2023年9月30日 (土)

ようやく役に立てた気が。

子ども達の中にはもともと数に興味があって、おうちの方が特に教えたわけではないのに、感覚的に理解しているような子がいます。
年長さんのときに来てくれて1年生になったある子もそのタイプのようで、一緒にレッスンするまでに既に100ぐらいまでの足す引くは考えられるようになっているような感じでした。
年長さんだと数以外の課題も色々あるので、もちろん私のフォローが必要なことは色々ありましたが、数に関しては、何も言わなくてできている場合はあれこれ言わないので、1年生になってからも結構長らく、計算などでは私の仕事がほとんどないなぁという感じで来ていました。

20まで、100までの計算がきちんと考えられるようになっていれば、1000までになっても理屈は同じなので、きっとこれもスラスラ行くのだろうと思っていたところ、足し算はほぼ問題なく進んだ後、引き算も300や800などぴったりの数からの引き算は割とすんなりできるようになりました。さすがだなぁ、まだあまり出番がないなと思っていたところ、思いがけず、3桁-3桁の繰り下がりになった途端、これまでで初めて大混乱状態になりました。
100を超えると硬貨を使ったりもするのですが、まだ小さいのでお金を使う機会がなくて、かえって難しいのかもと思ったりもして、今回の宿題の出来次第で、ここは丁寧にやった方がよさそうだなと思っていました。
すると、宿題でも過去にない間違いっぷりで、ああ、この子が初めてイメージできていない場面に出合ったなと。

分かっていることをあれこれ言われるのは面倒だろうと思い、極力先に何か言うことはしないようにしているのですが、今回は「お金使うことがないから、分かりにくいのかもしれないので、分かるまでちょっと見ててくれる?」というと素直にうなずき、実際に硬貨を並べながら、個数を確認し、取れないところは両替をしつつ、何度が見せた後、次はどれをどれに交換するか尋ね、実際にそこから取ってもらったりしつつ、何問か問題を解いてもらい、それを繰り返すうち、そろそろ考えられるようになったのではと感じたので、硬貨を並べずに考えてもらったところ、じっくりじっくり考えながら、きちんと答えが出せるようになりました。
その姿を見ながら、この子の計算の学習で初めてぐらいに役に立てたのかもしれないなと思いました。

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2023年9月29日 (金)

やっと響いたのかな

小さい頃から来てくれていて、真面目にしっかり取り組む性格。算数のセンスもまずまずいいものがあるという印象だった子が、高学年になってから明らかに宿題への取り組みがいい加減になり、思考力の問題集をのらりくらりと、終わらせる予定を半年もずれこませてさえ、やろうとしないままでした。
もちろん、何度も話はしましたし、私個人としては、ここは学校ではないので、そんなにもしたくないのなら無理に教室に来る必要はないわけですし、来るのであればやるべきことはしてほしい。1,2回ならまだしも、何か月にも渡って伝えていることを無視し続けられている状態で、気持ちの良いレッスンはできるはずもなく…。

それでも全く響かぬまま、前回、「これ、やるの忘れてました」と(宿題を一切しないというわけではなく、プリントなどはある程度してくるのですが、なぜかその問題集はずっと放置されていて、学年を考えても次の問題集か更にその次に進んでいたいということも何度も伝えているのですが…)出してきたので、もうさすがに何をどう考えているのか理解できず、これまでで一番こんこんと、思いを伝えました。

自分の高校時代の話などもして、もしその子があの頃の自分のように限界までがんばっているのに「なんでがんばらないんだ」と言われているのであれば、それは気の毒な話ですから、もしそうなら謝るよ、文句言っていいよ?と言いました。
恐らくその子ならもっとできるはずだし、限界までがんばらなくても十分終わるような内容のはずですから、理不尽なことを要求しているはずはないと思いましたが、あまりにもやってくれないのは、私が思い違いをしているのかもと、もしそうなら本当に謝らないといけないと思っていました。

でも、その子は文句はないと、言われても仕方ないという反応だったので、今回のレッスンはどうだろうと、内心かなりドキドキしていました。(もしこれでもやってこなければ、もう一緒にレッスンできないかもしれないとまで思っていましたので…。)
すると、ようやく半年がかりで仕上げてきていて、間違いはあったものの、考えた後がきちんと残されており、間違い直しもさほど時間もかからずに終えることができました。
取り組みが随分いい加減になって数か月経っていたのですが、今日は久しぶりにしっかり考えてよくできるその子を見ることができ、本当にほっとしました。

 

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2023年9月28日 (木)

思いがけない反応

元々はその子自身は算数で困っていることもない状態でレッスンに来てくれることになり、当初はしっかり考えて取り組んでくれていたのが、いつからかほぼ全くというほど宿題をしないで来るようになり、何度も話もしましたし、おうちの方にも様子を伺ったりもしたのですが、うちの宿題をしないというだけでなく、全般に後回しにしていてちょっと気になっているということでした。

宿題をしないのにレッスンには来るし、来たらそれなりに真面目に取り組んでくれるだけに、宿題をしたくないというよりはゲームなどの誘惑に負け続けているような気もして、その辺りのこともおうちの方とお話したところ、何があったのかはわかりませんが、ここのところまたちょっと前向きに取り組んでくれるようになりました。

そんな中、レッスンも割と楽しそうに取り組んでくれるものの、最後、ぐっと詰めて考えてほしいところを適当に済ませようとしたので、日頃思っていることではありますが、その子に、これからの時代、簡単なことは何でも機械やロボットがするようになるんだから、ただ計算するだけとかなら絶対人間は機械に叶わないよ?考えるからこそ人間なんだし、考えなかったらこれから困ると思うのよねというようなことを言ったところ、

「ほんまやな!」

と、思いがけない反応が返ってきました。「コンピュータずるいわ」とも言っていましたが。(笑)

ですが、実際のところ、人工知能と呼ばれるものまで広く世に浸透し始めたわけですから、今後ますます考えない人は重要な仕事に就くことはできなくなるでしょうし、状況的に労働力は足りなくなっていくようなので、仕事がないということにはならないにせよ、自分の頭でしっかり考えられない人が就きたい仕事に就くことはどんどん難しくなっていくのではないかなと思いますので、その子に何かほんの少しでも響いたのならよかったなと思います。

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2023年9月27日 (水)

色々考えられる

教えること、パターン化して覚えさせることのデメリットの一つに、柔軟な発想をしなくなるということがあるのかなと思います。
ワークブックや問題集によっては(というより、大半のものが)初めに例題とその解法を書いてから、その類題を解かせるとか、問題のそばにヒントと称して解き方を書いていることがあります。
ですが、問題によってはその解き方より簡単な方法があったり、パターンをわざわざ覚えなくても少し書き出してみたりすれば解けたりするものが少なくありません。
今日のあるレッスンで、ワークブックに手掛かりとして2つの線分図が描かれていて、与えられた数値などが書きこまれていました。ですが、自分で描いたわけでもない線分図とそこそこ難しい問題の組み合わせは、どう考えたらいいかなというところからスタートしないこともあり、与えられた数値などを適当にあれこれ計算して、どうして?と思うような答えを導き出しました。
その子はじっくり考えることがまだ苦手なので尚更なのですが、それでも、仮に自分で図を描けばここまでの状態にはならないだろうという気もしました。
そして、少なくともその問題は線分図を描かなくても、その子自身で考えられる別の方法があるように思い、少しだけ助け舟を出したところ、やはり、それまでは自分で何をしているかわかっていなさそうだったのが、考え方に気づいたようでした。
パターンなどを教える場合、あくまでも子ども自身が考えた後、必要であればという順にした方が、効果があるのは確かだと思います。
ご家庭で指導される場合などは意識して頂くといいのではと。

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2023年9月26日 (火)

考えるのは本当に大切

色々と悩み多きお年頃の高1さんは、中2の初めに来てくれた頃は、習ったことを覚えて解くのが数学という状態で、小学校の頃からそれを積み重ねていた上、算数も苦手だったようで、記憶が曖昧、雰囲気で解くから運が良ければ合うけど、たとえ正解しても、どうしてそれで解けるのかはわかっていないというような状態からのスタートでした。
それが、今ではどの問題もまず自分の頭で考えるようになっていて、高校数学も習ったことを覚えて解こうとするのではなく、考えられることは考えようとしてくれているようです。
もちろん、高校数学になってくると、公式を覚えられるなら覚えてしまった方がいいものも少なからずありますが、忘れてしまったときにお手上げにならないよう、忘れたときでも解く方法がないかを意識してもらうようにしています。
そんなわけで、最近始まったという二次関数も、授業で習ってしまえば、まずは式の変形をして、どこに頂点や軸があるかを求めるということを基本として覚えるよう言われるわけですが、そもそも与えられた式のグラフが放物線になるのが分かっているのなら、xにいくつか値を代入して、そこからどこに頂点や軸があるかを導き出すことだってできるわけです。
算数・数学を解く上で、この「解き方を忘れても考えたら解ける」と思えることが結構大事なのではないかと思います。そして、それは、しっかり考えて解くという経験を積み重ねることでしか身につかないものなのではないかとも思います。

 

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2023年9月25日 (月)

暑さ寒さも…。

すっかり秋めいてきましたね。今日は大型書店に用があったので久しぶりに三宮に出ましたが、お天気でも汗をかかない気温で助かりました。
また暑い日が戻ってくるような予報も目にしましたが、日差しは確実に秋を感じられるようになりましたね。
土曜がお休みだったので、3日レッスンがなく、あれこれしようと思っていたのですが、実家の用などを少ししたほかはほぼ非生産的休日を過ごしてしまいました…。
9月もあっという間に最終週。今週もどうぞよろしくお願いいたします。

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2023年9月24日 (日)

オフ

今日は更新お休みします。

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2023年9月23日 (土)

秋分の日

今日は秋分の日の祝日、今月は土曜が5回あるので、レッスンはお休みでした。
彼岸の中日ということもあり、お墓参りと、実家におはぎを持って顔を出してきました。
それにしても、今週はレッスンをしていても、日が短くなったのをしみじみ感じましたし、気温も随分下がってきました。あまりに暑い日が続いて、30度とか28℃とかの表示を見ると、今日は涼しい!と思ってしまうのもちょっとどうなのかとは思いますが…。
このまま涼しくなってくれるといいなと思いますが、台風の季節にもなるんでしょうか…。

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2023年9月22日 (金)

突き詰めて考える

小さい子達は、大抵の場合、大人が邪魔をしない限り、考えるということは当たり前のようにしてくれるのですが、問題を自分で考えて解くより先に、誰かから教わって解くことが当たり前になってしまった子などの場合、本当の意味で「考えて理解する」ということがなかなか伝わらないことがあります。

そういう子達も、全く何も考えていないわけではなく、その子なりに「考えて」はいるようですが、どうしてそう考えたのか、なぜそれが答えになるのかなど、「どうして」「なぜ」を尋ねると説明ができない、つまり、自分で納得していない状態ということがあるのです。

今日のレッスンでも、計算の工夫の問題を考えていた子が、101×101で悩んでいたので、まずは100×101の答えを考えてもらいました。それ自体もなんだか苦労していましたが10100と答えが出たので、100円のものが101個で10100円だったら、101円のものが101個でいくらになるか尋ねたところ、少し考えて100円増えると答えました。そこで、どうして100円増えるのか尋ねるとだんまり。この子に限ったことではありませんが、しっかり考えて自分で納得がいっているのでない場合、しばしば、そういう尋ね方をされると間違っているんだなと受け止めて、またも深く考えずに「101円?」というような尋ね方をしてくることがあります。

私にはその手は通用しないですし、子どもが正解を書いていても、表情を見て、しっかり理解できた感じがしなければ、どう考えたのか尋ねたりしますから、深く考えていない子は合っている答えを消したりもします。

因みに、自分で納得していないのに、100でないなら101かという流れでマルをもらっても、本人に達成感や満足感などはほぼありません。(自分で考えない状態がかなり深刻な子などは、分かっていようがいまいが、ただマルがもらえることに喜びを感じることもありますが。)そして、それでは算数の力、考える力はつきません。

算数の力を伸ばしたいのであれば、突き詰めて考えるということは何より大切なことかもしれませんね。

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2023年9月21日 (木)

自信

来てくれることになったきっかけは高学年に差し掛かって、算数が完全に苦手になっているということだったのですが、紆余曲折ありながらも、3年目を迎えた今年度はスタートから好調をキープしていて、おうちの方に伺った話では、1学期、算数で初めてよくできるが1つついたのだと教えてくださいました。

そのときに、最近は算数に少し自信が出てきている反面、国語の漢字が…という話を伺ったので、好きではないものを自分でコツコツ取り組むのは大変かもしれないと思い、本人に、算数が順調で少し余裕があるから、ここで少しだけ国語の漢字を一緒にする?と尋ねてみました。

もちろん、せっかく1つ自信がつき始めたときに苦手なものもがんばれというのは悪手だということは知っているので、国語は宿題にもしないし、嫌なら別に無理しなくていいよと、あくまでも本人の希望があればということで尋ねたところ、割とすんなり「うん、やる」と言ったので、負担に感じない程度でやってみることにしました。

今日はその1回目だったのですが、初っ端から、ああ、漢字もだけど、語彙もあまり多くないんだろうなという感じで、知らない言葉を1つ1つ辞書を調べてもらったりと、時間も手間もかかる状態だったのですが、嫌がる様子はなく取り組んでくれました。
元々、負担に感じるのなら無理にしても身に付きづらいのは分かっているので、国語は宿題にするつもりもなく、宿題はないけど、テキストを預かっておくか持って帰るか尋ねたところ、初めは預かって…と言いかけたのですが、「いや、家でやろっかな」と思いがけない答えが返ってきました。

まずは国語や漢字に対する気持ちが少しでも前向きになればというところを目指したいので、「持って帰って、やらなくても、次ちゃんと持ってきてくれたらいいから」と伝えて渡しました。

少なくとも強制されたわけではなく、自ら漢字をすると選択し、更には持って帰ってちょっとやろうかなとまで思えたのは、きっと算数に少し自信が持てるようになったからというのが大きいのではないかなと思います。
自信を持つことは本当に大切なんだなぁとしみじみ思いました。

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