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2005年12月22日 (木)

「これ一冊で必ず国語読解力がつく本」後藤武士著

後藤先生の著書、2冊目のご紹介です。

「これ一冊で必ず国語読解力がつく本」 

後藤武士著 宝島社

評価 ★★★★

苦手な子どもはかなり存在するものの、効果的な指導法というものがはっきり確立していないもののひとつが国語の読解問題ではないかと思います。

実際私もこれまで、色々な子ども達と共に学んできましたが、本を読むのが好きだからといって、必ずしも読解ができるということではありませんでしたし、長文読解問題集のようなものをいくら数多くこなしたところで、苦手な子が苦手なままということも珍しくありませんでした。

ですので、国語力や読解力、作文力というものの指導に関する著書は色々意識して読むようにしていましたが、この本は結構参考になるのではないかと思います。

著者ご自身が最初に書いておられますが、対象は「中学受験から資格試験まで全ての試験」の受験者ということのようです。実際、小学校低学年までにはあまりお役には立たないかもしれません。

第1章では選択問題の解き方を具体的に細かく説明しておられますが、ここは、何に目をつけていいのかわからない、感覚でなんとなく選んで間違ってしまう、そういうお子さんにはかなり参考になると思います。

それに対して第2章は、具体的な読解の仕方について、やや難しいレベルまでつっこんで書いておられるため、国語が苦手な小学生や中学生に自分で読んで理解しなさいというのは少し難しいのではと思います。この章に関しては、親や先生など指導者側が読んで、指導の際の参考にされるといいのではないでしょうか。

第3章もやや高度な内容です。しかし、読解に関してかなり重要なことが書かれているとも思います。
例えば、「国語は裏を読む科目だ」と題して書かれている項で挙げられている例があります。(以下青字引用)

次の発言の裏を読んで考えられる可能性をあげなさい。
「私の在任中は増税はしません」

これで考えられる裏の正解は
「在任期間が終わったら増税する・・・×」
「在任期間が終わったら増税するかもしれない・・・○」

そして、「増税は」の「は」から「増税以外のことはするかも」ということも読めるとなっています。

具体的でわかりやすい説明だと思います。
ただ、この増税の例にしても、小学生にはピンと来ないかもしれませんし、全般に高校受験生以上に向けて書かれているかもという印象は受けます。

第4章では記述、第5章では指示語についてまとめておられ、内容は濃いと思いますが、全般に、もともとある程度できるお子さんが更に力を伸ばしたい場合や、読解が苦手なお子さんを指導している大人の方が読まれるといいかなという印象を受けます。

先ほども述べましたが、既に苦手意識のある中学生ぐらいのお子さんにこれを読んで参考にしなさいと言っても、ちょっとハードルが高いかもしれません。まずは大人の側が読んでみられることをお勧めします。
大人の方が読まれても十分参考になることの多い1冊ではないかと思います。

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