とさかあがりができる本」 中島清貴著 | トップページ | 「生きがいのマネジメント」 飯田史彦著 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/96750/8088942

この記事へのトラックバック一覧です: 「『できる子』の親がしている70の習慣」 七田眞著:

« 「跳び箱とさかあがりができる本」 中島清貴著 | トップページ | 「生きがいのマネジメント」 飯田史彦著 »