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2005年12月 1日 (木)

「本当の学力をつける本」 陰山英男著

今ではもう殆ど知らない方はおられないのではないかと思われるほど有名になってしまった「100マス計算」の陰山先生が最初に出版された著書のご紹介です。

「本当の学力をつける本―学校でできること 家庭でできること 
陰山英男著
 文藝春秋

評価 ★★★★

まだ、今ほど100マスも、陰山先生ご自身もそんなに有名ではなかった頃のことで、この本を最初に手にしたのはなぜだったかは覚えていません。ただ、タイトルと本の帯に書かれていた言葉に興味を引かれたように思います。

陰山先生やその実践に関しての説明は省かせて頂きますが、先生ご自身はとても熱心で素晴らしい方だと思っています。

また、「陰山メソッド」と呼ばれる実践にも確かに素晴らしいと思うことが数多くあります。

ただ、ここまで「単純計算や音読の反復がいいのだ」という部分だけが一人歩きしてしまっている状況を見ると、本当に子どものことを考えるのであれば、先生ご自身にももっともっと声を大にして言って頂きたいと思うのです。

陰山先生とその同僚の先生方が兵庫県の山あいの小さな学校で実践されてきたことは「100マス」とか「音読」とかそんな断片的なお手軽なものではないのです。それはこの本を読んで頂ければお分かり頂けると思います。

学校だけでなく、家庭や地域まで一体となって、本当に手をかけた実践をしてこられたのです。だからこそ、結果が実を結んだのです。

例えば、朝食はきちんととる。朝の排便を習慣化させる。テレビ(テレビゲームを含む)は1日1時間。小学生の頃から親の仕事をきちんと話し、子どもの将来を話し合う。朝は6時に起き、深夜に勉強するぐらいなら眠った方がいい。読書の習慣をつけさせる。正しい姿勢や丁寧な文字を書くことを心がけさせる。。。そんなことが沢山挙げられているのです。

私はそれらの殆どは素晴らしいと思いますし、実際にこれを守って生活すれば、それは「賢い子」に育つだろうと思うのです。

先生の実践のひとつに、漢字の先取り学習というものがありますが、新学年になったとき、教科書に出てくる順に細切れでやるのではなく、1学期の早い段階でまとめて学習してしまうというものです。それは確かに効果的な学習法だと思いますし、他にも素晴らしい指導を数多くなさっているのです。

なのに、なぜここまで「100マス」ばかりが有名になってしまったのか。100マスだけやっていれば賢くなるというような思い込みさえ生まれているこの現状が本当に恐ろしいのです。

陰山先生の実践は「100マス」ではないのだということを、この本を読むことでもっともっと多くの方にきちんとわかって頂きたい。私は心からそう願っています。

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