今日のレッスンで、ある子が持ってきた宿題の答えに、1㎡は1㎠いくつ分になるか考えようというところに(紙を使って1㎡の大きさを確かめた後にその問題があったのですが)まさかの10個分という答えが書かれていました。
面積の換算では、よく考えず暗記したような子達だと、1mと1㎝の関係で、1㎡は100㎠と答えるということはありますが、10個というのはそれすら考えていない答えでびっくり。
更に言えば、正方形を10個使って正方形を作ることはできませんから、そもそも何もイメージしているとは言えない答えです。
そこで、教室でも1㎡の広さの紙を広げてもらい、方眼紙で1㎠の広さも見せて、これが10個であの広さになるはずないよね?と言ってから、しばらく考えてもらったのですが、次に書かれた答えは1000㎠でした。
正方形1000個を並べて正方形を作ることはできませんから、それももちろん違うわけですが、少なくともその子の頭の中では正方形の形も、正方形を並べていくイメージも全く浮かんでいないのだろうと思います。
別の宿題では、53.8mの針金から8mの針金を切り分けていくと、何本とれてどれだけ余るかという問題にも、67本と書いてきました。
感覚がある子なら、8×6で48、8×7で56だから、8本取れるなというような考え方ができるはずですし、そもそも、8を10回集めたら80ですから、53.8mしかないのに、10本を遥かに超える本数取れるという答えは出してこないはずです。
この子は、もともと小さい頃からスピードも量も求めるような塾に行っていて、1年ほど前にこちらに移ってきたこともあり、考えずにとにかく与えられた数字を使って計算してしまうという癖からまだ抜け切れていないのですが、その様子を見ると改めて思います。
算数が好きな子、もともとセンスに恵まれている子などは別として、一般に、小さい頃によく考える時間を与えることなく、教えて覚えさせ、反復させるという勉強をさせると、特に算数ではそれがかえって足を引っ張ることになる場合が少なからずあるのです。
この子も、小さい頃にご縁を頂けていたら、こんなに辛い思いはせずに済んだのかもしれず、もどかしく思いますが、諦めずに頑張ってくれているのが救いです。
そろそろ大きな変化が出始めてくれるといいのですが。
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